調査機関であるJuniper Researchの報告によると、将来世界中の自動車会社が搭載するIVIは増加し、2016年には、9200万台以上の車が、車中でインターネットや、スマートフォンのアプリも使用できるようになると言われている。様々な情報端末があふれる時代において、過去私たちがパソコン、テレビ、さらにスマートフォンを使って情報伝達してきたものがIVIにより情報が集結されるのである。
もはや車は単純な移動手段ではなく、多くの情報を統合し広く伝達する中心となり我々の生活に必須なものになるだろう。更にJuniper Researchの報告では、IVIと他の機器との接続を、確実 かつ有効にする為には、関連するスマートフォン、アプリケーション、コンテンツ及びIVIをつなぐ為の接続仕様、実装規格、そしてネットワーク接続機能の確認の為の試験認証が必要であり、それにより初めて、ユーザーがスマートフォンを通じて確実にIVIにより車と接続できるようになると言っている。
カー・コネクティビティー・コンソーシアム(Car Connectivity Consortium,以下CCC)によって制定されたMirrorLinkは、IVIとスマートフォンをつなぐ代表的な規格と認証の枠組みとして、関連企業に認知されている。車内通信ソリューションとして開発された新しい技術基準MirrorLinkに関し、Allion Labs, Incは、他社に先駆けて一昨年すでにガイドブックを作成している。(参照“The Rising Technical Standard (3): Car Connectivity Consortium”)。MirrorLinkの目的を簡単に言えば、スマートフォンとIVIが簡単にリンクできるようにする規格で、スマートフォンによりカーオーディオまたはIVIを操作したり、逆にカーオーディアからスマートフォンのアプリやコンテンツを使う事である。ユーザーがスマートフォンをUSB、Wi-Fi、Bluetooth、などの既存のインタフェースにより接続または差し込めばすぐ使えるUniversal Plug and Play,UPnP機能、遠隔操作(Virtual Network Computing,VNC)及びリアルタイムストリーミング(Real-Time Protocol,RTP)等の、すでにPCで利用されてきた機能が採用されています。将来、ユーザーは車の運転時に、スマートフォンの画面を見る必要がなくなり、車載ディスプレイに簡単で判り易い画面が映し出され、ボタンまたは音声を通してスマートフォンをコントロールしながら、様々な機能、例えばナビゲーション、近隣の施設情報のアクセス、音楽やビデオの再生などが利用出来るようになる。
Allion Labs, Incは台湾と日本で唯一のMirrorLinkのATL(公式認証ラボ)としてサービスを提供している。、MirrorLinkの認証試験では、Server側とClient側のいづれの試験も提供可能で、将来提供されるアプリケーションの試験も準備中である。MirrorLinkは、2013年のGlobal Mobile AwardにおいてBest Mobile Product or Service for Automotiveに選ばれモバイルの分野でも注目された。CCC ではMirrorLink Ver.1.0の規格書を正式発効し、今後はアプリケーションに関する規格と試験も検討中である。これらの動きは、自動車産業の業界、IVIの開発会社、そして、スマートフォン及び関連車用電子機器の会社にも、採用検討に向け 更に注目を集めている。
MirrorLinkでは将来に向け、通信機能を持つ車載情報端末:テレマティクス(Telematics)の実現に向けて、携帯電話、自動車会社、IVIなど車載機器の開発会社、そして音楽やビデオなどのエンタテイメント業界まで、様々な産業の連携により、より快適で便利で安全な車の利用を検討している。自動車とスマートフォン開発企業は、CCCの中で、様々なアイディアや可能性が検討されている。 その中では電子決済や、ドライバの認証なども検討されており、それが実現されればユーザーは携帯電話、鍵、財布を持つ必要がなくなるかもしれない。なぜなら、すべての機能が一体化したスマートフォンがキーの代わりにドアを開閉し、車を発進させ、財布の代わりに支払いや買い物をし、スマート機能が1つにまとまり、身の回りすべての電子機器をコントロールできるからだ。MirrorLinkは、このような様々な可能性により、大いに将来が期待されている国際的な業界規格である。