Tag Archives: 検証

タブレットPCの評価 ー アプリケーション性能の比較編

Allion Labs/Cache Her 1台の家電製品の性能を測る際、最も簡単な方法としてはさまざまなテスト用ソフトウェアを使用し、タブレットPCの性能とアプリケーションの動作を比較することです。その際Benchmarkのソフトウェア(3DMark、AnTuTu、PC Markなど)を利用すると、算出された点数をもとにCPU、GPU、Memory、HDD、またはNetworkなどのさまざまな性能の良し悪しをより簡単に判断することが可能です。 この記事では、5つのタブレットPCがテスト用ソフトウェアを通して得られた各性能に対する表現の結果と違いや、テストごとにおけるそれぞれの点数から5つのタブレットPCの性能をみなさまにご紹介します。テスト時は各タブレットの初期設定を使用するため、新たに調整したりはしません。 テスト結果  1. 3DMark  まずみなさまが最もよく知っているであろう3DMarkを見てみましょう。このソフトウェアは主にグラフィックスカードに着目し、他のハードウェアと合わせて点数を評価します。その結果得られた点数は以下の表の通りです。 単純に結果だけで見ると、3台のA社の点数はB社のほとんど1.6倍もあるため、グラフィックやその他のハードウェアの性能にかかわらずA社が優れているといえます。  2. AnTuTu  次に、AnTuTuというソフトウェアを見てみましょう。主にCPU、GPU、MEM、UXに機能を分けて点数をつけます。今回のテスト時も各タブレットを初期設定のまま使用します。 結果は3台のA社の点数はいずれもB社より約1.45倍高かったです。しかしひとつ前の3 [...]

スマートホーム標準規格であるMatterの通信方式として選ばれた「Thread」とは?(上)

Allion Labs / Chris Wu    認知度の低かったThreadネットワークテクノロジーが、最近スマートホームの革新的な共通規格「Matter」のおかげで大きな注目を集めました。Threadは一体どういうものでしょうか。   スマートホームの通信ブリッジ「Thread」 Threadは、低消費電力デバイス(センサーなど)と低遅延に設計されたメッシュ(Mesh)ネットワークプロトコルです。この技術は、家にあるインターネットネットワークやWi-Fiに依存せず、専用メッシュネットワークを構築して家庭内のデバイスを接続することで、簡単、安全、高い信頼性且つ低コストの方法で、家庭内に分散して配置された様々なスマートホームデバイスを接続することができます。例えばセンサー、ドアロック、カーテン、電球、温度調節器、警報器などのデバイスは、数ヶ月やそれ以上の期間変わらず放置されたままの場合があり、必要な時だけ呼び出されて簡単な情報を送信した後に、可能な限り長時間電力を保存するように、またスリープ状態に戻ってバッテリーの電力を節約するよう設計されています。また、Threadネットワークは拡張性があり、250台以上のデバイスをサポートすることができます。 スマートホームのThreadデバイスには、主にルーターやエンドデバイスの機能があります。通常ルーターは外部の電源を必要とするデバイスで、電球やスマートプラグのように、エンドデバイスとの通信を提供する役割を果たしています。一方エンドデバイスは通常バッテリーで動くデバイスであり、センサーやドアロックなど、長時間スリープ状態を維持してバッテリー寿命を延ばすことができます。また、Threadネットワークには自己修復機能があり、ネットワーク内のどのルーターがオフラインになっても、別のルーターがすぐに代替して役割を引き継ぐことができるので、ネットワーク障害が発生することはありません。Threadネットワーク内のデバイスは、点と点で直接接続して通信し合うため、別のコントロールデバイスに接続する必要はなく、また、最適な接続経路を検索することができるため、接続の消費電力を直接低減し、遅延や衝突を減らすことができます。 下の図は、Threadネットワーク内の様々なスマートホームデバイスの役割と相互作用を簡単に示しています。 Threadネットワークで最も特徴的なものは、Threadボーダールーター(Thread Border Router)です。Threadネットワーク自体は独立して動作し、各エンドデバイス間で直接通信することができます。しかしながら、インターネットに接続する場合は少なくとも1つのThreadボーダールーターが必要で、その役割はThreadネットワークとインターネットを相互接続することです。そのため、ネットワーク接続を介して、家にいなくてもスマートホームデバイスを制御することができます。例えば、AmazonのEchoスマートスピーカー(第4世代)、AppleのHomePod [...]

