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CECのワンタッチプレイ失敗問題が解決!鍵となった原因を、ビデオ・オーディオ検証コンサルタントが瞬時に解明

Allion Labs  科学技術の進歩と関連するオーディオビジュアル製品の普及に伴い、より優れた視聴体験の追求のため、多くの人が様々なオーディオビジュアル機器を購入し、リビングルームをホームシアターに変え、自宅でも高画質且つ高音質な映像コンテンツを楽しむことができるようになりました。その中で、設置が簡単で価格も手ごろなサウンドバーは、ホームシアターオーディオ機器の中で、最も手軽に入手可能な存在となっています。しかし、高品質な音楽を楽しみながら、サウンドバーとテレビやセットトップボックス(STB)などの接続デバイスを接続してCECの連動操作を行う際に、様々な問題に遭遇する消費者もいるようです。 HDMI CEC機能にも善し悪しあり HDMI技術は一般的にオーディオビジュアル製品で使用されており、そのCEC(Consumer Electronic Control)機能により、ユーザーは異なるブランドや製品のリモコンを3〜4個使い分けずとも、リモコン1つで家庭のオーディオビジュアルエコシステムに接続された周辺HDMI機器を制御できるようになりました。この機能のおかげで利便性は大幅に向上しましたが、アリオンのビデオ・オーディオ検証コンサルタントチームは、長年テストに携わってきた経験から、CEC機能が各メーカーにとって悩みのタネとなっていることが分かりました。 CECの簡単機能「ワンタッチプレイ(One Touch Play)」で以下のような事例が過去にありました。ユーザーはサウンドバーのリモコンで「電源オン(Power On)」ボタンを押してサウンドバーを起動すれば、同時にテレビも起動し、テレビのリモコンを手に取る必要はないと期待していました。しかし、HDMIケーブルで接続したテレビが応答しないという、残念な結果になるとは予想していませんでした。 CECのワンタッチプレイが故障してしまったのでしょうか?! テストの専門家がお客様の製品が持つ弱点を確実に把握 ブランドの評判に関わる問題が発生したため、このクレームを受けたメーカーはすぐにアリオンに連絡し、アリオンのビデオ・オーディオ検証コンサルタントチームの豊富な経験を活用して、問題の根本原因を特定するよう依頼されました。ご依頼の背景を理解した専門家チームは、まずCEC通信プロトコルアナライザを使用してこのCECの問題を詳しく分析し、過去の経験に基づいて調査したところ、テレビのモデルの型番がCECの標準仕様と一致しておらず、これがサウンドバーとテレビの間で通信する際にテレビが反応しなくなり、テレビが同時起動しない原因となっていたことを突き止めました。 [...]

最適な映像音響体験に欠かせないディスプレイ向けのCEC互換性テストとは

Allion Labs / Ralph Liao デスクトップモニターの発展や、高いリフレッシュレートと大型スクリーンの普及に伴い、高い更新率と低いティアリングを備えた大画面が求められています。同時に、個人のブラウジング/文書作成/仕事用としてモニターを使う以外にも、家庭用ゲーム機向けにモニターとして使うユーザー層が増えており、シンク側とソース側の接続の利便性は、ユーザーにとってより重要な要素となっています。 家庭用ディスプレイの使用エコロジー シンク側とソース側を簡単に起動し、すぐに使用できるという秒速の体験で、ユーザーエクスペリエンスは大幅に向上します。さらに、モニター使用時、ユーザーはすぐに手が届くよう個人用パソコンモニターの前に座っていることが多く、ユーザーは「モニターのボタンを押せばXbox / PS5 / Switchが同時に起動し、すぐに刺激的なゲームバトルを楽しめる」という秒速体験を求めています。 例えば、ブルーレイプレーヤーやApple TVのようなセットトップボックスなど他の映像音響機器がある場合、同様の使用シナリオで製品体験が大幅に向上することから、家庭用ディスプレイの使用エコロジーは、以下の様に大まかに2つのタイプに分類することができます。 1. [...]

