Allion Labs / Shirley Lee

 

スマートカーと自動運転車の発展に伴い、車載モニターの需要は右肩上がりの成長を続けています。生活水準が向上し続ける中で、消費者は車の外見や性能だけでなく、モニターに対しても品質要求を高めています。近年の自動車産業を観察すれば分かるように、映像・オーディオシステム、センタークラスター、インストルメントパネル、バックミラー、サイドミラーなどは、これからすべてモニターに置き換えられていくでしょう。車載モニターの性能をどのように消費者の需要に合わせていくかということが、メーカーの課題になります。長年のIoV検証経験を持つアリオンは、車載モニターのための六つの検証プランを設計しました。製品の性能を確保するだけでなく、消費者の信頼を勝ち取るためにも役立つと保証します。

 

車載モニターの六つの検証プラン

 

1. 輝度 (Luminance / Brightness)

輝度が高ければ高いほど、モニターはきれいに映ります。輝度が低ければ低いほど、モニターは暗くてぼやけるように映ります。モニターの輝度測定について、アリオンは米国国家規格協会(American National Standards Institute;ANSI)が定めた9あるいは13ポイントの測定方法を使い、検証結果から最大輝度、最小輝度及び平均値を算出して評価します。

測定設備 : Konica Minolta CS-2000A

測定画面 : 白

測定ポイント : ANSI-9 / ANSI-13

ANSI-9

ANSI-9

ANSI-13

ANSI-13

測定結果

輝度 (Luminance / Brightness)

 

2. 輝度均一性 (Brightness Uniformity)

モニターの中央部分と他の部分との輝度が違う場合、使用者は気持ち悪く感じてしまいます。均一性の数値が高ければ高いほど、モニターの輝度均一性がより良いことを意味します。測定結果からも同じ傾向が分かります。

計算式 : 最小輝度/最大輝度=輝度均一性

測定設備 : Konica Minolta CS-2000A

測定画面 : 白

測定ポイント : ANSI-9 / ANSI-13

測定結果

輝度均一性 (Brightness Uniformity)

 

3. 色の均一性 (Color Uniformity)

色の均一性も、モニターの均一性を評価するための指標の一つです。輝度均一性と同じように、測定結果の数値が高ければ高いほど、色の均一性がより良いことを意味します。

計算式 : 最小値/最大値=均一性

測定設備 : Konica Minolta CS-2000A

測定画面 : 赤 / 緑 / 青

測定ポイント : ANSI-9 / ANSI-13

測定結果

色の均一性 (Color Uniformity)

 

4. 色度 (Chromaticity)

色度とは色の純度のことで(輝度は含まない)、飽和度あるいは彩度とも言います。モニターの赤・緑・青の画面における色度値を測定し、測定結果を

国際照明委員会(International Commission on Illumination;CIE)が定めたCIE 1931あるいはCIE1976の色度図で表示します。

測定設備 : Konica Minolta CS-2000A

測定画面 : 赤 / 緑 / 青

測定ポイント : 中心点

測定結果

色度 (Chromaticity)

 

4-1. コントラスト比 (Contrast Ratio)

色度だけでなく、コントラスト比の測定も行います。コントラスト比とは、黒と白の輝度の比率のことです。コントラスト比が高ければ高いほど、モニターはより豊か・活発・ダイナミック・立体感のある色味を表現でき、細部もよりきれいに表示されます。

計算式 : 白の輝度/黒の輝度=コントラスト比

測定設備 : Konica Minolta CS-2000A

測定画面 : 白 / 黒

測定ポイント : 中心点

コントラスト比 (Contrast Ratio)

 

5. フリッカー (Flicker)

輝度の変化が一定値を超えると、フリッカーが発生します。画面のフリッカーを評価するための基準は現在、VESAが定めたFMAとJEITAが定めたFLVLの二種類があり、それぞれ%とdBで表示します。数値が10%を超える、あるいは-30dBより大きい場合、フリッカーが大きすぎることを意味します。この際、使用者は画面にちらつき、あるいは震えを感じてしまいます。

測定設備 : Klein K10-A

測定画面 : Gray127

測定ポイント : 中心点

フリッカー (Flicker)

 

5.1 応答時間 (Response Time)

モニターの輝度が黒から白になる時間、及び白から黒に戻る時間をそれぞれ計測し、二つの時間を足せば応答時間になります。応答時間が長すぎると、残像が発生し、モーションブラー現象が起きます(下図参照)。モニターを車内エンターテイメントシステムにおいて運用する場合、静的データだけを表示するには、応答速度はそれほど必要ありませんが、映画・ゲームなど映像が激しく動くコンテンツを利用するには、より速い応答速度が必要になります。

応答時間 (Response Time)応答時間 (Response Time)

 

応答時間が長すぎると、「残像」が発生します

測定設備 : Klein K10-A

測定画面 : 黒 à 白 à 黒

測定ポイント : 中心点

応答時間 (Response Time)

 

6. 反射率 (Reflection Rate)

屋外の強い日射の下で、モニター画面が読み取れなくなる場合があります。モニターの輝度を測定する際、反射率も画面の見やすさを表す重要な指標の一つです。反射率が低ければ低いほど、反射やグレアが起きにくくなります。

測定設備 : Konica Minolta CM-2600d

測定ポイント : 中心点

反射率 (Reflection Rate)

 

運転を安全で面白いものにする高品質の車載モニター

自動運転車の普及に伴い、車内エンタテインメントに関わる活用はより広がっていきます。性能の良い車載モニターを設置すれば、運転はより良い体験になるでしょう。

日射の強い昼、あるいは真っ暗な夜、どんな時でも運転者や他の同乗者がより安全かつ快適な運転を実現する車載モニターを求めています。同乗者は車内エンターテイメントシステムを使ったり、映画を観たりゲームをしたりして、楽しい一時を過ごせます。

アリオンは以上の六つの性能評価指標をもとに、製品品質の確保及び消費者の期待に応えるために、製品の問題を特定し、即時分析とアドバイスを提供しています。