Category Archives: 技術ブログ

エンタープライズ向けストレージの傾向とSSD性能検証

エンタープライズ向けストレージ機器の変化 昨今、小さくスリムなIT製品が市場を席巻しています。スマートフォン、タブレットからウェアラブルデバイスなどの製品は、個人の行動パターンを変えただけではなく、多くの企業を新しい経営形態へと発展させました。新しいテクノロジーがもたらした利便性に対処するために、リアルタイムでのデータ保存、情報の素早いシェアといった技術の重要性が高くなっています。 多くの企業は大量のデータ保存と読み書きを常に必要としています。多数の製品とサービスを支えるために不可欠なバックボーンとして、クラウドサーバは最も重要な役割を果たします。 一般的な企業におけるエンタープライズレベルのシステム運用は、大きく分けて企業内部の情報システム部門とクラウド・ネットワークサービスの二種類に分けることができます。前者は会社内部で構築、運用、利用している場合とデータセンターに管理を外注している場合があり、利用者は主に社内の人か特定のクライアントです。後者はデータセンターを構築、運用することで、不特定多数の一般ユーザーに情報サービスの提供することができます。 両者は規模と利用対象者に違いがありますが、エンタープライズレベルの運用品質としては両者とも一般家庭や個人システムより遥かに高いもので、24時間体制の高い信頼性と利便性を誇り、大量のデータを大量に保存と読み書きが可能な高いパフォーマンスと安定性を持っています。 エンタープライズ向けストレージシステムの管理において重要なのは、サーバそのものです。ビジネスユースのサーバは、主に演算処理、保存、ネットワークの三つに機能が分かれています。このうち、現在では演算処理速度(CPU、RAM)が保存速度より遥かに高いため、各企業は研究開発のリソースをストレージに投入することで全体のパフォーマンスの向上を図っています。 ソリッドステートドライブ(SSD: Solid State Drive)はその性質上、読み書きがデジタル信号で且つマルチチャンネルで行われるため、ハードディスクドライブ(HDD: Hard Disk Drive)が持つ機械特有の制限がなく、読み書き速度もHDDより早く、消費電力も低く抑えられます。しかし、NAND Flashは単価が高価な上、信頼性と寿命について考慮すべき点があるため、これまではビジネスユースのシステムとしては積極的に利用されていませんでした。 それが、近年ではNAND [...]