マーケットで最も使用頻度が高い変換アダプター(USB Type-C→HDMIなど)にはどのような問題があるのだろうか

Allion Labs/Ralph Liao USB Type-CをHDMIに変換することについて 数十年にわたる時代の進歩とともに私たちの電子製品も USB Type-A コネクタからUSB TYpe-C コネクタに進化してきました。携帯電話、コンピューター、タブレットなどのポータブルデバイスは徐々に USB Type-Cのインターフェースを利用してきましたが、その名前の通り、ポータブルデバイスというものは持ち運びに特化しているため視聴用の大画面は装備されていません。YouTubeや自分で撮影した動画、Netflix、Disney+などを日頃ゆっくりソファに座って見たいユーザーからするとあまり適してはいません。そして市販のテレビは通常DisplayPortを持たないためUSB Type-CをHDMIに変換するアダプターはユーザーが最も必要としている機器の一つでもあり、携帯電話などの小型スクリーンを大型のテレビに映して鑑賞するのに非常に便利です。 HDMIは我々の家庭用テレビやパソコンディスプレイに最も普及しているインタフェースのひとつであり、テレビでは約2-4組のHDMIコネクタを搭載していることが多く、パソコンでは約1-2組のHDMIコネクタを搭載しています。USB [...]

HDMI高周波テストフィクスチャについて知っておくべきこと

Allion Labs/Tina Yu 市販されている電子製品の中には、HDMIインターフェースにHDMIのラベル(下図)が貼られているのをよく目にします。このロゴは当該製品が認証試験を合格し、HDMIの管理団体であるHDMI Licensing Administrator, Inc.(HDMI LA)から要求された規格に準拠し、市場で販売することができることを示しています。 (資料出典: HDMI公式サイトhttps://www.hdmi.org/) すべてのHDMI製品はHDMI認証試験に合格しなければなりません。通常HDMI認証試験を行う際に、テストエンジニアは専用のHDMIテストフィクスチャを通じて、各試験項目の手順に従い、必要な電気特性数値及び関連パラメータを測定しPass/Failの判定を行います。HDMIテストフィクスチャはHDMIコネクタの19 pinを取り出し、測定器への信号の橋渡しを行う役目を担います。このため、試験テストフィクスチャは認証試験では極めて重要な役割を果たしていると言えるでしょう。 HDMIテストフィクスチャにおける潜在的なリスクとは? 優れたテストフィクスチャを用いることにより、自身の特性を排除し、忠実にHDMI製品の電気パラメータを測定することが可能です。一方、欠陥のあるテストフィクスチャを使用する場合、自身の特性がHDMI製品のパラメータに影響を与えてしまい、誤った試験結果となりかねません。 HDMI規格では、差動インピーダンスが75Ωより低い場合はFailと判定します。下図を例として、テスト機器にSMAケーブルのみを繋いだ場合では赤い波形となり問題ありませんが、HDMIテストフィクスチャに接続した場合では、白い波形のように測定結果が75Ωより低くなり、テストフィクスチャ自体には問題があることがわかりました。 [...]

HDMI 2.1認証試験でよくある問題とその分析– Part I I :Sink機器編

前編のPart IではHDMI 2.1 Source機器においてHDMI2.1認証試験でよくある問題について紹介しました。本編では、それに続きSink製品の認証テストにおいてよくある問題について紹介します。 FRLの電気テストは従来のTMDSモードに比べ複雑 前編でも示した通り、HDMI 2.1における最大の変更点は、従来のTMDSモードに加えて、新たにFRL (Fixed Rate Link)伝送モードが追加されたことにあります。FRLを通して、帯域幅はTMDSの18GからFRLの48Gに向上したことで、8Kの映像データ伝送を行うことができます。FRL信号は伝送の前にLink Trainingのコミュニケーションを実施する必要があります。そのため、FRLの電気テストも比較的複雑になります。従来TMDSの電気テストでは、テストツール側の+5Vをパワーサプライに接続し、5V電圧を供給するだけで、SinkからSourceに接続した状態をシミュレーションすることができ、電気テストが行われていました。  しかしFRLの電気テストでは、特殊な設備でSourceをシミュレーションし、SinkとのLink Trainingプログラムを実行しなければなりません。また、SinkがジェネレータのBERT信号を受信した後、Sinkのレジスタ内にエラー数が記録されます。この時、SourceはSCDCを通してSinkのエラー数を読取り、SPECの規格を満たしているか判断します。 自社開発したSCDC/EDIDエミュレータ「AJSC-1」はHDMI Forumに認可され、FRLの電気特性テストに使用することができます。このテストツールはSourceをシミュレーションし、SinkとLink [...]

