Category Archives: A/V関連記事

ミニLEDの特徴とブルーミングの課題
ミニLEDの特徴とブルーミングの課題

Allion Labs / Abel Hsu   ミニLED (Mini-LED)とは? ディスプレイ技術は常に進化を続けており、初期のCRTから現在のLCDやOLED技術の時代に至るまで、いずれもコンピューターのコンテンツを表示するものですが、技術的なエネルギーは大きく異なります。LCDは液晶ディスプレイで、正式名称はliquid-crystal displayです。市場ではTFT技術を採用したLCDが主流で、技術原理はトランジスタを通じて電流が通ることで電場が変化し、光線の通過角度が変わり、LCDのガラス基板上のカラーフィルターを通過して異なる色が生成されます。 TFT-LCDは自己発光型ディスプレイではないため、バックライトを提供するために光源セットを使用しなければならなりません。LCD光源の提供については、現在LED技術の使用が主流となっており、LED技術は白色LEDとRGB LEDに分けられます。LED技術に基づいて開発されたディスプレイ技術にはMini-LEDとMicro-LEDがあり、両者の違いはLEDクリスタルのサイズです。今回ご紹介するのは、LEDバックライトをベースにした進化版で、新世代LCDのバックライトモジュールとして、Mini-LEDはサブミリ発光ダイオードと呼ばれ、技術的には約100㎛(ミクロン)サイズのLED結晶を指します。Micro-LEDは約10㎛サイズのマイクロ発光ダイオードディスプレイと呼ばれていますが、目下開発中の新しい技術であるため、この記事では触れません。   Local Dimming [...]

クラウドカメラで発見問題点とは?

Allion Labs / Goldberg Chen テクノロジーの進化により、通勤を含む仕事時間が生活の大部分を占めている私たちにとってはクラウドカメラの存在は、いつでもどこでもペット/乳幼児/目上の人の介護などに触れられる素晴らしいものです。それは何もプライベートだけでなく自宅の安全管理/環境保全/店内の人の流れ/医療介護/農場などのさまざまな場で活躍を広げています。 クラウドカメラの進化 クラウドカメラはネットや携帯アプリ、Webブラウザを通じて、家にいなくてもいつでもどこでも遠くの状態の確認ができます。リアルタイムの監視のみだった従来のカメラとは違いクラウドカメラは無線で使用が可能です。クラウドカメラは操作や監視の記録が取れるアプリがあったり、リアルタイムで通知が届いたり、簡単に保存できたり、双方から通話ができたり、アラームを設定できたりなど、多くの機能があります。このほかにも、もちろんカメラ/インターホンの多機能アプリケーションを有し、音声アシスタントも搭載しているため、より生活に溶け込み在宅の安全性とスマート化を向上させていると思われがちだが、その反面より多機能による問題も発見されています。 ユーザーフィードバックによって出た問題点 クラウドカメラは単なるビデオカメラではなく使いやすさがより重要です。このため簡単に設定ができる/安全で便利/操作しやすいといったことが何より大切になってきます。購入時にはそのほかの機能、アプリ使用時の便利さ、反応速度も見比べる必要があり、Wi-Fiなどの無線ネットワークの安定性もその重要な一環です。クラウドカメラの主要要素であるアプリ/携帯電話のOS/無線ネットワークによって問題が生じたり、ユーザーの不満を招いたりすることが多々あります。例を挙げるとすると以下のとおりです: 設定が難しく、手順が複雑でわかりにくい アプリと携帯電話/OSまたはその他の互換性の問題により、正常に動作しない 遠隔操作がスムーズではなく、遅延が生じる ネットワークが不安定で、常に途切れる 緊急時の通知が即座に作動しない [...]

