Allion Labs/Franck Chen

次世代ゲーム機であるPS5、XBOX Series X/SはNetflix、Amazon Prime Videoなどの映像ストリーミングを次々と高規格な映像で正式にリリースしました。それによりテレビを軸としたHDMI 2.1の映像、音響などが爆発的な成長期を迎えました。過去の更新の内容に比べ、HDMI 2.1は新世代のテレビ、家庭用ゲーム本体、オーディオ/サウンドバーなどのメディア放送装置に大きな躍進をもたらしました。

図:HDMI 2.1応用アプリケーション

しかしHDMI 2.1対応製品が市場に投入されてから次々と問題が発生しています。本記事では世代を超えたAV規格であるHDMI 2.1の主な特徴と注意しなければならない問題をいくつか紹介します。

まずHDMI 2.1規格について少し振り返りしましょう。

 

HDMI 2.1とHDMI 2.0の違い

 

HDMI 2.1とHDMI 2.0の比較表

  HDMI Cat2 HDMI Cat3
ケーブル Premium High Speed HDMI Cable Ultra High Speed HDMI Cable
帯域幅 18Gbps 48Gbps
最高解像度 4K 60Hz (最高) 10K 120Hz (最高)
HDR 靜的 (static) 動的 (dynamic)
オーディオリターンチャンネル ARC eARC
VRR (可変リフラッシュレート) X
ALLM  X
QFT  X
QMS X

図:HDMI 2.1とHDMI 2.0の比較表

 1. ウルトラハイスピードHDMIケーブル 

HDMI 2.1の全ての機能を使用するには公式または機関によって認証された「ウルトラハイスピード」(Ultra High Speed)HDMIケーブルを使用する必要があります。新しいUHSケーブルは隣接する信号の影響を回避する為の超低電磁干渉(EMI)を備えています。よって装置はHDMIが高速で動作したり高度に負荷がかかったりした際、自身や周辺機器に影響を及ぼしにくくしています。

 

 2. 帯域幅48Gbpsでの4K/8K/10Kについて 

HDMI 2.1は新しいFRLフレームを採用し伝送帯域幅は2.0の18 Gbpsから48 Gbpsに大幅に向上しました。そのため以前より高い4 K/120 Hz と 8 K/60 Hzの画像を転送することができDSCを介して圧縮された最大10 K/120 Hzの画像も転送することができるようになりました。

 

 3. ハイダイナミックレンジHDRについて 

HDMI 2.1はStatic HDRを改良しひとつのフルビデオに対してひとつのメタデータしか使用できない制限をつけました。それにより「ダイナミックメタデータ」を通じてビデオ再生中のフレームごとに深さ、細かさ、明るさ、またコントラスト及びより広い色域値で表示できるようになりました。HDRは映画、ビデオ、テレビ番組、PCゲームやVRに使用できます。

 

 4. eARC オーディオリターンチャンネルの強化 

ARCとeARCの主な違いは周波数幅と速度です。周波数幅を1本の水道管と見なすと高周波幅は比較的大きな水道管ということになります。つまりより多くのデータ量を伝送することができます。高周波伝送によりデジタル音声を圧縮することなく多くの情報を保管することができます。そのためeARCチャンネルを通じればDolby AtmosDTSXオブジェクトベースオーディオのフォーマットなど、劇場の品質のようなサラウンドサウンドを楽しむことが可能になります。

 

 5. VRR (Variable Refresh Rate可変リフレッシュレート) 

新しい可変リフレッシュレート(Variable Refresh Rate)はゲームプレイヤーが最も注目する進化です。VRRの最も主要な役割は同期側と信号源(例えば:ゲーム機本体)のリフレッシュレートであり原理としては発売されてからかなり経つFreeSyncやG-Syncと同じです。テレビ画面においてはVRRを通じて画面の遅延、ジッタ、ティアリングの問題を減少または解消し、画面の表現をより鮮明にしゲームの複雑なシーンの表現をよりスムーズにします。

 

 6. ALLM(Auto Low Latency Mode) 

現在、多くのテレビは画面設定において色空間、色温度、明るさを変える以外に、コンピュータや家庭用ゲーム機を通してゲーム画面をテレビに出力する際に発生する可能性のある遅延を減らすことが目的の「ゲームモード」があります。Auto Low Latency Modeは以前はユーザーが手動で切り替えていたテレビやディスプレイのHDMI 2.1装置を、低遅延モードを起動する必要があるかどうかを自動で判断し、手動での設定時間を解消する機能です。

 

 7. QFT(Quick Frame Transport) 

HDMI 2.1の QFTは各フレームをより高速に伝送するためDisplay Latencyを効率よく削減し、ソースとディスプレイ間の伝送時間を削減することによりスムーズなゲーム体験を提供することができる機能です。

 

 8. QMS(Quick Media Switching) 

通常現在のテレビでは複数のHDMI装置が接続されており、発信源を切り替えたいときに黒画面になることがよくあります。HDMI 2.1に追加されたQuick Media Switching機能はこの問題を解決するためのものです。QMSを通じてHDMI 2.1は画像を切り替えを行う際、画像ソースの解像度、フレームレートに変更や誤差があったとしても待つことなくすぐに画面に表示でき、マルチデバイス間でスムーズに切り替えることができます。

 

HDMI認証テストはアリオンにお任せ!

アリオンは2010年以来Sony HDMIテストセンターの認可を受け、2021年にはHDMI Forumの公式認可を取得し、正式にHDMI 2.Xテストを実行できる認証テストラボ(Authorized Test Center、ATC)となりました。

 

 HDMI 2.1テストサービス 

  • CAT3 事前テスト
  • eARC 事前テスト及び認証テスト
  • FRL事前テスト及び認証テスト
  • HDMI 互換性テスト

製品は認証テストに合格するだけでなく、ユーザーが関連機器を使用した際に互換性の問題や機能性の問題が発生することは絶対にあってはいけません。HDMI製品でよくある問題とその対策に関しては次の記事で共有いたします。乞うご期待を!

本記事の内容やHDMI認証に関してご質問などございましたら、アリオンのお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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