動画がスムーズに再生されない一つの原因はHDMIケーブルなのか?

HDMIケーブルはHDMIを搭載した製品の信号転送に使われています。解像度1080pのコンテンツから4K・8Kコンテンツまで、転送必要な音声、画像などのデータ量が増えています。そのため、視聴したいコンテンツにより、HDMIケーブルも含めて適切なHDMI製品を選ぶことが重要なポイントになります。 優れたHDMIケーブルであれば出力デバイスのデジタル信号をディスプレイデバイスで完全に再現することができます。低解像度の720Pや1080Pのコンテンツを再生する際、多少ケーブルの品質が良くなくても表示できたりしますが、高解像度の4K/8Kのコンテンツを再生する際はケーブルによる良し悪しの差異が顕著に現れます。帯域幅が不足しているケーブルを使用することによって、コンテンツの表示が不安定になったり、点滅したりする場合もあります。 また、使用したケーブルがHDMI2.1の最大帯域幅に満たしていない場合、例えば4K30Hzであれば表示しますが、4K120Hzだと表示できない場合もあります。 HDMIケーブルを購入する際の注意点とは? 2021年のアメリカの小売市場では7,610億ドルにも及ぶ返品総額がありました。その中身を分析したところ、消費者の期待を満たしていないユーザーエクスペリエンスの悪さが主な原因となっていました。 上述のようにHDMIケーブルはディスプレイの表示に深く関係しており、安定した環境でコンテンツを視聴できるように以下にてHDMIケーブルを購入する際の注意点をピックアップしました。 1. HDMI認証を取得しているケーブルを購入する 2.ケーブルは長ければ長いほど信号が減衰するため、15M以上のケーブルを使用する場合、品質が良いとされているケーブルを購入する HDMIケーブルの関連試験にご興味がある方はこちら アリオンでは、HDMI認証試験の実施やその他HDMI性能の確認、HDMIケーブル生産ラインのバリデーション検査など、あらゆる面を網羅したサービスを提供しております。また、コンサルティングサービスの提供やケーブルの設計、高周波信号上の問題などへの対応も可能です。 HDMI製品や検証テストに関するご質問などございましたら、お気軽にアリオンにお問い合わせください。 お問い合わせ窓口 [...]

新トレンド「天井スピーカー」 ホームシアター構築の新たな課題

 テレビ/スクリーン・プロジェクター・ホームシアターオーディオは、ホームシアター環境を構成する三つの要素です。ディスプレイ技術の進化に従い、ディスプレイの解像度が向上してきましたが、今まで画面の精緻さを求めてきた消費者は、今度はオーディオの質に注目し、より高度な映像・音声体験を求め始めました。近年、様々なAV規格が登場し、新たなホームシアターの連携体系が誕生しています。その中でもDolbyとDTSの二つのサラウンドシステムが市場の主流になっています。  例えばDolbyシステムの場合、スピーカー数は最初のDolby Pro Logic 5.1チャンネルから、最高規格のDolby Atmos 24.1.10チャンネルに進化してきました。Dolby Atmosについて説明すると、これはドルビーラボラトリーズが2012年4月に発表したサラウンド記録再生方式です。従来のチャンネル依存(Channel Dependency)を捨て、音声をオーディオ要素(Audio Element)にミキシングし、一つのサウンドオブジェクト(Sound Object)にまとめます。3D空間のどこにでも配置でき、音声のソース・移動方向と位置を正確に配置できるため、サラウンド効果を平面から立体に進化させ、よりリアルなビデオ・オーディオエクスペリエンスを実現させました。また、Atmosのオーディオ技術をユーザー側が享受できるようにするために、ドルビーラボラトリーズは新たな音声コーディング技術「Dolby ED2」を開発しました。Dolby ED2はDolby Eの拡張技術のため、下位互換性を持っています。新たなプロフェッショナルメタデータ(Professional Metadata, [...]