LC3エンコーディングがもたらすBluetoothオーディオの新時代
LC3エンコーディングがもたらすBluetoothオーディオの新時代

Allion Labs 2023年のBluetooth SIGの報告によると、2027年には世界で約70億台ものBluetoothデバイスが存在し、その中でもオーディオ関連のデバイスが約15億台に上ると予想されています。下のグラフで示した調査では、今後5年間でLE-onlyのオーディオデバイスが従来のBluetoothオーディオ(A2DP)のアプリケーションに徐々に置き換わって、より省電力、より高音質、より高い圧縮率となり、個人向けの使用に合った製品になると予想されています。 Bluetooth LEオーディオ と LC3とは Bluetooth LEオーディオは、Bluetooth規格5.2以上に基づいた新しい技術であり、より高品質なオーディオ伝送を提供することが可能です。中でも新しいオーディオエンコーディングの技術であるLC3エンコーディングは、より効率のよいオーディオ圧縮と高音質を実現しています。 LC3エンコーディングは、通常ビデオ会議や音声通話など、低遅延のアプリケーションシーンで使用される低遅延オーディオエンコーディング技術です。高効率な圧縮を実現しつつ非常に低い遅延を保ちながら、より高い音質を提供することができます。 従来のオーディオエンコーディング技術に比べて、LC3エンコーディングにはより高い圧縮効率があり、同じデータ転送速度でより高音質なオーディオを伝送することができます。また、LC3エンコーディングはエラートレランス性能も高く、低品質のネットワーク環境下でも良好な音質を維持することも可能です。 また、LC3エンコーディングは可変ビットレート(VBR)エンコーディングをサポートしています。これは、転送プロセスにおいてエンコーダが音声信号の複雑さに基づいてエンコードレートを自動的に調整できることを意味し、より効率的な圧縮を実現しています。こうした技術は音声の伝送や保存に非常に役に立ち、より高品質な音声圧縮と高い音質を可能とするため、ユーザーはより高音質な音声体験を楽しむことができます。 過去のSBCエンコードに比べ、新しいBluetooth LC3エンコードは同じ転送速度でより高音質の音声を提供したり、低い転送速度ながら品質の高いコンテンツを提供することができます。これにより、開発者はより柔軟性をもってLC3エンコードで開発することが可能となり、音声品質や消費電力などの製品設計の上で、容易に優先順位を策定することができます。以下、LC3エンコードとSBCエンコードを比較しました。 [...]

タッチスクリーンの潜在的な問題とは
タッチスクリーンの潜在的な問題とは

Allion Labs / Goldberg Chen   タッチスクリーンは、その名前の通りスクリーンとタッチ機能を組み合わせ、機械的なボタンパネルに代わって、接触(指やスタイラスペン)することで入力信号を受信できる感応式ディスプレイデバイスです。 タッチスクリーンの用途は非常に広く、現代の生活の様々な場面で見られ、様々なタイプやサイズがあります。小さなものでは、スマートウォッチの様なウェアラブルデバイスや人々が手に持つスマートフォンなどが、大きなものでは、会議や教育で使われるインタラクティブタッチスクリーンや、商業用のタッチ式デジタルサイネージなどがあり、タッチスクリーンは現代の生活において広く利用され、重要な役割を果たしています。   生活の至るところにあるタッチスクリーン タッチスクリーン技術とそのアプリケーションは日々成熟しており、スムーズなタッチ体験やインターフェースのデザインで直感的に操作できることから、このインタラクティブな方法は世間に大きく受け入れられています。使用される関連製品には多くの種類があり、生活の至るところで見られます。以下は一般的な製品の例です。 これら2種類のタッチスクリーンは、いずれも仕事と学習に大きなメリットがあります。   ポータブル式タッチスクリーン ポータブル式タッチスクリーンは、ノートパソコンの画面拡張や、モバイルデバイスのディスプレイサイズを拡張するのに便利なため、ビジネスツールとして人気が高いです。ポータブル式タッチスクリーンは、デスクトップ型タッチスクリーンに比べてより柔軟な使い方ができ、オフィスや家の中、外出先でも簡単に画面を拡張することができるため、仕事の生産性を上げられるだけでなく、キャンプや移動中の娯楽を楽しむのにも適しています。 [...]

テレビ会議ディスプレイ(Webcam Monitor)におけるよくあるトラブルとは?

Allion Labs / Goldberg Chen   どっちもウェブカメラ?WebcamとIPcamの違いとは? 新型コロナウイルスパンデミックの影響により、リモート学習や在宅勤務を行う必要性が高まり、ビデオ通話やビデオ会議の需要が急増したことで、ウェブカメラの需要も拡大しています。この記事ではテレビ会議ディスプレイについて詳しく掘り下げ、よくあるトラブルや、これに対する対処法をご紹介します。 まずはウェブカメラとは何なのかを理解しましょう。ウェブカメラは、一般的な製品名としてビデオカメラ、ウェブカメラ、ネットワークカメラなど、色々な名称で呼ばれており、ビデオ通話やオンライン授業、ビデオ会議などで使用され、通常USBポートを介してコンピュータと接続します。   IPcamとは? IPカムはIPカメラやネットワークカメラとも呼ばれ、監視カメラ、ネットワーク監視カメラなどの一般的な製品名があります。その名称のせいかウェブカメラと混同されやすく、明確に区別がつかないことがあります。特に両者いずれにも「ネットワークカメラ」という名称を用いた製品があり、メーカーや販売プラットフォームによって混同されることがあるため、消費者は購入時に注意が必要です。 IPカメラは主にセキュリティと監視の目的で使用され、一般的にRJ-45ポートで接続されます。例外的にシャオミのMi HomeスマートカメラのようにRJ-45をサポートしていない製品もありますが、それでも同じタイプの製品に分類されます。また、IPカメラはコンピュータと連携する必要がなく、独立して動作し、ネットワークを介してリアルタイムで映像を送信することができます。   [...]

