Tag Archives: 評価

クラウドカメラで発見問題点とは?

Allion Labs / Goldberg Chen テクノロジーの進化により、通勤を含む仕事時間が生活の大部分を占めている私たちにとってはクラウドカメラの存在は、いつでもどこでもペット/乳幼児/目上の人の介護などに触れられる素晴らしいものです。それは何もプライベートだけでなく自宅の安全管理/環境保全/店内の人の流れ/医療介護/農場などのさまざまな場で活躍を広げています。 クラウドカメラの進化 クラウドカメラはネットや携帯アプリ、Webブラウザを通じて、家にいなくてもいつでもどこでも遠くの状態の確認ができます。リアルタイムの監視のみだった従来のカメラとは違いクラウドカメラは無線で使用が可能です。クラウドカメラは操作や監視の記録が取れるアプリがあったり、リアルタイムで通知が届いたり、簡単に保存できたり、双方から通話ができたり、アラームを設定できたりなど、多くの機能があります。このほかにも、もちろんカメラ/インターホンの多機能アプリケーションを有し、音声アシスタントも搭載しているため、より生活に溶け込み在宅の安全性とスマート化を向上させていると思われがちだが、その反面より多機能による問題も発見されています。 ユーザーフィードバックによって出た問題点 クラウドカメラは単なるビデオカメラではなく使いやすさがより重要です。このため簡単に設定ができる/安全で便利/操作しやすいといったことが何より大切になってきます。購入時にはそのほかの機能、アプリ使用時の便利さ、反応速度も見比べる必要があり、Wi-Fiなどの無線ネットワークの安定性もその重要な一環です。クラウドカメラの主要要素であるアプリ/携帯電話のOS/無線ネットワークによって問題が生じたり、ユーザーの不満を招いたりすることが多々あります。例を挙げるとすると以下のとおりです: 設定が難しく、手順が複雑でわかりにくい アプリと携帯電話/OSまたはその他の互換性の問題により、正常に動作しない 遠隔操作がスムーズではなく、遅延が生じる ネットワークが不安定で、常に途切れる 緊急時の通知が即座に作動しない [...]

タブレットPCの評価 ー アプリケーション性能の比較編

Allion Labs/Cache Her 1台の家電製品の性能を測る際、最も簡単な方法としてはさまざまなテスト用ソフトウェアを使用し、タブレットPCの性能とアプリケーションの動作を比較することです。その際Benchmarkのソフトウェア(3DMark、AnTuTu、PC Markなど)を利用すると、算出された点数をもとにCPU、GPU、Memory、HDD、またはNetworkなどのさまざまな性能の良し悪しをより簡単に判断することが可能です。 この記事では、5つのタブレットPCがテスト用ソフトウェアを通して得られた各性能に対する表現の結果と違いや、テストごとにおけるそれぞれの点数から5つのタブレットPCの性能をみなさまにご紹介します。テスト時は各タブレットの初期設定を使用するため、新たに調整したりはしません。 テスト結果  1. 3DMark  まずみなさまが最もよく知っているであろう3DMarkを見てみましょう。このソフトウェアは主にグラフィックスカードに着目し、他のハードウェアと合わせて点数を評価します。その結果得られた点数は以下の表の通りです。 単純に結果だけで見ると、3台のA社の点数はB社のほとんど1.6倍もあるため、グラフィックやその他のハードウェアの性能にかかわらずA社が優れているといえます。  2. AnTuTu  次に、AnTuTuというソフトウェアを見てみましょう。主にCPU、GPU、MEM、UXに機能を分けて点数をつけます。今回のテスト時も各タブレットを初期設定のまま使用します。 結果は3台のA社の点数はいずれもB社より約1.45倍高かったです。しかしひとつ前の3 [...]

