Allion Labs/Henry
色差とは何か?
2種類の色の違いは、以前は主観的な説明でしか表現できませんでした。色差(Color difference)とは、色空間における2つの座標間の距離によって、色彩の差の程度を表現できる量子化された概念です。
CIE L*a*b* は、肉眼で見えるすべての色を表すために使用される、最も完全なカラーモデルです。これは、この特殊な目的のためにCIE国際照明委員会によって提案されたものです。L、a、およびbの後のアスタリスク(*) はそれぞれのフルネームの一部であり、L*は明るい(L*=100)から暗い(L*=0)までの明るさの変化、a*値は緑(- a*)から赤(+a*)への変化、b*値は黄色(+b*)から青(-b*)への色の変化をそれぞれ示しています。
Delta E(デルタE)とは?
Delta E、ΔEは、ΔE*abとしても知られる測定基準です。「ΔE*」、「dE*」、「dE」とも呼ばれ、CIE International Commission on Illuminationによって定められたもので、モニターに表示される2種類の色の違いを定量化するために使用されます。Delta Eの測定範囲は0~100で、0に近いほど色差が小さく、100 は完全な歪みを表しています。一般的な人の標準知覚範囲は次のとおりです。
ΔE <= 1: 肉眼では違いを認識しにくい
ΔE≦2:よく見ると違いがわかる
ΔE <= 4: ほとんどのメーカーが定義する出荷基準
ΔE <= 10: 軽く見ただけでも違いを感じる
次の2つの画像から、異なるDelta E値によって引き起こされる色差を感じることができます。
図:各カラーブロックの左半分が測定画像/右半分が基準画像
実測結果
アリオンのモニターやテレビなどのパネルタイプのテストで長年の経験から、パネルの色彩性能は、さまざまな条件や設定によって異なることがわかりました。アリオンはユーザーエクスペリエンスを常に重要視しており、実験では、さまざまな使用シーンで画面及びコンピューターのDelta Eを測定し、どのような違いがあるか確認しました。
1. 試験対象:モニター
画面設定をデフォルト値にリセットした後、デフォルトのスタンダードに加えて、OSDで選択できる他の7つのカラーモード設定も測定しました。以下の表から、8種類のモードの比較パフォーマンスが一致しており、グレースケールのパフォーマンスに影響を与えていることがわかりました。
下の図から、8 種類のカラーモードのDelta Eのデータはすべて一致しており、ユーザーがどのようにカラーモードを切り替えても、カラーパフォーマンスエクスペリエンスは非常に一貫しています。
スタンダードモードと他のモードの違いを分析すると、その違いは非常に小さいことがわかりました。
さらに、明るさの増減を実験しました。スタンダードモードで明るさ 0 / 25 / 50 / 75 / 100それぞれのパフォーマンスを測定したところ、画面のコントラストパフォーマンスが同じであることがわかりました。
下の表の結果から、スタンダードモードでのDelta Eのパフォーマンスは、さまざまな明るさの設定においても非常に一貫しています。
75の明るさと比較すると、同様にその差も非常に小さいです。
以上の結果から、この画面のDelta Eはあまり正確ではありませんが (ΔE <= 2)、一般的な日常使用をすでに満たしていることがわかります。また、設定したカラーモードと明るさの値に関係なく、一貫したユーザーエクスペリエンスを実現できます。これは非常に大きなメリットです。
2. 試験対象:テレビ
もう一台別のテレビで同じ実験を行いました。モニターの設定とは異なり、テレビにはバックライトの設定がありますが、デフォルトに調整してさまざまなカラーモードを測定しました。モードのコントラストが異なり、最大1096のコントラスト値の差に達することがわかりました。
下の表から、ムービーモードを除いて、他のカラーモードのパフォーマンスはあまり良好ではありません。最も悪いビビッドモードのGrayscale_maxパフォーマンスは、驚くべきことに84.45に達し、とても受け入れられるものではないでしょう。
パフォーマンスが悪くても問題はありませんが。少なくとも、さまざまなモードでパフォーマンスは一貫しており、ユーザーエクスペリエンスは大差なく、それほど目立ちませんと考えられますしかし、下の表から判断すると違いは非常に大きく、ユーザーエクスペリエンス上非常に不快であることを推測しています。
下の表からわかる通り、さまざまな明るさ設定のコントラスト性能は非常に悪くなっています。要するに、デフォルト値に加えて、明るさが調整されている限り、コントラスト性能は低下します。
スタンダードモードの明るさ性能が違い、カラーチェッカーのDelta Eの性能が明るさの影響を大きく受け、明るさが0の時に最も性能が悪くなっています。グレースケールは、どの明るさでもパフォーマンスが非常によくありません。
明るさ性能の一貫性を見ると、明るさが0のときの差が81.7%に達しています。つまり電気を消した部屋で、暗ければ暗いほど、パフォーマンスが低下することを意味しています。
まとめ
工場出荷前にキャリブレーションを行った後のパネル特性として、使用時間の経過とともに色の精度が変動するため、一般的な評価では、キャリブレーション前後のデータも測定します。しかしながら、弊社がこれを行わなかった理由は、ほとんどのユーザーが色補正用のカラーコレクターを持っておらず、ほとんどの場合モードと明るさを切り替えるだけであるため、このような実験の方が、より実際の利用シーンに密接に関連している可能性が高いと考えています。
明るさ、コントラスト、およびDelta Eのパフォーマンス測定に加えて、全方位でパネルのパフォーマンスを得するために、多くの項目(例: ガンマ、色域、均一性など)を測定および検討する必要があるがあります。
アリオンは長年にわたりパネル測定に携わってきました。製品のパフォーマンス検査と同様に、お客様が製品に対し満点の自信を持つことができるように、リリース前に製品をラボに送って、包括的な検証と評価を実施することをお勧めします。
関連の検証テストサービスについてより詳しい情報をお求めの場合は、アリオンのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
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