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タブレットPCの評価 ー スクリーンとカメラの性能比較編

Allion Labs/Cache Her 以前発表したタブレットPC大評価シリーズではタブレットPCのバッテリー寿命、充電の性能と無線ネットワークの性能の比較について紹介してきました。 今回はタブレットPCのスクリーンとカメラレンズの良し悪しの違いがどのくらいあるのかを見てみましょう。一般的にスクリーンに対しては解像度とサイズを注目しがちです。なぜなら外部接続式のスクリーンに関してはユーザーが自分の好みに合わせて選ぶことができますが、タブレットPCは購入時にすでに決定されており変更することはできないからです。カメラレンズに関してもそうです。このため、スクリーンの良し悪しは明るさ、コントラスト、色温度などによって異なり、カメラレンズは解像度やレンズの良し悪しによって写真を撮った後の写り方も異なるため、この本編ではいくつかの機器のテストを通じて各タブレットのスクリーンとレンズを比較します。   本編ではスクリーンとカメラでの表現を見るためのタブレット5機種を紹介します。 テスト結果  スクリーン性能実測  スクリーンは人の目だけではどのスクリーンがどちらの方がどれだdけ明るいかがわかりにくいので、計器の力を借りてスクリーンのさまざまな特性に対して数値的に比較することにしました。 今回測定した5つの機器の数値はそれぞれスクリーンの明るさ、コントラスト、色温度、基本色域と高画質色域などの比較です。測定結果は下表の通りになりました。   このように非常に多くのデータを見ているとインターネット業の関係者以外のほとんどの人は理解し難いと感じてしまうと思うので、ここでまず簡単な結論を述べようと思います。この表の表示をみてみると一般的にスクリーンのパフォーマンスは主に明るさやコントラストなどに集中していることがわかります。高い輝度とコントラストを備えたスクリーンには読書やビデオ視聴に優れたユーザー体験ををもたらすことでしょう。スクリーンパネルというのは色温度が 6500Kに近い場合、色の精度が向上します。このテストでは、モデルBとモデルAの両方が特に明るさ、色の精度、色の彩度で良好なパフォーマンスを示しました。一方モデルCの明るさと色の精度もかなり良好ですが、デフォルトの色温度(7285 K)は青く、スクリーンは冷たく見えてしまいます。 [...]

PCプライバシー保護ゲートキーパー「Human Presence Detection」ー 人感検知の応用と実測

Allion Labs/Ralph Liao パソコンの普及に伴い、ほとんどの人が自分のPCを持つようになり、プライバシーが重視されるようになりました。コンピューターがHPD(Human Presence Detection、以下HDP)センサーを使用して、ユーザーがわざわざ手動でシステムをロックしなくても、ユーザーが席を離れれば、画面オフや画面ロックを自動的に行い、席に戻れば自動的に復帰する方法を、いかにして有効化するかが、多くのメーカーにとって1つの課題となっています。 HPDの応用範囲 このような状況下では、個人のプライバシーだけでなく、情報セキュリティにもより注意を払う必要があります。プライベートでPCを使用する時、一時的に席を離れた隙に、画面をロックしなかったためにデータが漏洩してしまうことを想像してみてください。個人のプライベートデータであろうと、重要な企業秘密であろうと、情報の流出はユーザーに多大な損失をもたらすため、以下の様なアプリケーションによって開発されました。 オフィスアプリケーション 公共スペースアプリケーション(例:カフェや図書館) セキュリティアプリケーション(例:在宅ワーク、閲覧を許可されていない者から会社情報を守る) では、HPDはユーザーにとってどのような利便性があるのでしょうか。 高速応答: ユーザーがDUTに近づくと、ユーザーの接近を即座に検出でき、マウスやキーボードに触れたり、電源ボタンを押さなくても、システムを自動的に起動することができる 省電力: [...]

なぜLoRaWAN製品はネットワークに接続できないのか?

Allion Labs LoRaWANとは?LoRaWAN技術および応用 LoRaWAN(Long Range Wide Area Network)は、低消費電力で長距離かつ広域通信が可能な通信プロトコル技術で、IoTデバイスを接続するために設計されます。無線局免許が原則不要の「アンライセンスバンド」である920MHz帯域を利用し、数キロ以上の範囲をカバーできます。また、消費電力が低くバッテリー寿命を延ばすことで、スマートシティ、スマート農業、自動化された工業生産、環境モニタリング、医療などの分野に活用されています。 LoRaWANのメリット LoRaWANのメリットは、長距離のカバー範囲や低消費電力などの特長に加え、以下の点もあります。 1. 大規模な接続:LoRaWAN技術は大規模なIoTデバイスの接続をサポートするように設計されます。1つのLoRaWANネットワークでは数千から数百万のデバイスをサポートでき、運営業者は異なる規模のIoT展開に対応できます。 2. コスト効果:LoRaWANデバイスは比較的低コストであり、IoTソリューションの総合コストを削減し、さらなるアプリケーションの実現を支援します。 3. オープンスタンダード:LoRaWANはオープンスタンダードであり、特定のベンダーによる制御を受けません。これはさまざまなデバイスとサービスが相互に操作できることを意味し、運営業者は複数のベンダーと協力して多様なIoTエコシステムを構築できます。 4. 低周波数要件:LoRaWANはISM(Industrial, Scientific, [...]