「認証試験」 ― スクリーンの裏に隠れた縁の下の力持ち

テレビのスイッチを押して、白熱した試合をまるで現場にいるかのように鑑賞する―――NBAからUEFAチャンピオンズリーグ、そして日本プロ野球まで、メディアは多様な番組を提供し、ユーザーはこれまで以上に豊富なエンターテイメントを享受しています。ありきたりな休息のシーンに見えますが、その背景にはテレビメーカーが長年積み重ねてきた技術革新が存在しています。かつてのアナログテレビから現在のデジタルテレビに至るまで進化の道を歩み続け、新しい規格の開発を継続してきました。これら規格の標準認証によりテレビがエンドユーザーに提供する信号品質を確保します。本レポートでは、テレビのエコシステム、そして開発担当者がテレビの性能を検証する際に必要なポイントをご紹介します。   テレビのエコシステム 一般消費者がよく知っているテレビのブランドといえば、ソニー、東芝、シャープ、パナソニック、サムスン、LG、BENQ、PHILIPSなどがあります。システム開発者はFOX、BBC、ESPNなどのチャンネルから配信される放送形式が基準を満たしているかを確認しなければならず、また、テレビメーカーはテレビが正しく信号を受信し、正常な画面を表示できることを確認する必要があります。各試験工程は技術的な難しさと関連し、信号解析検証ならびに世界各地で行うフィールドテストも含まれるため、相当な費用と時間を必要とします。実施過程において予期せぬ事態が発生するため、その場で対応しなければならない危険性を伴います。よって、事前の検証計画の作成と、どのような検証を行うのかを決定することは、テレビメーカーにとって大変重要なことです。 図1:テレビのエコシステム   グローバル・デジタルテレビ・シグナル V.S.ヨーロッパのデジタルテレビ・シグナル グローバル市場におけるテレビシグナルの種類は、ATSCを主とする北アメリカ地区、ISDBを主とする日本および中南米、DTMBを採用する中国大陸市場、DVBシステムを使用しているヨーロッパ、オセアニア、アジア、アフリカ地域に分かれています。各地域の中でもヨーロッパ地域の状況はひときわ複雑です。スペックの規定と透明度が比較的高いアメリカ市場と比較し、ヨーロッパ各国のメディアは各自が独自発展しており、使用している周波数も異なります。   あるブランドのテレビ開発メーカーがヨーロッパ市場で斬新なテレビを発表するとき、ヨーロッパの安全規定認証試験に通過する必要があり、一方でシステム側としてデジタルテレビのロゴ認証も取得しなければなりません。これらの認証を通じて、テレビ本体とシステム間の互換性を確保し、正常に信号を受信して番組が視聴できることを確認しています。たとえば、ドイツで販売されているテレビはケーブルテレビ会社KDGおよびUnityMedia、衛星放送の運営会社HD+Skyの認証を取得しなければならず、イギリスではケーブルテレビ会社FreeViewHD、衛星放送はFreesatの認証を取得しなければなりません。 ヨーロッパでデジタルテレビのロゴ認証を取得することは強制されていませんが、放送業者は彼らの利益を守るためにいくつかの放送条件を決めています。たとえば、チャンネルロックのある人気番組は、テレビのロゴ認証を取得していないと放送できない、といった規定があります。そのため、ヨーロッパのテレビメーカーはロゴ認証を取得しています。購入したテレビが認証を取得しているか確認したい場合は売り場にあるテレビのデジタルモードで認証ロゴを確認することができます。   ヨーロッパのテレビ信号分布 ヨーロッパのデジタル信号は主に三種類に分かれています。デジタル無線信号系統(DVB-T/T2)、デジタル有線系統(DVB-C)ならびにデジタル衛生系統(DVB-S/S2)があり、ヨーロッパ大陸を跨がり20カ国以上、20種類以上の信号種類があるので、標準認証を取得するだけで大変な時間が必要となります。例を挙げると、デジタル無線信号系統(DVB-T/T2)はオランダのDigitenne、ノルウェーのRiksTV、スウェーデンのBoxer HD、フィンランドのAntenna [...]

ケーブル・コネクタの認証要点を把握しよう

ケーブル・コネクタは高周波信号、機械特性、電気特性と使用環境の変化などの要因によってその性能が左右されます。ケーブル・コネクタの開発メーカーはこうした環境の変化を考慮した包括的な検証を実施することで、製品の品質条件を満たし、機能のニーズを100%発揮することができることでしょう。今回のレポートでは、アリオンの専門家によるUSBケーブル認証の注意点をご紹介いたします。また、最新規格のSAS4.0、PCI-Expressに関する最新のインターフェースであるOCuLinkと、高速伝送と長距離化を可能にする光変換ケーブルであるアクティブ光ケーブル(AOC: Active Optical Cable)に関する情報の概略についてもご紹介いたします。この他、電気特性検証(Electrical Test)、メカニカル特性検証(Mechanical Test)、耐環境性検証(Environmental Test) に必要とされる設備と試験内容の基本的な部分もご紹介いたします。   USB 2.0 & 3.0認証試験紹介 USB協会(USB-IF)の定めた基準では、USB2.0ケーブル・コネクタの試験フローは8つの試験グループに分かれています。試験グループはケーブル・コネクタの持つ性質に準じて区別されており、各グループでは電気特性、メカニカル特性および耐環境性の検証項目がそれぞれ定められています。DUT(Device Under [...]

