高速信号シミュレーション
USB4、Thunderbolt、HDMIなどGHz帯の高速信号伝送に於いて、信号品質(SI)の確保やノイズ(EMC)対策は重要です。アリオンでは高速信号関連規格の認証試験及び信号測定サービス等を提供して参りましたが、お客様より信号やEMC等の不具合対策のご要望を頂いています。
高速信号シミュレーションは、基板上の高速信号伝送路を解析し、信号品質の劣化原因やEMCの原因となるノイズ発生要因を推定し、対策を行う為の手法です。
USB4、Thunderbault、PCI Expressなど、IT機器の高速化は留まる事を知りません。
信号高速化により、基板上の高速伝送路上の設計は、より注意深く行う必要があります。
当社で高速信号の認証や、評価を行ったお客様からの困りごとに次のものがあります。
LSIはUSB4の認証済のものを使ったのに、筐体のUSBコネクタで測定すると基準を満たさない
このような事例では、LSIからの入出力が、それを実装した基板、内部ケーブル、使用しているコネクタなどの伝送特性が影響して、信号品質が担保出来ない場合や、ノイズの発生がおきている場合があります。 具体的には下記のような要因が推定できます。
- 基板の信号線の引き回し
スルーホール、スタブ、GNDインピダンス、近接する信号線からのクロストーク等 - ケーブルの影響
シールドが不十分でノイズ発生、界面での反射波、信号線同士の干渉 - コネクタの影響
シェル部分のGND処理、ケーブルとの接続、パドルボード(基板)の引き回し
これらの推定される要因を、個別に改善しながら、組み合わせて対策を行う事は要因が多すぎて、対策案を早急に見つける事は非常に困難です。
このような場合には、基板、ケーブル、コネクタの伝送特性から、高速信号の伝送路をシミュレーションする事で、不具合要因を推定する事が出来ます。
シミュレーションを行う為のソフトウエアは、様々なものがありますが、当社では左図のようにSI分野(信号品質)とEMC分野(放射ノイズ)についてシミュレーションを提供します。
シミュレーションを行うには、事前に伝送線路に関する情報が必要です。
次のような情報をご提供頂き、シミュレーションを行う事で、信号品質の低下や放射ノイズの出ているホットスポットなどを推定する事が出来て、実際の測定結果と組み合わせる事で、効果的に測定、検証、対策、確認の設計改善サイクルを回す事が可能となります。
シミュレーションに必要な情報の例
- コネクタ、ケーブルの3Dデータ、材料等の情報
- 基板のガーバーデータ:層構成、メーカー、機材情報(誘電率)
- 信号の情報
- その他 シミュレーションする伝送路の情報
カストマ―サービス
当社では基板上のパターン、ケーブル(HDMI、USBなどを含む)、コネクタ、アンテナなどの部品で構成される高速伝送路に対して、測定だけでなく、シミュレーションによる問題解析の提供を致します。