モバイル・コミュニケーション技術の迅速な発展より、スマートフォンは人々の生活に欠かせないデバイスとなりました。革新的な技術は人々の目を一新させ、基本的な機能でもカメラの画像や感光、タッチパネルや音楽品質の向上はより良いユーザー・エクスペリエンスを提供するべく進歩し続けます。つまり、各メーカーは開発時にハードウェアのスペックの進歩を求められるだけでなく、ユーザーが実際に使用する際の機能ごとの価値の向上も考慮しなければなりません。
ほとんどの人はユーザー・エクスペリエンスの重要性を理解しています。ですが、その分析をどのように計画し、そしてどのように行うのでしょうか?これは多くの企業が協力を必要としているところでしょう。アリオンは、この分野でも全面的なカスタマイズサービスを提供することができます。製品の開発段階での試験、競合試験、検証手続きへの協力、更には製品生産開始後の追跡等、各段階の試験と分析を通じて、お客様の為に競争力のある製品開発サポートに努めます。今日に至っては、ハードウェアのスペックにおいての各社の差分は少なくなりつつあります。そこでユーザー・エクスペリエンスを用いて製品の最適化を計り、機能の調整をすることで競合製品との差別化を図って、消費者へ「お買い得」感を提供することができます。
今回、アリオンはスマートフォンとユーザーの関係が一番密接な「視覚、聴覚、触覚」の三大機能について、ユーザー・エクスペリエンス(UX)試験及び競合試験(CA)を用いて解析を行いました。
競合試験(CA)
アリオンの試験ラボの器材設備及び専業試験より、重要なスペックとニーズに対する検証を行い、測定データを提供し、量化分析時の比較根拠とします。
ユーザー・エクスペリエンス (UX)
当機能のユーザー・エクスペリエンスの理解を重点とします。お客様のニーズをもとに、エンドユーザーの行動をシミュレーションし、フィードバックに基づき、対象的減少及び潜在リスクについてお客様へ製品改善を提案致します。
スマートフォンの試験項目をと意義、ユーザーに対する影響を理解するために、本レポートは文章をディスプレイ(Display)、カメラ(Camera)、オーディオ(Audio)及びタッチ(Touch)の四大項目に分けました。
被試験用機器のスペック
ディスプレイ試験と解析
螢スクリーンはユーザーがスマートフォンを使用する時に最初に触る場所です。ディスプレイ・パフォーマンス(Display Performance)はユーザー・エクスペリエンスにおいて非常に重要な位置づけです。そのなかでも、画面の明るさはユーザーの読みやすさに影響し、画面の色彩の飽和度は写真と映像の効果に影響します。下記項目はアリオンが実施したディスプレイ・パフォーマンスの基本的な試験事例です。本文は項目ごとに試験内容と結果を説明致します。
試験項目
試験環境及び機材
今回の試験で使用した器材はKONICA MINOLTA CA-310 Color AnalyzerとKONICA MINOLTA CS-1000A/S/T Spectroradiometerです。環境試験は色温度測定用の専門光学暗室です。
ディスプレイの競合分析 (CA)
LCD Brightness- Max (cd/m2)
この項目では数値が大きい程、画面のバックライトが明るく、太陽の下でもはっきりと見られ、画面ははっきりと視認できます。実測結果によると、一番優れた液晶画面のパフォーマンスデバイスは、iPhone6でした。
LCD 明るさの均一性(Brightness Uniformity
本項目の評価基準は画面の明るさを五段階に調整し、最大輝度を100%としました。0%~100%調整した後の明るさに基づき、測量した数値(単位cd/m2)を観察しました。明度の調整範囲は大きいほど良く、優れたバックライトモジュールは幅広い調整範囲を提供することができます。試験結果によると、iPhone6が一番良い調整範囲を持ちます。
コントラスト比(Max. Brightness W/B)
当項目の評価基準は白を表示した部分と黒を表示した部分の輝度の比をコントラストとして表し、この値が高いほど明暗の差が表れます。コントラス比が1200以上であれば、非常に優れています。試験結果からみると、三つのスマートフォンとも高いコントラス比があり、そのなかでもAndroid Phone 1のパフォーマンスが一番優れていました。
色温度 –最高値