スマートホームテクノロジーと検証の要点

モバイル製品やウェラブルデバイスに加えて、近年注目を集めているのがスマートホームです。スマートホームとはホームオートメーションテクノロジーを搭載した住宅のことで、家庭内にある電化製品の自動制御によって効率的な消費電力マネジメントを実現する技術です。アメリカで開催されたCES 2014には多くのメーカーがスマートホーム製品を出展し、会場では映像や音声といったデジタルコンテンツの導入や日常生活における実運用のデモなどを行いました。ここで注目すべき点は、各ハードウェアブランドが製品とコンテンツとの統合性を重視し始めている点にあります。ハードとソフトの統合よって相互作用がもたらされ、産業全体のエコシステムが更に強固なものとなると予測されています。 IT専門の調査会社であるIDCの調べによると、スマートホーム市場は2013年から2020年までの複合年間成長率は17.74%になると予想されており、2020年には517.7億ドル(USドル)もの市場へと成長することが予測されています。これは通信事業者やケーブルテレビ事業者がスマートホームを利用したサービスを積極的に展開することが予想されているからです。アリオンは試験専門のラボとして、多数の関連会社にスマートホーム市場へと製品を投入するための協力を行っています。本項では現在の技術状況と製品開発時に注意すべき点、および今後の市場動向を紹介します。 現在、Z-wave、ZigBee、AllSeen、LightwaveRFやInsteOnなど、多くのテクノロジーがスマートホームに利用されています。それぞれに特徴がありますが、本項では以下三つのテクノロジーに焦点を絞りました。 ·          Z-Wave ·          ZigBee ·          AllSeen 表1: ZigBee、Z-Wave、AllSeenの特徴 Z-waveとZigBeeは共に近距離無線通信規格であり、主にセンサーネットワークなど低電力、長時間運用が必要となる装置のために設計されました。Z-waveはSigma Designが開発したテクノロジーですが、技術的な国際基準を持っていないため、その活用方法はホームオートメーション化に限られています。ZigBeeはIEEE 802.15.4を基準とし、医療分野、セキュリティ分野など幅広い利用範囲を持っています。これらの両テクノロジーは共にWireless Sensor [...]

CES 2014シリーズレポート(2): 戦国時代に突入するワイヤレス給電業界

        ワイヤレス給電技術の業界団体のひとつであるA4WP(Alliance for Wireless Power)は、今年のCES2014でコンシューマー向けのブランドネーム「Rezence」(レゼンス)を大々的に発表しました。第一世代の懸念点だった材料と距離的な制限問題を克服し、最適化された磁界共鳴方式の採用により、広域かつ長距離での給電を複数機器に対して同時に可能となり、ワイヤレス給電の柔軟性が向上しました。加えて、A4WPはPMA(Power Matters Alliance)との提携を発表し、二つの給電方式、「磁界共鳴方式」と「電磁誘導方式」を協同開発に関する合意書に署名しました。この提携は、会員数でも市場販売数量でも業界をリードしているWPC(Wireless Power Consortium)にとって明らかな脅威となりました(これら3つのワイヤレス給電の業界団体に関する更なる情報については、アリオンのトレンド速報「ワイヤレスチャージングが開く新しい世界」をご覧下さい)。 WPC、A4WP、PMAという3団体が激しく対立している原因は、各団体が発表した給電規格の原理が異なることにより互換性が確保できない点にありました。この団体間での非互換問題は市場の混乱を招き、市場を限定してしまうことに繋がります。ワイヤレス給電業界において、電磁誘導方式と磁界共鳴方式があることは、両者の統一に大きな障害となる技術的な問題になっています。 現在のトレンドとしては、WPCが最多の会員数を擁する業界団体であり、対応製品の市場投入も順調です。また、WPCは電磁誘導と磁界共鳴の両方に対応したワイヤレス給電技術の標準化を進めています。このような積極的な活動は、磁界共鳴方式を推進するA4WPと、電磁誘導方式を推進するPMAに対する脅威となることでしょう。こうした危機意識がA4WPとPMAを共同開発に向かわせる間接的な契機となりました。二つの団体が持つ技術が共有されれば、WPCの牙城を切り崩す対抗馬になり得ることでしょう。 WPCが発表しているワイヤレス給電の標準規格「Qi」は現段階においてもなお、距離的な制限がある、給電能力が5Wに限られている、EMIの影響を受けやすい等々、全体の運用プロセスとしては安定していない点があります(「Qi」についてアリオンではWPCワイヤレス給電試験を実施しました。詳細は「The [...]

