Allion Labs/Greg Tsai
前回ご紹介した「受聴品質の知覚的観客的分析」で、音声信号の評価ツールPOLQA(Perceptual Objective Listening Quality Analysis)について触れましたが、今回は実用化した事例についてお話します。
アリオンの音響部門とRF部門は、完全な機能と適切な設備を備えた「無線干渉がBluetoothヘッドセットの音声品質に与える影響」の評価環境を共同で策定しました。アリオンのPOLQAサービスは、送信経路(DUTマイク収音)の音声品質評価も、受信経路(イヤホンスピーカーのマイク)の音声品質評価も、いずれも実行することができます。この記事で共有する事例では、テスト対象(DUT)がBluetoothワイヤレスイヤホンです。
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アリオンの無響室環境、HATS、RFアンテナのイメージ
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RF隔離ボックス(RF SHIELDING BOX)
下の図表はAudio Precision社のTN120技術ドキュメントから引用したものです。Audio Precision内蔵のReference Wave Fileをテスト用の音源信号として使用し、Audio Analyzer(APx585)のUnbalanced Analog Outputを擬似口(HATSに内蔵された擬似口)に出力して再生します。
その後、DUTのマイクで拾われBluetoothを介してPC1に送信され、次にMS Teamsを介して別のPC2と通信し、PC2のイヤホンジャックがオーディオアナライザー(APx585)のアナログアンバランス入力に接続されます。このようにして回路全体が完成します。このプロセスでは、基本的な伝送リンク (例: コーデックの影響) の評価に加えて、このアーキテクチャは、RFワイヤレス干渉の影響と制御可能なPC1アンテナ送受信の強度も導入します。
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アリオンは専門的なRFワイヤレス干渉と、制御可能なRFアンテナ強度を導入しました。現場での組み立ては、下の写真の通りです。
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制御可能なPC1アンテナ強度を通して、さまざまな通信距離の条件下で、DUTイヤホンマイクの音声品質をシミュレーションします。
以下の結果は、さまざまなRF条件下でのイヤホンマイクの音声品質(MOS-LQO)を示しています。
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この他にも、イヤホンスピーカーの音声品質も評価することができます。
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さまざまなRF条件下における、イヤホンスピーカーの音声品質(MOS-LQO)スコアは以下の通りです。
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まとめ
以上のことから、人間の主観的なリスニングをPOLQAに置き換えることで、テスト部門スタッフの主観的なリスニング時間を大幅に節約でき、スコアがより安定することがわかります。低スコアの理由を分析すると、一部はコーデックの品質要因であり、RFアンチジャミング機能が原因のものもありました。このシステムを通じて、市販されている他のモデルと安定して相互比較を行い、市場における御社イヤホン製品の品質レベルを確認することができます。
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