車内ストレージデバイスの突発的停電のテストと検証
Allion Labs / Richard Shen 近年、自動車のキャビンやエンジンに組み込まれるデジタル製品が増加する中、自動車内のデジタル製品も、コネクテッドカー・高度な運転支援システム(ADAS)・GPSカーナビ等、豊富な機能を持つ車内エンターテイメントシステムへと進化を遂げてきました。中でも車用ストレージデバイスは、データ保存だけでなく、現代におけるカーシステムの高性能計算もサポートする等、将来の自動車産業にとって必要不可欠且つ主要なコンポーネントです。この他に、自動運転のセンサー数や、センサーが対応する解像度、ネットワーク帯域幅が徐々に拡大する中で、膨大なデータ使用量をGB/sの速度まで上げることが可能となります。 例えば、一日の中で何回も車両電源をつけたり消したりする行為。突然電源が落ちることでデータが失われてしまうという問題を、私達は普段の生活の中で意識することはありません。NAND Flashの設計では、復元作用が働いて突発的に電源を消失する状況を回避(Suddenly Power off, SPO)でき、またその状況発生後もすぐにデータを修復します。常に行われる電源のオン/オフという動作が、フラッシュストレージデバイスの保存とリカバリに直接影響するため、Flashメーカーと自動車メーカーから注目が集まっています。 SSDコントローラ(Flash Translation Layer,FTL)は、データ対応表、フラッシュページの実態ステータスの情報、エラーブロックの情報等、様々なメタデータを維持及び保護し、突発的にフラッシュデータの停電が発生しても、正確なブロックでリード&ライトを行い、適切にデータを保存することで、この様なメーカーが直面する課題の克服に役立ちます。また、SSDコントローラはメインメモリの「キャッシュ」機能においても非常に重要で、定期的あるいはシステムシャットダウン時にフラッシュメモリと同期を行い、ユーザーデータとSSDに保存されているメタデータの間で、データの一致を確保します。 現行よく見られる車内ストレージデバイスは、以下の様に分類されます(表1): [...]