スマートホーム標準規格であるMatterの通信方式として選ばれた「Thread」とは?(上)

Allion Labs / Chris Wu    認知度の低かったThreadネットワークテクノロジーが、最近スマートホームの革新的な共通規格「Matter」のおかげで大きな注目を集めました。Threadは一体どういうものでしょうか。   スマートホームの通信ブリッジ「Thread」 Threadは、低消費電力デバイス(センサーなど)と低遅延に設計されたメッシュ(Mesh)ネットワークプロトコルです。この技術は、家にあるインターネットネットワークやWi-Fiに依存せず、専用メッシュネットワークを構築して家庭内のデバイスを接続することで、簡単、安全、高い信頼性且つ低コストの方法で、家庭内に分散して配置された様々なスマートホームデバイスを接続することができます。例えばセンサー、ドアロック、カーテン、電球、温度調節器、警報器などのデバイスは、数ヶ月やそれ以上の期間変わらず放置されたままの場合があり、必要な時だけ呼び出されて簡単な情報を送信した後に、可能な限り長時間電力を保存するように、またスリープ状態に戻ってバッテリーの電力を節約するよう設計されています。また、Threadネットワークは拡張性があり、250台以上のデバイスをサポートすることができます。 スマートホームのThreadデバイスには、主にルーターやエンドデバイスの機能があります。通常ルーターは外部の電源を必要とするデバイスで、電球やスマートプラグのように、エンドデバイスとの通信を提供する役割を果たしています。一方エンドデバイスは通常バッテリーで動くデバイスであり、センサーやドアロックなど、長時間スリープ状態を維持してバッテリー寿命を延ばすことができます。また、Threadネットワークには自己修復機能があり、ネットワーク内のどのルーターがオフラインになっても、別のルーターがすぐに代替して役割を引き継ぐことができるので、ネットワーク障害が発生することはありません。Threadネットワーク内のデバイスは、点と点で直接接続して通信し合うため、別のコントロールデバイスに接続する必要はなく、また、最適な接続経路を検索することができるため、接続の消費電力を直接低減し、遅延や衝突を減らすことができます。 下の図は、Threadネットワーク内の様々なスマートホームデバイスの役割と相互作用を簡単に示しています。 Threadネットワークで最も特徴的なものは、Threadボーダールーター(Thread Border Router)です。Threadネットワーク自体は独立して動作し、各エンドデバイス間で直接通信することができます。しかしながら、インターネットに接続する場合は少なくとも1つのThreadボーダールーターが必要で、その役割はThreadネットワークとインターネットを相互接続することです。そのため、ネットワーク接続を介して、家にいなくてもスマートホームデバイスを制御することができます。例えば、AmazonのEchoスマートスピーカー(第4世代)、AppleのHomePod [...]

LC3エンコーディングがもたらすBluetoothオーディオの新時代
LC3エンコーディングがもたらすBluetoothオーディオの新時代

Allion Labs 2023年のBluetooth SIGの報告によると、2027年には世界で約70億台ものBluetoothデバイスが存在し、その中でもオーディオ関連のデバイスが約15億台に上ると予想されています。下のグラフで示した調査では、今後5年間でLE-onlyのオーディオデバイスが従来のBluetoothオーディオ(A2DP)のアプリケーションに徐々に置き換わって、より省電力、より高音質、より高い圧縮率となり、個人向けの使用に合った製品になると予想されています。 Bluetooth LEオーディオ と LC3とは Bluetooth LEオーディオは、Bluetooth規格5.2以上に基づいた新しい技術であり、より高品質なオーディオ伝送を提供することが可能です。中でも新しいオーディオエンコーディングの技術であるLC3エンコーディングは、より効率のよいオーディオ圧縮と高音質を実現しています。 LC3エンコーディングは、通常ビデオ会議や音声通話など、低遅延のアプリケーションシーンで使用される低遅延オーディオエンコーディング技術です。高効率な圧縮を実現しつつ非常に低い遅延を保ちながら、より高い音質を提供することができます。 従来のオーディオエンコーディング技術に比べて、LC3エンコーディングにはより高い圧縮効率があり、同じデータ転送速度でより高音質なオーディオを伝送することができます。また、LC3エンコーディングはエラートレランス性能も高く、低品質のネットワーク環境下でも良好な音質を維持することも可能です。 また、LC3エンコーディングは可変ビットレート(VBR)エンコーディングをサポートしています。これは、転送プロセスにおいてエンコーダが音声信号の複雑さに基づいてエンコードレートを自動的に調整できることを意味し、より効率的な圧縮を実現しています。こうした技術は音声の伝送や保存に非常に役に立ち、より高品質な音声圧縮と高い音質を可能とするため、ユーザーはより高音質な音声体験を楽しむことができます。 過去のSBCエンコードに比べ、新しいBluetooth LC3エンコードは同じ転送速度でより高音質の音声を提供したり、低い転送速度ながら品質の高いコンテンツを提供することができます。これにより、開発者はより柔軟性をもってLC3エンコードで開発することが可能となり、音声品質や消費電力などの製品設計の上で、容易に優先順位を策定することができます。以下、LC3エンコードとSBCエンコードを比較しました。 [...]