タブレットPCの評価 ー ワイヤレス性能比較編

Allion Labs/Cache Her タブレットPCの評価シリーズの第一部ではタブレットPCのバッテリー寿命と充電の比較を紹介しましたが、今回はタブレットPCのワイヤレス性能の良し悪しの違いを見てみましょう。ワイヤレスネットワークはタブレットPCにとって核となる重要な部分です。タブレットPCには有線ネットワークのインターフェースがないためインターネットを使用する場合、ワイヤレスネットワークを経由する必要があります。 タブレットPCがネットワークに接続するにはワイヤレスが唯一のパイプであり、タブレットPCを手にし、電源を入れた直後からワイヤレスネットワークを通してオンラインでアカウントを設定したり、ソフトウェアを更新したりします。また各機能の設定をしたのちウェブページの閲覧、オンラインショッピング、ドラマ、アプリのダウンロード、オンラインゲームをプレイするなどにはワイヤレスネットワークを必要とするため、これに関する性能はタブレットの良し悪しやユーザーの使用体験に大きな影響を与えます。 本編では主に異なるタブレットPCのワイヤレス性能の比較を紹介します。外部からの干渉を避けるため、またテストの一貫性を確保するためにテスト環境が電磁波を遮断できるシールドルーム(Shielding Room)で実行されます。 テスト項目には以下の通りです。そのテスト結果を以下に記しました。 アップロードとダウンロードのパーフォーマンス ネットワーク混雑下における送受信の性能 Bluetooth共存下の性能 Wi-Fiルーターと異なる距離での使用に関する性能 この記事では「バッテリーの寿命と充電」をテーマとし、写真の5つあるタブレットPCについてそれぞれ比較と分析を行い、その結果を以下に記しました。 テスト結果  1. [...]

デスクトップPCのWi-Fiパフォーマンスの問題点と具体策(下編)

デスクトップPCのWi-Fiパフォーマンスの問題点と具体策(上編)の記事で、アンテナ設計と性能の影響を紹介しました。アンテナが変更された後も、2.4GHz RXでのスループット (Throughput) は高い減衰 (100m減衰) で失敗する現象が依然としてありますが、アリオンの調査によると、ノイズの影響で受信性能が低下している可能性もあります。以下では、最初にRFパフォーマンスデバッグの基本コンセプトと実際のアプリケーションを紹介し、一定の基礎知識を得た上で、それらの問題をいかに解決すべきかについて説明します。 ノイズ干渉の原因 いわゆるノイズとは、システム自体が不要な信号を生成することを指しますが、これによりパフォーマンスに影響を与えることをノイズと呼ぶこともあります。以下、システム内で考えられるノイズの発生源とソリューションを簡単にご紹介します。 まず、ノイズの発生源や漏れを元にアンテナがノイズを受信する場所を測定する必要があります。これは放射線(Radiation)で検索可能です。下の図は、近接場高周波プローブ(Near Field Probe)を示したもので、プローブがノイズの漏れや発生源に接近すると、周波数帯域の相対的なエネルギー変化をスペクトラムアナライザーで見ることができます。 近接場高周波プローブ(左上の写真):高周波プローブの外観構造は、通常円形または棒状です。円形構造にはさまざまなサイズがあり、測定エリアのサイズと異なる周波数のエネルギー強度に影響を与え、通常広いエリアでの迅速なノイズ検索に使用します。棒状のプローブは、基板の配線や部品のピンなどの狭い場所に直接接触でき、狭い範囲におけるノイズの発生源を確認する場合に使用します。 測定セットアップ(右上の写真):通常スペクトラムアナライザーは高周波プローブで操作できますが、低ノイズアンプ(LNA)を追加すると、ノイズエネルギーが増幅され、スペクトラムアナライザで表示されるノイズがより明確になります。 ノイズ干渉解決の方向性 通常、ノイズに対処するための2つの主な方向性は、PCB回路と構造の設計ですが、PCB回路は比較的複雑で放射源となる電子部品が多く、物理的な線の接触や高周波結合(Coupling)によって製品内部でノイズが拡散します。 [...]