サーバーの安定性要件 – 温度と湿度

Allion Labs  インターネット時代において、膨大なデータ処理と世界数十億人が利用するインターネットサービスにより、サーバーは重要な役割を果たしています。2023年のサーバー市場は、ハイブリッドワークが新しい働き方として登場してからも、依然としてクラウドデータセンター事業者の需要が顕著です。Google、Amazon、Microsoftなどのクラウドサービスは、正確で安定したサービスパフォーマンスを実現するために、高速で適切に設計された大容量のサーバーを必要としています。この様に、サーバーの応用範囲は非常に広く、多くの人々のインターネット利用に関係しているため、ネットワークサービスがあるところにはサーバー構築のニーズが多くあり、いかにサーバーを安定して運用するかが重要な課題となっています。 例: Facebookは、北極圏から100キロメートルしか離れておらず、冬の平均気温がマイナス20度に達するスウェーデンのとある場所にデータセンターを建設しました。 Microsoftは、スコットランドのオークニー諸島沿岸付近の水域に、潜水艦に似たデータセンターを展開しています。 eBayは、平均気温が38度を超えるアメリカの・フェニックスの砂漠に、20年間使用するデータセンターを建設しました。 現在知られているデータセンターは、極地気候、砂漠地帯、海洋水域に建設されています。高温の環境ではサーバーの放熱効率が低下し、運用が低下する可能性があります。また、乾燥しすぎた環境では電子機器に静電気がたまりやすく、湿度が高いと電子部品が腐食する可能性があります。長期的な観点から見れば、こうした問題がより深刻な摩耗や故障を引き起こす可能性があり、高額の投資コストで無駄が多くなるだけでなく、管理の面で多くの問題を引き起こすことになります。 研究によると、データセンターの理想的な温度の範囲は22℃〜23℃で、できるだけ35℃を超えないように、相対湿度の範囲は40%〜60%の間で保つ必要があります。いかにして安定した作業効率と温度・湿度の最適なバランスを得るかは、厳密かつ大量のテストが必要とし、データに基づいて調整し、包括的なサーバーシステムを完成させることで、完全な性能と寿命を発揮することができます。 したがって、サーバーが様々な温度・湿度環境の気候条件下で動作するかや、作業状態で正常で安定した高効率動作を維持するために良好な冷却システムがあるかが、考慮しなければならない問題となっています。 Facebook、Microsoft、Googleなど、ほぼ全世界のユーザーをカバーしている企業のデータセンターにある1台のサーバーに、平均数百から数千人のユーザーが同時に接続しています。環境の温度や湿度の問題でサーバーがダウンして動作しなくなった場合、その影響は全世界の個人ユーザーや企業に及び、損失は計り知れません。 そこで、アリオンは65KWのウォークインチャンバー( Walk-in Chamber)を設置し、サーバーの信頼性、温度、湿度に対するテストを実施することができます。 65KW ウォークインチャンバー[高重量積載、大容量収納、高い放熱性能を備えています] [...]

LC3エンコーディングがもたらすBluetoothオーディオの新時代
LC3エンコーディングがもたらすBluetoothオーディオの新時代

Allion Labs 2023年のBluetooth SIGの報告によると、2027年には世界で約70億台ものBluetoothデバイスが存在し、その中でもオーディオ関連のデバイスが約15億台に上ると予想されています。下のグラフで示した調査では、今後5年間でLE-onlyのオーディオデバイスが従来のBluetoothオーディオ(A2DP)のアプリケーションに徐々に置き換わって、より省電力、より高音質、より高い圧縮率となり、個人向けの使用に合った製品になると予想されています。 Bluetooth LEオーディオ と LC3とは Bluetooth LEオーディオは、Bluetooth規格5.2以上に基づいた新しい技術であり、より高品質なオーディオ伝送を提供することが可能です。中でも新しいオーディオエンコーディングの技術であるLC3エンコーディングは、より効率のよいオーディオ圧縮と高音質を実現しています。 LC3エンコーディングは、通常ビデオ会議や音声通話など、低遅延のアプリケーションシーンで使用される低遅延オーディオエンコーディング技術です。高効率な圧縮を実現しつつ非常に低い遅延を保ちながら、より高い音質を提供することができます。 従来のオーディオエンコーディング技術に比べて、LC3エンコーディングにはより高い圧縮効率があり、同じデータ転送速度でより高音質なオーディオを伝送することができます。また、LC3エンコーディングはエラートレランス性能も高く、低品質のネットワーク環境下でも良好な音質を維持することも可能です。 また、LC3エンコーディングは可変ビットレート(VBR)エンコーディングをサポートしています。これは、転送プロセスにおいてエンコーダが音声信号の複雑さに基づいてエンコードレートを自動的に調整できることを意味し、より効率的な圧縮を実現しています。こうした技術は音声の伝送や保存に非常に役に立ち、より高品質な音声圧縮と高い音質を可能とするため、ユーザーはより高音質な音声体験を楽しむことができます。 過去のSBCエンコードに比べ、新しいBluetooth LC3エンコードは同じ転送速度でより高音質の音声を提供したり、低い転送速度ながら品質の高いコンテンツを提供することができます。これにより、開発者はより柔軟性をもってLC3エンコードで開発することが可能となり、音声品質や消費電力などの製品設計の上で、容易に優先順位を策定することができます。以下、LC3エンコードとSBCエンコードを比較しました。 [...]