CES2014レポート:ポスト・スマートフォンの時代 ウェアラブルデバイス

  米ラスベガスで開催された「2014 International CES」(CES2014)を振り返ると、ウェアラブルテクノロジー(Wearable Technology)デバイスは今年の展示物の中でも特に大きな注目を受けた製品でした。各メーカーはスマートブレスレット、スマートウォッチ、スマートグラスといったウェアラブルデバイスを全力でプロモーションしました。機能面において、ウェアラブル技術はこれまでのスマートフォンやテレビのように、ソフトウェアやハードウェアの技術革新を強調するのではなく、人々の生活と深く関わる中で利用される様々な技術をアピールしています。例えば、医療分野とフィットネス分野で新しい需要を喚起することなどが挙げられます。2013年から発展を開始したウェアラブル技術は、僅か1年の間に展示会の主役になりました。 IMS Researchの調査結果では、2011年時点で20億米ドルだったウェアラブルデバイス市場における世界の売上高は、2016年には60億米ドルに達するものと予測されています。出荷台数に関しても、2011年には1400万台程度だった台数が、2016年には1億7100万台にまで増加することが予測されており、今後の大きな市場の発展が見込まれています。 ウェアラブル技術の技術展開を全体的に見てみると、それが無線データ転送技術に関わるBluetoothと、生体反応の精密な感知技術に集中していることが分かります。ウェアラブルデバイスはユーザーの生体反応(脈拍数、心拍数、体温、血圧など)を収集、記録、管理することができ、これらのデータを携帯やクラウドシステムに伝送することが可能です。ここで中心的な役回りを果たすのがBluetooth技術、特にBluetooth 4.0 LE, BLEです。Low Energyモードにより、長時間低電力で継続的な生体反応記録を可能とするこれらの技術は、数あるウェアラブル技術の中で最も優れた無線通信技術に選ばれました。アリオンのBluetooth BQTF ロゴ認証サービスは、Bluetooth技術の通信品質を確保するロゴ認証試験を提供する他、デバイス間の互換性や通信品質など、関連した品質検証を包括してご提供します。 スマートフォン市場が一定の成熟度まで発展した昨今において、これらの技術の応用を用いたウェアラブルデバイスは、コストを掛けることなく製造可能です。ウェアラブルデバイスに求められるのは、身体運動との連携に関わるニーズを満たしたものです。CES2014で分かったのは、ウェアラブルデバイスへの関心はますます上昇していることです。これはSony、LGといった家電メーカーの他、Nike、Adidasのといった著名なスポーツブランドも相次いで特色あるウェアラブルデバイスを発表したことから明らかです。 [...]

新ガジェット、スマートウォッチの時代到来へ

ポストPC時代を迎え、スマートフォン、タブレットPCといったモバイル電子製品が大々的に普及し、各大手メーカーもウェアラブル製品の開発に着手しました。大手メーカーとは具体的にはGoogle、SONY、Nike及びQualcomm等であり、相次いでウェアラブル製品の全体計画作成を開始しております。この中で、スマートウォッチが現在最もホットな商品です。市場には様々なメーカーが発表した幾多のスマートウォッチが存在していますが、全てが消費者に好まれているわけではありません。今年9月末に発表されたサムソン(Samsung)のスマートウォッチGalaxy Gearは、消費者からの悪評が絶えません。メディアによると、Galaxy Gearを購入した消費者のうち、30%が使用後に返品を申し出ています。これは消費者が実際に製品を使用した後、その製品に対する不満がいかに高いかを示しています。HISアナリストはこの製品の欠点を次の3つであると述べています。(1)販売価格が高過ぎる(300 USD)、(2)電池が長持ちしない、(3)互換性が限られており、他メーカーの携帯電話と接続することができない。これにより、スマートウォッチは製品の設計及び開発面において多くの改善点があることが分かります。 図1:サムソンのGalaxy Gearは「一般製品になりすましたプロトタイプ」と批判される (A prototype masquerading as a commercial product)」─Ian Fogg,HISアナリスト 市場にあるスマートウォッチはタッチ式とボタン式、二種類のインターフェースが存在しています。写真閲覧機能があるものや、更には音声コントロールができるものもあります。スマートウォッチのような新興市場に対し、アリオンは検証の専門企業としてスマートウォッチの発展とマーケットトレンドに高い関心を寄せています。現状のスマートウォッチ市場を把握し、製品インターフェースがユーザーにとって扱いやすいものであるかどうかを確認するため、アリオンは三種類の異なるメーカーから発売されたスマートウォッチを用いてテストを行いました。電子製品を熟知した5名のパワーユーザーによるユーザビリティテストを通じ、ユーザーの角度からスマートウォッチの見た目、ユーザーインターフェース、機能性の3つの項目について評価および分析を行いました。 [...]