スマートテレビと周辺機器のメーカーはいかに他社と差別化すべきか

Allion Labs / Franck Chen 「スマートテレビ」と「OTTセットトップボックス」の成長トレンド早分かり スマートテレビは今や多くの液晶テレビに標準搭載され、ストリーミングビデオ鑑賞だけでなく、ゲーム、ビデオ会議、音声インタラクティブコミュニケーションなどの機能利用も可能となっています。スマートテレビの果たす役割はますます重要になり、別の角度から見れば、スマート機能はテレビ販売の差別化と言うよりも、もはや必需品となっています。Strategy Analyticsの研究によると、2020年から2026年までの間に、世界中の家庭におけるスマートテレビの普及率は、6.65億世帯(34%)から11億世帯(51%)に上昇すると予測されています。 その一方で急速に発展しているのが、OTT(Over The Top)のSTB(ビデオセットトップボックス)です。これらは、従来の衛星や地上波、ケーブルなどの事業者が展開する専用のブロードキャストネットワークを介さずに、一般的なインターネットを利用して視聴します。アメリカでは、OTTの視聴が徐々に有線テレビに置き換わりつつあり、ケーブルテレビの解約者が増加し、以前にテレビを全く見なかった人たちもOTTでの視聴を始めるなど、この製品への需要が急速に高まっています。Technavioの調査レポートによると、世界のOTTビデオセットトップボックス市場は、2021年から2026年までの期間に年平均成長率3%で拡大し続けると予測されています。 市場競争力とユーザーニーズの把握 『敵を知り己を知れば百戦危うからず』という言葉があります。各メーカーがスマートテレビやOTTビデオセットトップボックスという成長の見込みのある市場を攻略する際、市場に製品をリリースする前に、ユーザーニーズや潜在的なリスクを理解しないまま、市場競争力を把握せずに密室に閉じこもって製品を開発すると、昨今のインターネットによる急速な情報拡散の中で、製品リリース後に必要のないネガティブなレビューが多数出てしまうと、会社から開発およびテストに投入するコストが大幅に削減される憂き目に遭い、市場から淘汰される可能性さえあります。 以前は消費者の映像体験のほとんどがテレビで放送される番組や映画だったので、テレビ関連製品の購入時には解像度、色彩表示、音声出力の品質などが重要視されていました。しかし今日においては、テレビが”個人/家族向けの映像コンテンツ”、”ゲームエンターテイメント”、”音声アシスタント”、さらには”スマートホーム管理”や各ワイヤレス技術アプリケーションなどを楽しむスマートデバイスに進化しています。そのため現在の消費者は、総合的な”ユーザーエクスペリエンス”や”ウェブサイトのレビュー”、さらには製品のデザインや個人の好みなどの付加価値を考慮するようになりました。これらの要素は、現在のテレビの消費動向の変化や潜在的なユーザークレームの発生に影響を与えています。 スマートテレビでよくある質問とシナリオ [...]

ワイヤレスサウンドバーはより快適な音声体験を確保できるか(上)

Allion Labs/Franck Chen アンプに比べて軽量で手頃な価格のサウンドバーが、近年ホームシアターシステム市場で急速に普及しています。市場調査を行う会社であるMarket Statsvilleによると、全世界におけるサウンドバーの市場規模は、2020年の50.944億ドルから2027年には90.762億ドルにまで成長し、年間複合成長率は8.6%に達するとされています。しかし、家のテレビに接続する機器はますます多様化しており、ユーザーがサウンドバーを使用する際、ケーブルの接続や関連機能の設定の煩雑さ、更には配線の見栄えなどの問題に直面することがあります。 嬉しいことに、現在市場にWi-Fiを経由してテレビとペアリングできるワイヤレスサウンドバーが続々登場しています。ワイヤレスだと、現代的なホームシアターシステムの配置がよりシンプルで美しくなるのでいいですね。以下では、市販されている製品をいくつかピックアップしご紹介します。 1. TCLのRoku TVワイヤレスサウンドバーは、Roku TVと接続して使用でき、Wi-Fiを経由して接続し使用する世界初のサウンドバーであると宣伝しています。 2. SAMSUNGのサウンドバーは、Wi-Fi経由で伝送が可能な世界初のDolby ATMOS対応サウンドバーとして宣伝されており、SAMSUNG TVとペアリングして使用することができます (その後、Dolby [...]