本項目の評価基準はスマートフォンの画面の明るさを一番明るい輝度に調整し、色温度を測定しました。当項目の評価基準は自然昼光にもっとも近い6500Kをベストとします。色温度6000~6500Kの画面は自然昼光の効果があります。逆に7000K以上の場合、ブルーライト(青みがかかる)の効果が表れ、長期的にディスプレイを見ていると、ブルーライトのディスプレイでは疲れが生じます。色温度6000K以下のディスプレイは暖かい色(黄色系)の効果があります。ですが、ディスプレイ画面の壁面の色が白である場合、逆に見づらくなる場合もあるので、色温度の調整は非常に重要です。
下記試験結果からもわかるように、Android Phone 1のパフォーマンスが一番6500Kの自然昼光に近く、ユーザーへより快適な視覚体験を提供することができます。
色温度 –最低値
本項目はスマートフォンスマートフォンのディスプレイの明るさを一番暗い輝度まで調整下後に色温を測量します。明るさの調整により色温度の変化に影響が生じ、色温度の変化が少ないほど、バックライトモジュールの品質が優れていることを意味します。下方の図/表からわかるように、iPhone 6とAndroid Phone 1のパフォーマンスにあまり差異はありませんが、iPhone 6の方が6500k(自然昼光)に近いです。Android Phone 2のパフォーマンスは6500K以上であり、全体的に青みがかかったようになります。
色温度–最大/最小での変化率
以上の測定から一番明るい時と一番暗い時の色温度の変化を、次の式で計算しました。
(最大明度時の色温度–最小明度時の色温度)/最大明度時の色温度*比率(%)
バックライトの明るさを変えても、色温度の変化が少ないのが良いバックライトモジュールです。下の図/表から、三つのスマートフォンスマートフォンの色温度偏差量が分ります。そのうち、Android Phone 1の偏差量が一番小さく、一番良い評価となりました。
液晶パネルの色彩品質 (sRGB area)
本試験項目はsRGB color space areaを標準にRGV色彩座標を測量しました。当数値はsRGB 100%に近いほど優れており、色彩の飽和度が高いことを意味します。飽和度が高いディスプレイですとユーザーに提供する視覚感覚も一層色鮮やかになります。赤色の三角形を標準値とし、黒色を測量値とします。下記の図からiPhone 6が全体的にsRGB 100%標準値に近いのが分ります。
以上の試験以外に、アリオンでは異なる標準グラフィックを用いて、下図のようなグレースケールパターンによるディスプレイの試験を行います。スマートフォンのディスプレイがグラフィックの階調を全て表示できない場合、当スマートフォンのディスプレイは一定程度条の階調調整が不足している可能性があり、異なる写真の明るさをリアルに表現できない可能性もあります。
ディスプレイ(Display)編のまとめ
総合的には、三つのスマートフォンの結果分析は下記の通りです。iPhone6は今回の器材測量項目において比較的高い評価を獲得しました。
ディスプレイ・パフォーマンスのユーザー・エクスペリエンス (UX)
ディスプレイ・パフォーマンスのユーザー・エクスペリエンスの試験項目において、アリオンはスマートフォンスマートフォンでよく発生する使用状況、あるいはお客様のニーズに基づいて関連試験項目をカスタマイズ致します。例を挙げますと、ユーザーが実際に操作をしているとき、外部からの光線の強弱はディスプレイの視認性に影響します。このため、アリオンではSunlight-View LCD と Low light-View LCDでの比較試験を行いました。今回、試験を行った三つのスマートフォンの中でも、同じく「明るさを自動調節」する機能を設定した場合、iPhone 6は15000 Lux光源下(晴天時の強い日差しに相当)で一番良い視認性でした。しかしながら、100Lux光源下(夜の室内の灯りに相当)の環境においてはAndroid Phone 1の画質の方が視認性が優れていました。
各製品にはそれぞれのデメリットがあります。試験を実施し、結果を精査することでソフトウェアの改善が実現でき、ユーザーの満足度を向上させることができることでしょう。ほかにも、アリオンは視野角度の試験(下図参照)を提供することができます。ユーザーの使用状況をシミュレーションし、写真の風景、食物、人物の肌の色等の画質について比較と分析を行います。
より良いユーザー・エクスペリエンスに達する為にはディスプレイが重要であるほか、カメラの機能もユーザーがスマートフォンを選択する際の重要ポイントです。
次回のレポートではカメラの機能について行った試験をご紹介する予定です。