HDMIはテレビ、モニターのインターフェースとして普及しており、DVIVGAといった従来型に代わり、コンシューマ向けマルチメディア伝送インターフェースのみならず、卓上PC、モバイル端末、車載器、メディアプレーヤーにも普及しています。次世代UHD信号の技術更新と市場のニーズに後押しされて、HDMIフォーラムでは昨年9月に新規格HDMI 2.0を策定し、今年4月にはHDMI CTSCompliance Test Specification2.0の規格を正式発表しました。このHDMI 2.0は、従来までのHDMI 1.4の上位規格であり、高速伝送18 Gbps4K @ 50/60Hz2160p)映像伝送をサポートすると同時に、オーディオでは32チャンネル、サンプリング周波数が1536kHzに拡大しています。画像面では、二種類の画像を表示できるデュアルビューと複数のユーザに同時に伝送するマルチストリーム機能を備え、電子機器の遠隔操作を可能にするCEC拡張技術、219の超広角アスペクト比、ダイナミック自動リップシンクにより、技術的にも機能的にも従来のHDMI 1.4を凌駕しています。以下の表をご参照ください。

HDMI 2.01.4の比較(HDMIフォーラム公開資料による)

  2.0 (Up to 18Gbps) 1.4 (Up to 10.2Gbps)
Video
  • Up to 4K@50/60 (4:4:4)
  • 21:9 Aspect Ratio
  • Dual viewing
  • 3D OSD
  • Up to 4K@24/25/30 (4:4:4)
  • 16:9 Aspect Ratio
Audio
  • Up to 32 audio channels
  • Up to 1536kHz audio sample frequency
  • Multi-stream audio
  • Up to 8 audio channels
  • Up to 768kHz audio sample frequency
Smart
Control
  • CEC extensions
  • Dynamic Auto Lip-Sync
  • CEC
  • Lip-Sync

アリオンではいちはやく、HDMI 2.0 Source/Sink機器の認証を開始しました。市場ではHDMI 2.0認証試験に対して、まだまだ不明点が多いようです。そこで、より多くのメーカーが自社製のHDMI 2.0製品と他社製品の互換性状況をより深く理解できるよう、「2014 Allion HDMI 2.0相互接続性 Plugfest」を台北ラボで開催し、HDMI 2.0関連メーカーの皆様にHDMI 2.0の認証試験を実際に体験していただきました。このイベントではHDMI Licensing Administrator, Inc. CEOSteve Venuti、ならびにSony HDMI ATCAuthorized Test Center)の松林様、船間様を招待するとともに、多くの台湾IC vendorHDMI 2.0製品開発メーカーの方々にご来場いただきました。

会場では、アリオンがHDMI 2.0の試験を実演し、メーカーにHDMI 2.0関連の試験内容を理解していただきました。当社のHDMI認証チームも全面的に協力し、試験中に発生した製品の不具合原因を確認しました。今回の活動を通して、HDMI 2.0製品については、台湾にはSink機器メーカーが多く、現時点で6G製品を提供しているのはIC vendorだけだったというのがわかりました。以下に、新規製品で発生した不具合事例を紹介します。

1
HDMI 2.0のシンク機器の非電気的特性試験において、輝度と色差の組合せ4:2:0のもとで、色の表示と白黒ストライプの不揃い問題が出やすいことが判明(下図参照)。

長さ不揃い 正常ストライプ

このほか、2.0 Sink機器のEDID(Extended display identification data)識別能力が、メーカーの仕様と一致しないケースが多いことが検証を通して判明しています。これは、エンドユーザーが使用するに当たって想定した能力を発揮できず、ユーザ体験(UX)の満足度に影響し、苦情やリコールの原因になる可能性を含んでいます。

2
HDMI 2.0 Rx ICにおいて最も多く見られたのは、112psIntra-Pair Skew信号に対して対応できない原因によってノイズの発生や画面が表示されない問題であり、この点についてメーカーは設計時に再調整を行う必要性があるかもしれません。

タイトル:6G Eye Diagram

image

このほか、アリオンのケーブル・コネクタ検証センターがメーカー各社のケーブルについても試験を実施しました。総当たり試験を行ったところ、ケーブルが異なれば試験の結果も異なり、特にHDMI 2.0は周波数も伝送データ量も大きいため、接続互換性試験を行わない限り、信号遅延などの問題を解決するのは難しいことが分かりました。

現状としては、HDMI 2.0対応のSource機器は国外メーカーが多く、6G製品はまだ少ないため、ほとんどが開発段階です。製品が出回るのは来年始め頃になるのではと予想されます。

Plugfestにご参加いただいたSONY HDMI ATC代表の松林様は次のように述べ、HDMI2.0認証におけるアリオンとの協業についてコメントいたしました。 

HDMI 2.0は新規格の優位性があると同時に、製品設計や開発の段階でも高度な技術が必要になる。アリオンがHDMI 2.0認証試験サービスを始めたのは良い知らせであり、試験の分野で長く協力してきた実績を生かして、メーカー各社のHDMI 2.0製品開発に協力し、効率を向上させて、いち早く市場を開拓したい。」

Sony HDMI ATCの試験場所として、アリオンのHDMI Programは、SinkSourceCableRepeaterを含めた、HDMI 2.0/1.4bコンプライアンス試験サービスを提供し、依頼主が自社製品の品質を確認し、認証を取得するためのお手伝いをします。これと同時に、アリオンはMHLコンソーシアムの一員としてMHLコンプライアンス試験を提供しております。また、DCP, LLCが認定したHDCPのコンプライアンス試験機関でもあります。昨年度に新設されたケーブル・コネクタ検証センターでは、各種コネクタの認証試験サービスを行っています。アリオンでは、IT機器、家電製品、スマートホーム、車載機器から、ケーブル・コネクタに至るまで、一連の認証試験、相互接続性ソリューションを提供し、お客様にとってワンストップでニーズを満たせるサービスを提供しています。HDMI 2.0認証プログラムの詳細情報につきましては公式サイト(http://www.hdmi.org/manufacturer/hdmi_2_0/index.aspx)、認証試験情報については、HDMIサービスページ(http://www.allion.co.jp/hdmi.html)までアクセスをお願いいたします。

 

お問い合わせ先 
アリオン株式会社 問い合わせ窓口
MAIL: 
service@allion.co.jp