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スマートフォンのユーザー・エクスペリエンス最適化検証―タッチ編

昨今、市販で販売されているほとんどのスマートフォンがタッチスクリーン式を採用しています。ユーザーは画面に指で軽くタッチするだけで直感的にスマートフォンを操作可能です。しかし、タッチした際に感度が鈍かったり、スムーズさに欠けたりすることがあります。競争の激しいスマートフォン市場では、細かい点が成功のキーとなり得ることから、アリオンの試験チームは、反応の敏感度、耐干渉性能、スワイプ操作のスムーズさなど、タッチパネルのディテールを深く掘り下げた測定、分析を行いました。   測定項目 測定項目は二種類あります。最初はパネル上で、スワイプ、マルチタップ、ドラッグといった、一般ユーザーがよく用いる操作の試験を行いました。   次に、タッチパネルの耐干渉性能に関する試験です。試験チームの経験では、Bluetooth、Wi-Fi、充電といった外部から加えられた行為が、タッチパネルの品質に影響を与えることから、この部分に関し、以下のような状況設定のもとに試験を実施しました。   タッチパネルの品質を試験するに当たり、下図のようにスクリーンを6本の赤ラインで4ブロックに分けました。   最初に、自動タップのアプリに提供されている直線座標を用いて平均ギャップと最大ギャップを計算しました。タッチパネル感度の測定であり、通常は、タップとタップのギャップが小さいほど良好です。二つの座標において最大の差を計算して、感度良好ゾーン(Good Zone)と感度不良ゾーン(Bad Zone)に分けました。 Android Phone 1を使って、先に自動タップのアプリでタップとタップの平均ギャップ(Average [...]

スマートフォンのユーザー・エクスペリエンス最適化検証―ディスプレイ編

モバイル・コミュニケーション技術の迅速な発展より、スマートフォンは人々の生活に欠かせないデバイスとなりました。革新的な技術は人々の目を一新させ、基本的な機能でもカメラの画像や感光、タッチパネルや音楽品質の向上はより良いユーザー・エクスペリエンスを提供するべく進歩し続けます。つまり、各メーカーは開発時にハードウェアのスペックの進歩を求められるだけでなく、ユーザーが実際に使用する際の機能ごとの価値の向上も考慮しなければなりません。 ほとんどの人はユーザー・エクスペリエンスの重要性を理解しています。ですが、その分析をどのように計画し、そしてどのように行うのでしょうか?これは多くの企業が協力を必要としているところでしょう。アリオンは、この分野でも全面的なカスタマイズサービスを提供することができます。製品の開発段階での試験、競合試験、検証手続きへの協力、更には製品生産開始後の追跡等、各段階の試験と分析を通じて、お客様の為に競争力のある製品開発サポートに努めます。今日に至っては、ハードウェアのスペックにおいての各社の差分は少なくなりつつあります。そこでユーザー・エクスペリエンスを用いて製品の最適化を計り、機能の調整をすることで競合製品との差別化を図って、消費者へ「お買い得」感を提供することができます。   今回、アリオンはスマートフォンとユーザーの関係が一番密接な「視覚、聴覚、触覚」の三大機能について、ユーザー・エクスペリエンス(UX)試験及び競合試験(CA)を用いて解析を行いました。   競合試験(CA) アリオンの試験ラボの器材設備及び専業試験より、重要なスペックとニーズに対する検証を行い、測定データを提供し、量化分析時の比較根拠とします。   ユーザー・エクスペリエンス (UX) 当機能のユーザー・エクスペリエンスの理解を重点とします。お客様のニーズをもとに、エンドユーザーの行動をシミュレーションし、フィードバックに基づき、対象的減少及び潜在リスクについてお客様へ製品改善を提案致します。 スマートフォンの試験項目をと意義、ユーザーに対する影響を理解するために、本レポートは文章をディスプレイ(Display)、カメラ(Camera)、オーディオ(Audio)及びタッチ(Touch)の四大項目に分けました。   被試験用機器のスペック   ディスプレイ試験と解析 [...]

ワイヤレスチャージングが開く新しい世界

カメラ、携帯電話やタブレットPCを充電する時に、その機器専用の充電器を見つけるのに手間取った経験はありませんか? 持っている充電器も、どの製品用だったか判らず、埃をかぶっているものも多いかもしれません。 電子機器のハードウェアとソフトウェアの技術革新が続いていたにも関わらず、メーカーは付属品、特にこの手間のかかる充電器を改善には熱心ではありませんでした。しかし、ワイヤレス充電の普及と規格統一により、ついに問題が解決できるかもしれません。 ワイヤレス充電は、特別な技術革新ではなく従来から存在した技術です。浴室で使用する電動歯ブラシや髭剃りなどでは使われてきました。ワイヤレス充電により、電気機器は充電端子やコネクタが無くなるので、水濡れによる漏電や故障を防ぐ事ができます。今日ではワイヤレス充電には様々な伝送方法があり、「磁気誘導」と「磁気共鳴」の2つが、安全性と技術の完成度から、主流になっています。以下に、これら二つの技術を紹介します。 磁気結合(Magnetic Induction) 磁気結合に、送信側と受信の両方の側にコイルが必要で、二つのコイルは磁気的に結合します。送信側コイルに交流電流を流し磁場を発生すると、受信コイルに電磁誘導で電流を発生します。この磁場の変化により電池への充電や、機器が必要なエネルギーを発生できます。この電磁誘導では、送受信デバイス間の距離に物理的な制限があり、5mm程度の短い距離ですら大きなエネルギー損失があります。また、磁気誘導で受信されなかったロス部分のエネルギーは熱に変わるため、周辺にある金属や、使用する機器の温度上昇を発生させる危険があります。   磁気共鳴(Magnetic Resonance) 磁気共鳴の理論は、電磁誘導において、送受信側双方が同じ共振周波数を用いる事で、高効率でエネルギーを送信できます。ただし、磁気共鳴を起すには、コイルの径、巻き数、距離などの要素を考慮した、ピンポイントの条件を実現する必要があります。ですから、磁気共鳴は、電磁誘導における条件の最適化と言い替える事ができます。 市場調査会社IHS iSuppliによれば、2012年には500万台以上の電子機器がワイヤレス充電機能されていて、2015 年には1億台を上回ると推定されています。ただし、ワイヤレス充電技術は、まだ統一された標準仕様を持っておらず、現在固有の技術を推進している団体や企業は、自分の方式の採用を望んでいますが、すべての分野での製品が使えるような統合された技術は未だに登場していません。ワイヤレス充電技術では、消費者向け家電製品、パソコン、車メーカのそれぞれが、自社方式に関連する特許を登録・保有しています。こうした特許を武器に、各方式を推進する団体の争いは続くと思われます。   [...]