アリオンのタッチパネル試験ソリューション

DIGITIMESリサーチの調査結果によると、世界のタッチパネルの出荷台数は2013年には17億台以上に達し、2012年の同期と比較して17.2%の成長となるようです。この中で、主にタッチパネルを採用しているのは携帯電話であり、その出荷台数は約12.8億台、2012年と比較して14.2%の成長で、全体の73%を占めています。タブレットPCの出荷量は約2億3千万台、全体の13.3%を占め、出荷台数としては全体の第二位、前年との同期比で38.2%の成長です。また、タッチパネル対応のPCの出荷台数は約2,633万台で、こちらは前年同期と比較し251.3%の成長率となりました。ここで注目すべき点は、タッチパネル対応モデルのPCのニーズが大幅に成長している点です。これは大型パソコンがタッチパネルを採用することで、マーケット内で優位となり得ることの現れであり、DIGITIMESリサーチはデスクトップPC市場の中でもオールインワン型PCが大部分の出荷台数を占めるであろうと予測しています(図1参照)。デスクトップPC市場におけるオールインワン型PCの出荷台数は継続的に成長しており、2013年は8.7%の見込み、2014年は10.4%に昇ることが予想されています。 図1:2013年オールインワン型PCが世界のデスクトップPC出荷台数の10%に到達 タッチパネルに対する試験のポイントは ①機能試験 ②正確性試験 の二つに分けられます。Microsoftが2012年に発表した、タッチパネル対応のWindows 8 OS発売は、予測通りPC市場売上の底上げには繋がりませんでした。しかし、マーケット調査機関と大手タッチパネルメーカーは2013年の成長を楽観的に捉えています。大型タッチパネルの利用が新しいビジネスを創りだせるかは、その根本的な技術の歩留まり(ぶどまり)率、効率、安定性にあります。タッチパネルの品質をベストな状態にすることで、各メーカーおよびユーザーにとって使いやすいものにできるかが、アリオンの注目しているポイントです。今後予測されているタッチパネルの利用方法、それはオールインワン型PC、車載システム(IVIシステム)などに搭載されることです。本記事では、タッチパネル関連製品の検証に関連するノウハウと、検証中に遭遇した問題事例をご紹介いたします。 ①機能試験 - 互換性試験 目的:試験機材と異なるシステムのUSB末端に対する互換性を確認。 - タッチ機能試験 目的:タッチパネル操作と関連する操作が試験機材で正確に実施できるかを確認。 [...]

次世代車載情報通信システム(In-Vehicle Infotainment system,IVIシステム) スマートドライブによる無限の可能性を開発 未来の新テクノロジーに、ドライブ・イン!

