Category Archives: 技術ブログ

タブレットPCの評価 ー バッテリーの寿命と充電の比較編

Allion Labs/Cache Her 2010年にアップルが発表したiPadは従来のキーボードやマウスを使って操作する一般的なパソコンに対し、マルチタッチスクリーンといった新たな操作方法を搭載していました。その革新的な操作方法はアップルだけでなくマイクロソフト、アマゾン、サムスン、ASUSなどのメーカーでも採用され、タブレット業界に大きな変革をもたらしました。 2012~2018年間でタブレットPCは徐々に広がっていき、ほとんどの人が認知しているものとなりました。タブレットPCは本体価格が安いことを理由に年齢問わず愛されていますが、それだけでなくタブレットPCの最大の魅力である操作が簡単なことやインターフェースがわかりやすいということ、操作方法とワイヤレスネットワークの使い方さえわかればパソコンとほぼ同じ作業できることも大きな利点でしょう。しかし、ユーザーはタブレットPCをどのようにして選ぶのが良いのでしょうか。そこでアリオンは様々なタブレット製品に関したテストを行い、5つの機能性指標をもとにまとめました: バッテリーの寿命と充電の比較 無線LANの性能検証 スクリーン性能検証 ユーザー体験 アプリケーション性能検証 この記事では「バッテリーの寿命と充電」をテーマとし、写真の5つあるタブレットPCについてそれぞれ比較と分析を行い、その結果を以下に記しました。 テスト結果 まずバッテリーの寿命について見てみましょう。バッテリーの寿命を計算する方法としてはバッテリーが100%から0%になるまでの時間を計算します。解像度は最大にした状態でYouTubeを再生し、明るさと音量はそれぞれ50%に設定します。これはバッテリーの寿命というのがバッテリーの容量に直接関わってくるためです。そして測定結果は次の表の通りとなりました。 全体のバッテリーの寿命としてはA社のモジュールAが2.45時間/per 1000 [...]

VESA AdaptiveSync技術と実測経験について
VESA AdaptiveSync技術と実測経験について

Allion Labs/Lexus Lee   VESA AdaptiveSync技術について語る場合、有名なグラフィックカードGPUメーカーのAMDについて話す必要があります。最初にAMDが2014 年にAdaptiveSyncのアイデアをVESAに提出し、その後、この技術を応用したい人が使えるように、AdaptiveSyncホワイトペーパーにしました。この技術は、主に下の図のようにモニター上でゲームをプレイする際、ティアリング(tearing)やスタッター(stutter)という現象を解決するためのものです。現在AMDはAMD FreeSyncとして、NvidiaはNVIDIA G-Syncテクノロジーとして、それぞれ独自に開発しましたが、依然として主にティアリングとスタッターの問題を解決するために使用されています。 もちろん、AdaptiveSync技術には他の利点もあります。例えば、ノートパソコンがAdaptiveSyncをサポートしている場合、垂直リフレッシュレート動作に関しては、ノートパソコンは再生中コンテンツのフレームレートに応じて画面を更新し、比較的高い垂直リフレッシュレートでは動作しないため、省エネ効果を得ることができます。   VESA AdaptiveSync 認証プログラムの誕生 2021年から2022年にかけて、VESAワーキンググループはAdaptiveSync伝送要件を再検討してこれを策定し、この仕様をDP2.1仕様に組み込みました。これにより、AdaptiveSyncの伝送要件は、AMDのホワイトペーパーで以前に提示されたものよりも完全なものとなりました。そしておよそ2022年4~5月の間、VESAはDisplayPortインターフェースをサポートする、ディスプレイ製品向けのVESA [...]

マーケットで最も使用頻度が高い変換アダプター(USB Type-C→HDMIなど)にはどのような問題があるのだろうか

Allion Labs/Ralph Liao USB Type-CをHDMIに変換することについて 数十年にわたる時代の進歩とともに私たちの電子製品も USB Type-A コネクタからUSB TYpe-C コネクタに進化してきました。携帯電話、コンピューター、タブレットなどのポータブルデバイスは徐々に USB Type-Cのインターフェースを利用してきましたが、その名前の通り、ポータブルデバイスというものは持ち運びに特化しているため視聴用の大画面は装備されていません。YouTubeや自分で撮影した動画、Netflix、Disney+などを日頃ゆっくりソファに座って見たいユーザーからするとあまり適してはいません。そして市販のテレビは通常DisplayPortを持たないためUSB Type-CをHDMIに変換するアダプターはユーザーが最も必要としている機器の一つでもあり、携帯電話などの小型スクリーンを大型のテレビに映して鑑賞するのに非常に便利です。 HDMIは我々の家庭用テレビやパソコンディスプレイに最も普及しているインタフェースのひとつであり、テレビでは約2-4組のHDMIコネクタを搭載していることが多く、パソコンでは約1-2組のHDMIコネクタを搭載しています。USB [...]

生産性を向上させる上での強力なパートナー「KVMモニター」とは?
生産性を向上させる上での強力なパートナー「KVMモニター」とは?