充電温度がワイヤレス充電製品にもたらす影響とは?

Allion Labs/Ralph Liao リチウム電池とは? リチウムイオン電池(LithiumIonBattery、略LIB)、別名リチウム電池は、リチウム金属またはリチウム合金を負極とした非水電解質溶液を用いた電池の一種です。リチウム金属の化学特性が非常に活発であるため、リチウム金属の加工、保存、使用は環境へ考えさせられることが多くあります。リチウムイオン電池中の電解液は、ゲルとポリマーの混合物です。電池の正極と負極は、リチウムイオンを受容、放出するためのスポンジのような物理構造を有する必要があります。充電中、リチウムイオンは負極から電解液中に移動し、スポンジにその水が入り、リチウムイオンは正極の穴に入っていき、放電の方向が全く逆になります。 現在電子産業でよく取り上げられているリチウム電池は、実はリチウムコバルト電池です。広義で充放電可能リチウム電池とは、黒鉛負極、コバルト、マンガンまたはリン酸鉄を用いた正極、およびリチウムイオンを輸送できる電解液から構成されています。リチウムイオン電池構造は現在正式に商業化に成功し、リチウムイオン二次電池として何度も充電して繰り返し使用することができます。これは、リチウムイオン二次電池の正極と負極に使用される化合物が材料構造に無理な変化を起こさずにリチウムイオンの出入りを促すことができるため、充放電中にリチウムイオンが正負極間を往復させることができるからです。 リチウム電池の標準的な電圧は3.7 Vですが、充電満タン時の電圧は4.2 Vまで貯めることが可能です。エネルギー密度は高く、サイクルの寿命が長いため、現在では多くの3 C製品がリチウムイオン電池を電源としています。リチウム電池の欠点としては過放電と過充電に耐えられないことであり、誤った使用は電池の寿命を減らすだけでなく、熱暴走による爆発、発火などの安全性にも問題があります。市場のほとんどのリチウムイオン電池には保護回路や電池のコアに防爆機構が搭載されています。 リチウムイオン電池の動作原理には正極と負極の間のイオン運動によるものです。理論上このメカニズムは永遠に有効ですが、時間が経つにつれて、使用頻度、高温、老化が性能を低下させる可能性もあります。そのため、メーカーはほとんどはリチウムイオン電池の寿命を300〜500回の放電/充電サイクルに指定した保守的な方法を採用しています。 リチウムイオン電池は熱を受けると同時にその圧力を受けるため、電池を高充電電圧にしているのと同じようになってしまいます。もし電池温度が30°C(86°F)以上であれば高温となり、ほとんどのリチウムイオン電池では4.10 V/cell以上であれば高電圧となります。バッテリーを高温にし長時間フル充電の状態にしていると複数回充電するよりもバッテリーが故障しやすくなる原因になります。 Battery Universityの研究によると、0°Cの温度で40%まで充電すれば、1年後の電池の状態は出荷時の98%を保持することができます。同じ0°Cの温度で100%まで充電したとしても、1年後の電池の健康度は出荷時の94%を保持することができます。しかし、40%と100%に充電する際、充電温度の増加に伴い60°Cの状態で100%に充電すれば、3ヶ月で電池の状態が60%になってしまうことがわかりました。ワイヤレス充電は電磁誘導による技術であるため、通電後の磁気コイルには磁場変化が生じ、電子の流れが充電可能な電流を発生させています。電流の発生時は必ず熱エネルギーが発生し、充電が速ければ速いほどその熱エネルギーは強くなるので、 [...]

テレビ会議ディスプレイ(Webcam Monitor)におけるよくあるトラブルとは?

