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画質に不具合があった!メーカーに何が足りないのか?

Allion Labs  画像工学の分野は、コーデック技術、色処理、データ圧縮、画質評価など、ビデオや画像のバックエンドアプリケーションの多面的な側面をカバーしています。この分野は複雑で、奥が深く、多様性に富んでいます。画像工学における様々な技術や課題を理解することは、様々な実用的アプリケーションにおいて最適な画質を確保するための鍵となります。 何がお客様を悩ませるのか?「客観的な評価がなされていない」 海外のSTB ODM(セット・トップ・ボックス・オリジナル・デザイン・メーカー)であるA社は、製品を市場投入してから、そのお客様であるキャリア業者B社が、STB製品の画質の悪さにユーザーが不満を抱いていることをフィードバックしました。 視覚認識は非常に主観的なものであるため、データを通じて製品の真の画質を検証する客観的なツールや方法が必要です。A社は、長年にわたりアリオンと取引していますが、製品自体の機能・性能検証については、既に自社検証の範囲で十分と考えており、HDMI、Wi-Fi、Bluetooth、USBなどの認証取得の支援のみをアリオンに依頼しました。しかし、STB製品でお客様からのクレームが発生したため、A社は即ちにアリオンに連絡し、直面する背景を説明しました。 アリオンのコンサルティング・チームは、ヒアリングを行い、A社にはデータを作成するための客観的な評価ツールがないことをわかりました。その結果、テストデータを活用し製品の画質を実証することができず、ひいてはB社を説得することができないことが判明しました。 品質を評価するには?アリオンの解決策 画質に影響を与える理由は様々であり、各アプリケーションシナリオにおいて画質が最良の結果を得るためには、画像工学の技術的詳細と課題を理解することが重要です。 アリオンのコンサルティングチームは、一般的に画質評価に使用されるイメージングツールから生成される客観的なデータを用いて、画質評価プロセスにおける最適なソリューションをA社に提案します。 PSNR(Peak Signal-to-Noise Ratio):元画像と圧縮画像の差を測定し、値が大きいほど高品質であることを示す。 VMAF(Video [...]

スマートテレビと周辺機器のメーカーはいかに他社と差別化すべきか

Allion Labs / Franck Chen 「スマートテレビ」と「OTTセットトップボックス」の成長トレンド早分かり スマートテレビは今や多くの液晶テレビに標準搭載され、ストリーミングビデオ鑑賞だけでなく、ゲーム、ビデオ会議、音声インタラクティブコミュニケーションなどの機能利用も可能となっています。スマートテレビの果たす役割はますます重要になり、別の角度から見れば、スマート機能はテレビ販売の差別化と言うよりも、もはや必需品となっています。Strategy Analyticsの研究によると、2020年から2026年までの間に、世界中の家庭におけるスマートテレビの普及率は、6.65億世帯(34%)から11億世帯(51%)に上昇すると予測されています。 その一方で急速に発展しているのが、OTT(Over The Top)のSTB(ビデオセットトップボックス)です。これらは、従来の衛星や地上波、ケーブルなどの事業者が展開する専用のブロードキャストネットワークを介さずに、一般的なインターネットを利用して視聴します。アメリカでは、OTTの視聴が徐々に有線テレビに置き換わりつつあり、ケーブルテレビの解約者が増加し、以前にテレビを全く見なかった人たちもOTTでの視聴を始めるなど、この製品への需要が急速に高まっています。Technavioの調査レポートによると、世界のOTTビデオセットトップボックス市場は、2021年から2026年までの期間に年平均成長率3%で拡大し続けると予測されています。 市場競争力とユーザーニーズの把握 『敵を知り己を知れば百戦危うからず』という言葉があります。各メーカーがスマートテレビやOTTビデオセットトップボックスという成長の見込みのある市場を攻略する際、市場に製品をリリースする前に、ユーザーニーズや潜在的なリスクを理解しないまま、市場競争力を把握せずに密室に閉じこもって製品を開発すると、昨今のインターネットによる急速な情報拡散の中で、製品リリース後に必要のないネガティブなレビューが多数出てしまうと、会社から開発およびテストに投入するコストが大幅に削減される憂き目に遭い、市場から淘汰される可能性さえあります。 以前は消費者の映像体験のほとんどがテレビで放送される番組や映画だったので、テレビ関連製品の購入時には解像度、色彩表示、音声出力の品質などが重要視されていました。しかし今日においては、テレビが”個人/家族向けの映像コンテンツ”、”ゲームエンターテイメント”、”音声アシスタント”、さらには”スマートホーム管理”や各ワイヤレス技術アプリケーションなどを楽しむスマートデバイスに進化しています。そのため現在の消費者は、総合的な”ユーザーエクスペリエンス”や”ウェブサイトのレビュー”、さらには製品のデザインや個人の好みなどの付加価値を考慮するようになりました。これらの要素は、現在のテレビの消費動向の変化や潜在的なユーザークレームの発生に影響を与えています。 スマートテレビでよくある質問とシナリオ [...]