紙詰まり、接続不良?MFP(プリンタ複合機)のUX体験の改善点は?

コンピューターが発明されてから、プリンタは私たちと切っても切り離せないものとなっています。プリンタの印刷方法は科学技術の進歩とともに最初のピクセルからインクジェットやレーザーなど、数々の進化してきました。印刷の色も昔の単色(黒)から、今のカラーまでたくさんあります。 プリンタの機能は時代の変遷に対応して絶えず進化し、単純な印刷機能から後にスキャン、コピー、ファックス、外部デバイス(ストレージまたはUSBフラッシュドライブ)などが増え、今日のプリンタ複合機となりました。 科学技術の進歩に伴い、プリンタはどんどん迅速で便利で美しい精度を実現させていますが、その反面ユーザーを悩ませている小さな問題があります。本文はユーザー体験テストを通して、皆さんが注目している問題をいくつか挙げます。そしてこれらはプリンタメーカーが特に注意しなければならない問題であると考えられます。 1. 紙詰まり 印刷用紙の規格が多いと、各用紙の厚さがたくさんあり、高性能のプリンタ機種には両面印刷機能もあります。よって紙詰まりが起こりやすのですが、どのようにして長時間の印刷中に紙詰まりしないようにスムーズに出力できるようにするかということが大切です。これに関してはプリンタが工場から出荷される前に、ユーザーが実際に使用するテストを繰り返し行うことで品質を維持することが必要です。 2. インターネット接続 初期のプリンタはスタンドアロンプリンタのみでしたが、ネットワーク機能が追加され、複数人がオンラインで使用できるようになりました。近年、ワイヤレスネットワークが急速に発展しているため、インターネットを利用できる限り、有線の線材に邪魔されないため、プリンタの実用性が大幅に向上しています。しかし同時に、プリンタのネットワーク設定、ワイヤレスネットワークが周囲の環境の影響を受けるなど、使用上の問題も多く増加しています。 これらから派生した問題は多くのユーザーが自身で解決することができず、時間や労力をかけてカスタマーサービスを頼ることになってしまいます。これによってユーザーの心の中ではメーカーの安心感と信頼度に影響を与えることになってしまうのでしょう。 どのように簡単で実用的なネットワーク、インターフェースを設定するか、また問題が発生した場合、ユーザーが自身で問題を判断し解決できるようにするかなどといった課題が改善のポイントとなっています。 3. スリープモード スリープモードはもちろん電気エネルギーを節約し、省電力化することができますが、もしこの性能が十分でないとスリープモードに入ってから再起動できなかったり、起動後に一部の機能が正常に動作しなかったりするなどの悩みが発生することがあります。 4. [...]

最適な映像音響体験に欠かせないディスプレイ向けのCEC互換性テストとは

Allion Labs / Ralph Liao デスクトップモニターの発展や、高いリフレッシュレートと大型スクリーンの普及に伴い、高い更新率と低いティアリングを備えた大画面が求められています。同時に、個人のブラウジング/文書作成/仕事用としてモニターを使う以外にも、家庭用ゲーム機向けにモニターとして使うユーザー層が増えており、シンク側とソース側の接続の利便性は、ユーザーにとってより重要な要素となっています。 家庭用ディスプレイの使用エコロジー シンク側とソース側を簡単に起動し、すぐに使用できるという秒速の体験で、ユーザーエクスペリエンスは大幅に向上します。さらに、モニター使用時、ユーザーはすぐに手が届くよう個人用パソコンモニターの前に座っていることが多く、ユーザーは「モニターのボタンを押せばXbox / PS5 / Switchが同時に起動し、すぐに刺激的なゲームバトルを楽しめる」という秒速体験を求めています。 例えば、ブルーレイプレーヤーやApple TVのようなセットトップボックスなど他の映像音響機器がある場合、同様の使用シナリオで製品体験が大幅に向上することから、家庭用ディスプレイの使用エコロジーは、以下の様に大まかに2つのタイプに分類することができます。 1. [...]