Allion Labs / Goldberg Chen   どっちもウェブカメラ?WebcamとIPcamの違いとは? 新型コロナウイルスパンデミックの影響により、リモート学習や在宅勤務を行う必要性が高まり、ビデオ通話やビデオ会議の需要が急増したことで、ウェブカメラの需要も拡大しています。この記事ではテレビ会議ディスプレイについて詳しく掘り下げ、よくあるトラブルや、これに対する対処法をご紹介します。 まずはウェブカメラとは何なのかを理解しましょう。ウェブカメラは、一般的な製品名としてビデオカメラ、ウェブカメラ、ネットワークカメラなど、色々な名称で呼ばれており、ビデオ通話やオンライン授業、ビデオ会議などで使用され、通常USBポートを介してコンピュータと接続します。   IPcamとは? IPカムはIPカメラやネットワークカメラとも呼ばれ、監視カメラ、ネットワーク監視カメラなどの一般的な製品名があります。その名称のせいかウェブカメラと混同されやすく、明確に区別がつかないことがあります。特に両者いずれにも「ネットワークカメラ」という名称を用いた製品があり、メーカーや販売プラットフォームによって混同されることがあるため、消費者は購入時に注意が必要です。 IPカメラは主にセキュリティと監視の目的で使用され、一般的にRJ-45ポートで接続されます。例外的にシャオミのMi HomeスマートカメラのようにRJ-45をサポートしていない製品もありますが、それでも同じタイプの製品に分類されます。また、IPカメラはコンピュータと連携する必要がなく、独立して動作し、ネットワークを介してリアルタイムで映像を送信することができます。   [...]

スマートテレビと周辺機器のメーカーはいかに他社と差別化すべきか

Allion Labs / Franck Chen 「スマートテレビ」と「OTTセットトップボックス」の成長トレンド早分かり スマートテレビは今や多くの液晶テレビに標準搭載され、ストリーミングビデオ鑑賞だけでなく、ゲーム、ビデオ会議、音声インタラクティブコミュニケーションなどの機能利用も可能となっています。スマートテレビの果たす役割はますます重要になり、別の角度から見れば、スマート機能はテレビ販売の差別化と言うよりも、もはや必需品となっています。Strategy Analyticsの研究によると、2020年から2026年までの間に、世界中の家庭におけるスマートテレビの普及率は、6.65億世帯(34%)から11億世帯(51%)に上昇すると予測されています。 その一方で急速に発展しているのが、OTT(Over The Top)のSTB(ビデオセットトップボックス)です。これらは、従来の衛星や地上波、ケーブルなどの事業者が展開する専用のブロードキャストネットワークを介さずに、一般的なインターネットを利用して視聴します。アメリカでは、OTTの視聴が徐々に有線テレビに置き換わりつつあり、ケーブルテレビの解約者が増加し、以前にテレビを全く見なかった人たちもOTTでの視聴を始めるなど、この製品への需要が急速に高まっています。Technavioの調査レポートによると、世界のOTTビデオセットトップボックス市場は、2021年から2026年までの期間に年平均成長率3%で拡大し続けると予測されています。 市場競争力とユーザーニーズの把握 『敵を知り己を知れば百戦危うからず』という言葉があります。各メーカーがスマートテレビやOTTビデオセットトップボックスという成長の見込みのある市場を攻略する際、市場に製品をリリースする前に、ユーザーニーズや潜在的なリスクを理解しないまま、市場競争力を把握せずに密室に閉じこもって製品を開発すると、昨今のインターネットによる急速な情報拡散の中で、製品リリース後に必要のないネガティブなレビューが多数出てしまうと、会社から開発およびテストに投入するコストが大幅に削減される憂き目に遭い、市場から淘汰される可能性さえあります。 以前は消費者の映像体験のほとんどがテレビで放送される番組や映画だったので、テレビ関連製品の購入時には解像度、色彩表示、音声出力の品質などが重要視されていました。しかし今日においては、テレビが”個人/家族向けの映像コンテンツ”、”ゲームエンターテイメント”、”音声アシスタント”、さらには”スマートホーム管理”や各ワイヤレス技術アプリケーションなどを楽しむスマートデバイスに進化しています。そのため現在の消費者は、総合的な”ユーザーエクスペリエンス”や”ウェブサイトのレビュー”、さらには製品のデザインや個人の好みなどの付加価値を考慮するようになりました。これらの要素は、現在のテレビの消費動向の変化や潜在的なユーザークレームの発生に影響を与えています。 スマートテレビでよくある質問とシナリオ [...]