Allion Labs/Goldberg Chen   コロナ禍のため遠距離通勤(WFH)が主流となり、多くの人が自宅で仕事と娯楽を両立する今、そこには必ずや複数のパソコンやゲーム機がありますが、一般的には各ホストに1組の画面、キーボード、マウスを組み合わせる必要があり、大量のスペースを占めるほか、異なるパソコン間での作業を切り替えるのも面倒です。そこでこれらの問題を最も効率よく解決するために今回紹介するのがKVMです。   KVMとは? KVM(マルチコンピュータスイッチ)とは、キーボード、ビデオ、マウスの頭文字(Keyboard、Video、Mouse)であり、ユーザーがキーボード、画面、マウスのセットを通して複数のコンピュータをコントロールできるデバイスでもあります。これはスペースとコストの削減を達成させ、生産性を向上させることがです。もともとエンジニアはラック上の数百台、さらには数千台のサーバを相手しなければならなりませんでしたが、KVMを利用するとキーボード、画面、マウスのセットだけでよく、各サーバの中を忙しく走り回る必要もなくなり、KVMのホットキーを通じてどのサーバにも迅速に切り替えることができるため効率を向上させるためのツールになります。 KVMの概要には例として次のような利点があります。 複数のコンピュータ(またはサーバ)の容易なコントロール コンピュータ機器のコスト削減 スペースを節約し作業場所の乱れを軽減 一部のKVM製品などの充実度を高めるUSBハブとしても使用可能   KVMによって接続できるコンピュータやサーバの数も異なり、一般的によく見られるKVM接続ポートの数は2 [...]

アウトドアに不可欠な充電グッズ!モバイルバッテリーの選び方
アウトドアに不可欠な充電グッズ!モバイルバッテリーの選び方

Allion Labs/Dreaming Chou モバイルバッテリーは名前通り、ユーザーが外出する時に携帯する電源供給装置です。現在マルチ機能のスマートフォン及び高画質のメディアニーズに連れ、消耗する電量も増えました。ところが、2020年より、コロナ禍によって、ユーザーの習慣が変えられ、多くの人は外出を控え、それに伴って、オンライン授業、リモートワークの需要が生じ、人々の生活と使用習慣を根本的に変えました。それにより、消費者がモバイルバッテリーのニーズが著しく減少、市場販売量も停滞していました。幸いなことに、ワクチン接種、及びコロナ軽症化の傾向、ポストパンデミックの時代に入り、通常の通勤通学に戻り、リベンジ旅行解禁、レストランの写真をSNSに投稿、通勤中の動画視聴、ゲームで時間をつぶす日常生活が一つ一つ戻ってきました。スマホ、持ち運ぶ電子製品が電池切れにならないように、多くの消費者が出かける時は様々な充電グッズを持ち歩きます。これもモバイルバッテリー製品のニーズの回復に繋がります。 この二年間、モバイルバッテリー市場の停滞期を経て、需要の増加のほか、一部のユーザーも古いバッテリーを新しいのに代わります。しかし、モバイルバッテリーの爆発事故は時折りにニュースになります。モバイルバッテリーを選択購入前に、知ておかないといけないキーポイントがあります。下記はアリオンがODM及び各大手メーカーお客様に長年サービスを提供、集めてきた経験から纏めたポイントを参考としてご紹介します。  一部選び方のポイントが六つに分かれています  安全保障 容量体積 ポート規格 充電技術 対応装置 互換性問題  1. 安全保障  多くのブランドが販売しているモバイルバッテリーは安全承認がないと販売できません。例えば、BSMI(台湾商品試験)、CE(EU合格認証)、FCC(連邦通信委員会)など、販売する現地の法律に従います。また、一部の業者は自身の製品に安全保護設計を取り入れたことを表示します。通常のは過充電/過放電保護、過電圧電流保護、短絡、又は過熱保護があります。PL保険を追加する商品もあり、又は第三者検証ラボの試験レポートを提供します。例:  2. 容量体積  [...]

HDMI高周波テストフィクスチャについて知っておくべきこと

Allion Labs/Tina Yu 市販されている電子製品の中には、HDMIインターフェースにHDMIのラベル(下図)が貼られているのをよく目にします。このロゴは当該製品が認証試験を合格し、HDMIの管理団体であるHDMI Licensing Administrator, Inc.(HDMI LA)から要求された規格に準拠し、市場で販売することができることを示しています。 (資料出典: HDMI公式サイトhttps://www.hdmi.org/) すべてのHDMI製品はHDMI認証試験に合格しなければなりません。通常HDMI認証試験を行う際に、テストエンジニアは専用のHDMIテストフィクスチャを通じて、各試験項目の手順に従い、必要な電気特性数値及び関連パラメータを測定しPass/Failの判定を行います。HDMIテストフィクスチャはHDMIコネクタの19 pinを取り出し、測定器への信号の橋渡しを行う役目を担います。このため、試験テストフィクスチャは認証試験では極めて重要な役割を果たしていると言えるでしょう。 HDMIテストフィクスチャにおける潜在的なリスクとは? 優れたテストフィクスチャを用いることにより、自身の特性を排除し、忠実にHDMI製品の電気パラメータを測定することが可能です。一方、欠陥のあるテストフィクスチャを使用する場合、自身の特性がHDMI製品のパラメータに影響を与えてしまい、誤った試験結果となりかねません。 HDMI規格では、差動インピーダンスが75Ωより低い場合はFailと判定します。下図を例として、テスト機器にSMAケーブルのみを繋いだ場合では赤い波形となり問題ありませんが、HDMIテストフィクスチャに接続した場合では、白い波形のように測定結果が75Ωより低くなり、テストフィクスチャ自体には問題があることがわかりました。 [...]