充電温度がワイヤレス充電製品にもたらす影響とは?

Allion Labs/Ralph Liao リチウム電池とは? リチウムイオン電池(LithiumIonBattery、略LIB)、別名リチウム電池は、リチウム金属またはリチウム合金を負極とした非水電解質溶液を用いた電池の一種です。リチウム金属の化学特性が非常に活発であるため、リチウム金属の加工、保存、使用は環境へ考えさせられることが多くあります。リチウムイオン電池中の電解液は、ゲルとポリマーの混合物です。電池の正極と負極は、リチウムイオンを受容、放出するためのスポンジのような物理構造を有する必要があります。充電中、リチウムイオンは負極から電解液中に移動し、スポンジにその水が入り、リチウムイオンは正極の穴に入っていき、放電の方向が全く逆になります。 現在電子産業でよく取り上げられているリチウム電池は、実はリチウムコバルト電池です。広義で充放電可能リチウム電池とは、黒鉛負極、コバルト、マンガンまたはリン酸鉄を用いた正極、およびリチウムイオンを輸送できる電解液から構成されています。リチウムイオン電池構造は現在正式に商業化に成功し、リチウムイオン二次電池として何度も充電して繰り返し使用することができます。これは、リチウムイオン二次電池の正極と負極に使用される化合物が材料構造に無理な変化を起こさずにリチウムイオンの出入りを促すことができるため、充放電中にリチウムイオンが正負極間を往復させることができるからです。 リチウム電池の標準的な電圧は3.7 Vですが、充電満タン時の電圧は4.2 Vまで貯めることが可能です。エネルギー密度は高く、サイクルの寿命が長いため、現在では多くの3 C製品がリチウムイオン電池を電源としています。リチウム電池の欠点としては過放電と過充電に耐えられないことであり、誤った使用は電池の寿命を減らすだけでなく、熱暴走による爆発、発火などの安全性にも問題があります。市場のほとんどのリチウムイオン電池には保護回路や電池のコアに防爆機構が搭載されています。 リチウムイオン電池の動作原理には正極と負極の間のイオン運動によるものです。理論上このメカニズムは永遠に有効ですが、時間が経つにつれて、使用頻度、高温、老化が性能を低下させる可能性もあります。そのため、メーカーはほとんどはリチウムイオン電池の寿命を300〜500回の放電/充電サイクルに指定した保守的な方法を採用しています。 リチウムイオン電池は熱を受けると同時にその圧力を受けるため、電池を高充電電圧にしているのと同じようになってしまいます。もし電池温度が30°C(86°F)以上であれば高温となり、ほとんどのリチウムイオン電池では4.10 V/cell以上であれば高電圧となります。バッテリーを高温にし長時間フル充電の状態にしていると複数回充電するよりもバッテリーが故障しやすくなる原因になります。 Battery Universityの研究によると、0°Cの温度で40%まで充電すれば、1年後の電池の状態は出荷時の98%を保持することができます。同じ0°Cの温度で100%まで充電したとしても、1年後の電池の健康度は出荷時の94%を保持することができます。しかし、40%と100%に充電する際、充電温度の増加に伴い60°Cの状態で100%に充電すれば、3ヶ月で電池の状態が60%になってしまうことがわかりました。ワイヤレス充電は電磁誘導による技術であるため、通電後の磁気コイルには磁場変化が生じ、電子の流れが充電可能な電流を発生させています。電流の発生時は必ず熱エネルギーが発生し、充電が速ければ速いほどその熱エネルギーは強くなるので、 [...]

テレビ会議ディスプレイ(Webcam Monitor)におけるよくあるトラブルとは?

