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    2015917日から27日の日程で、第66回フランクフルトモーターショー(IAA Cars 2015)がドイツで開催され、最先端の自動車技術が展示されました。Automotive IndustryVDAGerman Associationによると、今年は、210台のプレミアムカーが展示されたとのことです。これは前回と比較して増加しており、北米と欧州における自動車需要の増加を受けたものでした。多くの自動車メーカーは、省エネ性能とコネクティビティの革新に焦点を当てた展示をし、自動車部品サプライヤー、インフラ事業者、そしてコネクティビティ分野の製品・サービスベンダーらは新技術を展示し、コネックテッド・カーの利便性をアピールしていました。今年のテーマは『New Mobility World』と題した業界横断的なもので、コネクテッド・カー自動運転E-モビリティ(EV等)アーバン・モビリティ、そしてモビリティ関連の新サービスといった複数の主要技術が展示の目玉となっています。IAAが『New Mobility World』を推進する目的は、未来のモビリティに関する新たなプラットフォームの提案でした。

Cisco IBSG(2012)によると、IoT機器の総数は2020年までに500億台に達することが予測されています。また、Booz & Company社とCenter of Automotive Management社は、車両内ネットワークでつながり安全機能を担う車載コンポーネントの世界総数は、2015年時点の100億台から、2020年までに3300億台にまで成長すると予測しています。GoogleAppleを代表とするテクノロジー企業は、多くのIVIシステムがAndroid AutoCarPlayをサポートすることになるよう、コネクテッド・カーアプリケーションとプラットフォームの開発を積極的に進めています。

自動車各社は、従来より格段に快適な車内環境を提供するIVIシステムの普及によりビジネス拡大のチャンスを狙っています。例えば、新しいOpel Astraは、新たにデザインされたダッシュボードを採用しました。センターコンソールにIVIシステムをベースとしたタッチスクリーンを配し、ドライバーはナビゲーションと通話機能を利用できます。また、BMW 7 Seriesでは、新しいIVIシステムとアプリケーションで使用可能な“Connected Drive App”を訴求しています。これは、ドライバーがスマートホームシステムを遠隔操作したり、ナビ情報を自動更新したり、超高速Wi-Fiへのアクセスや、快適な遠隔駐車を実現します。そして最後の興味深い事例として、2017年に発売予定のAudi A4では、”Traffic Jam Assist”機能を搭載しており、交通渋滞時にはIVIシステムが自動運転を行うことが可能となります。

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Audi A4に搭載された8インチパネル(新MMIナビゲーションシステム搭載)

IAAの掲げる『New Mobility World』は、都市部におけるモビリティをより現実化させたものとなっています。例えば『City App』では、一般の利用者が近隣での交通状況や事故等ををクラウドで伝達できる仕組みを構築しています。交通密度のようなその他のデータも取り込むアルゴリズムはその都市の管理当局による交通フローの最適化を支援します。この他、都市部向けのモビリティ・アプリケーションの事例としては、交通フローの改善と子どもの自動認識によって路上安全の向上を図るインテリジェント信号システムも提示されます。このように、自動運転システムは現実のものとなりつつあります。結果として、自動車事故の減少と、省エネのための交通フローの最適化をもたらすことでしょう。

車内のエンターテインメントシステムにおいては、技術標準規格であるWi-Fi, USB, Bluetooth, MHL, MirrorLink, HDMI, Siriによる音声コントロール, Apple CarPlay, Android Autoなど、技術規格・ソリューションの搭載が目立ちました。また、IVIシステムは自動駐車、渋滞アシスト、リアルタイムナビゲーション、最適ルート検索といった進化も見せています。『New Mobility World』エリアでは、スマートカーアクセス技術、シームレスなITエンターテイメントシステムといった、様々なワイヤレスIDアプリなどの最新技術が展示されていました。

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IAA Cars 2015で、アリオンはコネクテッド・カー技術に関連する試験サービス及びエンジニアリングソリューションのデモ展示を実施しました。コネクテッド・カーのエコシステムは多種多様な企業の参入により常に変化しています。IT 製品に対する国際的な技術評価・品質検証企業である当社では、専門的な製品評価チームと、数多くの互換性試験用機材による評価ソリューションを提供しています。また、Wi-FiUSBBluetoothHDMIMHLMirrorLinkSDといった各種規格ロゴ認証試験を30種類以上提供しています。