Tag Archives: 評価

受聴品質の知覚的観客的分析

現在の通信ネットワークでは多種多様な音声サービスが提供されており、日常の生活にとって不可欠なものとなっています。そのため、急速に発展する通信システムにおいて、音声品質を如何に確保するかが重要な課題となっており、ユーザーに快適なサービスを提供するためには、音声品質の評価方法が肝心なキーポイントとなっています。 あわせて読みたい:音の良し悪しを見分ける!音響テストのご紹介   音声品質評価の応用については、ITUワークショップでOPTICOM社から提供された情報(下図)をご参照ください。   音声品質の評価方法 音声品質の評価方法には大きく分けて二種類あります: 主観品質評価法 客観品質評価法   主観品質評価法(subjective assessment) 従来の主観品質評価法は、複数の被験者を集めて、あらゆる音響信号の断片の音質を判定してもらいます。通常、判定基準は1から5の間の数値で表されます。それぞれの判定基準の点数を全て足して被験個体数で除した結果が平均オピニオン評点(MOS)の値となります。 被験者を集める試験はコストも高く時間もかかりますが、音響心理学モデル(PESQまたはPOLQA)を用いた計算方法でそれらの制限を克服することができます。正しく使用できれば、これらのモデルは人間による試験結果にほぼ一致します。このような試験自動化は、開発の過程において高速な反復検証と効果的な生産ライン検証をもたらします。得られた測定結果は、人間の気質によるばらつきや測定条件の影響を受けないため、客観的な結果に分類され、高い再現性を持ちます。 主観品質評価法は、多くの被験者と時間が必要になり、コストが膨大になります。それに比べ客観品質評価法は機器を使用しているため、そのような問題はありません。 [...]

2.4GHzの共存問題はワイヤレスマウスに影響を与えるか?

Allion Labs/Allen Liao   キーボードやマウス等のワイヤレスデバイスは、PCやゲームなどを利用するうえで、日常生活に欠かせないものとなっています。これらのワイヤレスデバイスは、通常Bluetoothまたは2.4GHzの無線技術を使用してワイヤレス操作を実現しています。 これらのワイヤレス通信は必要不可欠な技術である一方、ユーザーが不便と感じる場面もあります。例えば、ビジネス環境において、ユーザーが複数のコンピューターを一つのBluetooth®マウスで操作したい場合、マウス自体に、接続したいコンピューターを自由に指定できる機能が存在しないため、複数のコンピューターを制御するには、使わないコンピューターのBluetoothを一旦オフにするなど、いくつかの作業が必要でした。 このような負担を軽減するため、メーカーはデュアルモードワイヤレスマウスを販売しています。デュアルモードワイヤレスマウスは、Bluetoothと2.4GHzの無線の両方をサポートし、2.4GHzの無線はPC側ではUSBドングルを使用して接続します。マウス側のスイッチでBluetoothモードとドングルモードを自由に切り替えることができるため、簡単に2つのコンピューター間での接続を切り替えることが可能です。 利用されるもう1つの分野は、昨今非常に人気のあるeスポーツ業界です。eスポーツでは、非常に高いマウス感度と応答速度を必要とします。Bluetoothを接続に使用すると、求められる伝送スピードをほとんど満たすことができません。その理由は、USB HID仕様を通じたBluetooth®デバイスの反応が悪いためです。そのため、eスポーツ用のマウスでは、メーカーが独自に開発した高速ワイヤレス技術を使用することで、ユーザーのニーズを十分に満たすワイヤレスマウスを実現しています。独自開発の技術を使用しているため、コンピューター側ではUSBドングルを使用します。 図2:市販されているeスポーツ用マウスは、ドングルで高速伝送を実現   2.4GHzワイヤレスの共存がワイヤレスマウスに与える影響は 以前、共存状況下においてワイヤレスキーボードに発生し得る問題についてご説明しました(Bluetooth®キーボード性能検証と分析を参照)。今回は、ワイヤレスマウスの共存パフォーマンスについて説明します。オフィス環境であろうとeスポーツの大会であろうと、環境全体は様々なワイヤレスデバイスによって干渉を受けてしまいます。アリオンは豊富なワイヤレステストの経験に基づいて、2.4GHzワイヤレスの共存がワイヤレスマウスに与える影響を以下の様に要約しました。 マウスカーソルの移動中にラグが生じる マウス操作が全く機能しなくなる [...]

ケーブル・コネクタの認証要点を把握しよう

ケーブル・コネクタは高周波信号、機械特性、電気特性と使用環境の変化などの要因によってその性能が左右されます。ケーブル・コネクタの開発メーカーはこうした環境の変化を考慮した包括的な検証を実施することで、製品の品質条件を満たし、機能のニーズを100%発揮することができることでしょう。今回のレポートでは、アリオンの専門家によるUSBケーブル認証の注意点をご紹介いたします。また、最新規格のSAS4.0、PCI-Expressに関する最新のインターフェースであるOCuLinkと、高速伝送と長距離化を可能にする光変換ケーブルであるアクティブ光ケーブル(AOC: Active Optical Cable)に関する情報の概略についてもご紹介いたします。この他、電気特性検証(Electrical Test)、メカニカル特性検証(Mechanical Test)、耐環境性検証(Environmental Test) に必要とされる設備と試験内容の基本的な部分もご紹介いたします。   USB 2.0 & 3.0認証試験紹介 USB協会(USB-IF)の定めた基準では、USB2.0ケーブル・コネクタの試験フローは8つの試験グループに分かれています。試験グループはケーブル・コネクタの持つ性質に準じて区別されており、各グループでは電気特性、メカニカル特性および耐環境性の検証項目がそれぞれ定められています。DUT(Device Under [...]