こんな車の使い方を想像してみて下さい。 車を運転して出かけようとした時、自動車内のカメラが運転手と乗客の身長を判別し、座席を自動的に一番適切な姿勢に調整する。ナビゲーターとエンターテイメントシステムも同時にお好みの設定に切り替え、自動的かつ瞬時にスマートフォンとタブレットと連携し、音楽やTVプログラムのダウンロードを開始する。ポータブル機器のディスプレイにタッチすることなく、車の既存装備で携帯のメールを確認し、携帯のビデオや音楽を楽しむことができる。道路上で走行している間も、ナビゲーションシステムがリアルタイムの道路状況を伝え、ルートをガイドすることができる。車の状況を随時モニターすることにより、潜在的な安全問題を予防することができる。ガソリンや電池の残量が少ない時、近場のガソリンスタンドを検索できる。   車載インフォテインメント (IVIシステム)とは 次世代車載情報通信システム(In-Vehicle Infotainment system,IVIシステム)の発達により、このようなスマートドライブがもうすぐ実現できると期待されています。 IVIシステムは革新的な車載アプリケーションにより成立しています。輸送とは、単純な人や物の移動だけではなく、大量の情報が一緒について回り、我々の生活に次々と物に加えた情報がもたらされています。世界的な大手自動者メーカーもIVIシステムが今後の自動車産業発展の核心となることに加えて、IVIシステムこそが自社製品を他社との重要な差別化になることを理解しています。今までは車の中でラジオや音楽を聴いたりテレビを見たりすることが中心でした。今後は、自動車が搭載するIVIシステムによって、スマートフォンなどのモバイル機器と連携しコミュニケーションを取ることが一般的になっていくことでしょう。海外の調査会社であるJuniper Research(ジュニパーリサーチ)の報告によると、2016年には9000万台の自動車がインターネットの使用が可能となり、携帯のアプリケーションプログラムと併せて、全体的に自動車の付加価値が向上するだろうと予測しています。   準備万端のIVIシステム、無限の商機を創出 IHS Automotive Researchは今年の3月に次のような研究報告をしています。IVIシステム登場初期、ユーザーはこのシステムに対して「あっても、なくてもいい」という考え方を示していました。しかし、徐々に自動車内にIVIシステムを搭載することを希望するようになり、2018年の時には世界中のIVI半導体売上高は85億USドルの規模に達することが予想されています。また、今後のIVIシステムの中で一番重要なマーケットとなる中国は2018年時点で、53億USドルのマーケット規模になると予測されており、これはグローバル市場の半分以上の営業収入を示すことになります。IHSが4月に発表した研究報告では、世界中の車載用の有線及び無線通信とインターネット接続技術関連の半導体の売上高は2011年の4.3億USドルから2018年時にはUS8.4億ドルまで増加することが予測されています。この他、IVIシステムの発展は、間接的に関連製品の発展を引き起こしています。例えば、2012年度に販売された自動車用ヘッドアップディスプレイ(Head-Up [...]

さようなら電源コード! USBの新しい電源供給規格

私たちの日常生活の中において、USBは最も幅広く利用されている転送規格の一つでしょう。USBインターフェースは便利で使用方法が簡単、また体積も小さく、コストも合理的であるため、今では日常生活のあらゆる場所でUSBを見ることができます。家庭内で使用するテレビ、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットなどの製品から、オフィスで利用される仕事用のコンピューターやプリンター、そして車に搭載されているカーオーディオ等の車載エンターテイメント機器のデータ伝送もUSBを使用しています。 便利で快適、信頼性が高く、なおかつ高速でデータをやりとりできる点以外にも、USBにはインターフェースの接続を通して電力の伝送が可能となる非常に便利な機能あります。しかしながら、現在のUSB給電は最大で7.5Wの電力供給能力しかありません。下記参考図(図1)のとおり、現在のUSB規格の電力供給能力は、USB2.0規格は2.5W (5V, 500mA)、USB3.0規格は4.5W(5V, 900mA)、そしてUSB Battery Charging 1.2は7.5W(5V, 1500mA)の電力が利用可能です。このような電力供給規格の進歩はスマートフォンやモバイルオーディオ等を代表する携帯端末に充電するための能力としては問題ないレベルですが、PC用のモニターやノートパソコンなど、大型で大きな電力を要する製品に対しては不十分です。 *図1 USB電力給電(USB-IF ウェブサイト ”USB Power Delivery Specification [...]