Allion Labs / Goldberg Chen   どっちもウェブカメラ?WebcamとIPcamの違いとは? 新型コロナウイルスパンデミックの影響により、リモート学習や在宅勤務を行う必要性が高まり、ビデオ通話やビデオ会議の需要が急増したことで、ウェブカメラの需要も拡大しています。この記事ではテレビ会議ディスプレイについて詳しく掘り下げ、よくあるトラブルや、これに対する対処法をご紹介します。 まずはウェブカメラとは何なのかを理解しましょう。ウェブカメラは、一般的な製品名としてビデオカメラ、ウェブカメラ、ネットワークカメラなど、色々な名称で呼ばれており、ビデオ通話やオンライン授業、ビデオ会議などで使用され、通常USBポートを介してコンピュータと接続します。   IPcamとは? IPカムはIPカメラやネットワークカメラとも呼ばれ、監視カメラ、ネットワーク監視カメラなどの一般的な製品名があります。その名称のせいかウェブカメラと混同されやすく、明確に区別がつかないことがあります。特に両者いずれにも「ネットワークカメラ」という名称を用いた製品があり、メーカーや販売プラットフォームによって混同されることがあるため、消費者は購入時に注意が必要です。 IPカメラは主にセキュリティと監視の目的で使用され、一般的にRJ-45ポートで接続されます。例外的にシャオミのMi HomeスマートカメラのようにRJ-45をサポートしていない製品もありますが、それでも同じタイプの製品に分類されます。また、IPカメラはコンピュータと連携する必要がなく、独立して動作し、ネットワークを介してリアルタイムで映像を送信することができます。   [...]

音の良し悪しを見分ける!音響テストのご紹介(前編)
音の良し悪しを見分ける!音響テストのご紹介(前編)

Allion Labs   音響(Acoustic)とは 一般的によく耳にする「音響学」は、実は正確に言えば電気音響学です。電気音響学はヘッドホン、マイク、スピーカーなどの音声システムの音声再構築と録音の設計に深く関係しています。これは音響と電気の相互変換を専門的に研究する際の原理であり技術です。それと同時に音声による信号の受信、保存、加工、伝達、測定、再生及び応用のも行うことができます。 その中でも電気音響学といえば、どのように音響を測定するでしょう。業界においては、音響測定に「Soundcheck」を使用することが一般的です。「Soundcheck」とはListenという会社が開発し、編纂したオーディオ及び電気音響の測定に関するソフトウェアで、関連ハードウェアを組み合わせてテストシステムを完成させるものです。オーディオまたは電気音響のテストに関して言えば、Soundcheckを利用することが可能です。ちなみにSoundcheckを使用して測定できる製品は、オーディオ、イヤホン、マイク、電話、携帯電話などです。   なぜ音響テストは重要なのか? 音響機器(オーディオデバイス)に対するニーズが高まるにつれ、その関連製品の再生、録音及びその音質に対する要求も高まっております。現在、ユーザーの音響機器に対する要求は最低でも過去のような「音声を正常に再生/録音できれば」という基本的なものにはとどまらず、再生/録音の音質に対して評価の目が厳しくなってきています。そのためメーカーは機器のテスト時、簡単に音質の良し悪しを単に作業員の人の耳で判断することはできません。よって分析方式がより専門的で、スクリーニングがより厳密な音響試験が必要だというわけです。   なぜ音響テストを行うのか? 音響テストの行う目的として最も重要なのが、ユーザーの各機器音質に対する期待を裏切らないことです。音響テストを通して、ユーザーが機器を使用する際に耳にとって良い音質であり、心地よく、安定させることが必然になってきます。 一方、各メーカーや生産工場にとって音響テストというのは、音質に欠陥があった製品を工場内部の時点で発見、即時に修正し、最終的にユーザーに出荷した際にその製品がユーザーの意に添った良質なものを保証できるようにするものです。   音響テストのキーパーソン ―音響テストエンジニア [...]

ワイヤレスサウンドバーはより快適な音声体験を確保できるか(上)

Allion Labs/Franck Chen アンプに比べて軽量で手頃な価格のサウンドバーが、近年ホームシアターシステム市場で急速に普及しています。市場調査を行う会社であるMarket Statsvilleによると、全世界におけるサウンドバーの市場規模は、2020年の50.944億ドルから2027年には90.762億ドルにまで成長し、年間複合成長率は8.6%に達するとされています。しかし、家のテレビに接続する機器はますます多様化しており、ユーザーがサウンドバーを使用する際、ケーブルの接続や関連機能の設定の煩雑さ、更には配線の見栄えなどの問題に直面することがあります。 嬉しいことに、現在市場にWi-Fiを経由してテレビとペアリングできるワイヤレスサウンドバーが続々登場しています。ワイヤレスだと、現代的なホームシアターシステムの配置がよりシンプルで美しくなるのでいいですね。以下では、市販されている製品をいくつかピックアップしご紹介します。 1. TCLのRoku TVワイヤレスサウンドバーは、Roku TVと接続して使用でき、Wi-Fiを経由して接続し使用する世界初のサウンドバーであると宣伝しています。 2. SAMSUNGのサウンドバーは、Wi-Fi経由で伝送が可能な世界初のDolby ATMOS対応サウンドバーとして宣伝されており、SAMSUNG TVとペアリングして使用することができます (その後、Dolby [...]