以前、アリオンはSMT生産ラインでの実例について深くご紹介いたしました。そのとき申し上げた様に私たちアリオンはSMTのよくある問題に対し、効率的にテストを行い、状況の改善をすることができますが、その生産プロセスの中で最も重要なのは品質を維持することです。しかし、生産プロセスの「総合合格率」が高いということがQCD(Quality、 Cost、Delivery)が高いと言うわけではなく、プロセスの「直行率」が高いことがQCDが良いことを意味します。

この記事では読者の皆様に直行率の重要性を紹介し、アリオンがSMTの品質を管理する上でどのような工夫を用いているのかも紹介します。

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直行率(First Pass Yield, FPY)とは

直行率(First Pass Yield, FPY)とは生産ラインにおける生産クオリティの水準を測定する指標であり、生産、作業またはテストの品質を表すために使用されます。最初の製造開始時からから最後の完成品が出来上がるまで、すべての作業手順が一回で良品として出来上がる割合を計算します。

計算式:直行率=(一回で良品になった数÷投入総数)×100%

 

総合合格率とは

生産ラインではどの工程にも欠陥が発生する可能性があります。一部の欠陥は改良や再製造などによって合格させることができますが、最終的に合格率を計算した際、その中間で欠陥が発生していたかどうかを正確に反映することができません。

計算式:合格率=(最終的な良品の数÷投入総数)×100%

BGA再加工のイメージ

図:BGA再加工のイメージ

SMD再加工のイメージ

図:SMD再加工のイメージ

原料から完成品までは数多くの工程が必要です。製造、生産の過程では半製品と完成品が人の手や加工時のミスにより通常の流れに従って作業を行うことができず、生産を中断させ修理するか、もしくは廃棄することになるのは稀ではありません。そのため管理者が報告書を提出する際、不良なデータを改ざんし、合格率を以て真相を隠すことも聞いたことがあります。

連続での加工を必要とし、多くのプロセスを必要とする製品の品質の良し悪しについては、以前は合格率で評価するのが一般的でしたが、合格率は基本的に最後の良品数で計算するため他のプロセスで不良があったとしても途中で修理し最後でテストに合格すれば良品と見なされます。そのため、合格率の統計方式には限界があり、最終合格率が100%であっても、加工中に不備が発生しているかもしれません。

下の表を例に説明します:

一次不良とは、そのプロセスで初めて発生した不良を指します。二次不良とは、同じ製品が前のプロセスですでに一度不良が発生しており、次のプロセスになってももう一度不良が発生し累計で二回以上に達したことを指します。

表のデータから製品の直行率=87%、合格率=96%が明らかになりました。

 

まとめ

合格率と直行率について次の注意点をまとめました。

 

合格率は直行率ではない

合格率は結果であり、途中であった変化は気にしません。製造、生産中に発生した不良はその後複数回のテストを経て、最終検査に合格すれば、良品として計算されます。合格率が高くても工場のリペア担当者は忙しく働いており、大量の材料と時間を浪費している可能性もあります。さらには他の製造日であったり修理日が同日でない不良品が最終修理を合格した場合でも、良品総数として計算したり、もしくは計算に入れなかったりするため、データの違いが生じることがあります。

 

直通率は全プロセスの合格に重きを置き、プロセスの変化も見ることができる

・ 製品または仕掛品がもしひとつ前のプロセスで不良が発生し、修理を経て良品になっても、直行率を計算する際にはこの記録は不良品の記録となります。

・ 二次不良が起こった場合、直行率を計算する際には一度の計算のみとなります。直行率は前後の流れをひとつと見なすため、それに関連する数字も1つとなります。

直行率で計算すると途中のプロセスにもプレッシャーがかかるため、常に見張られているようです。もし頻繁に修理すれば自身の直行率が下がるだけでなく、他の人の直行率も上がりません。このため一人一人が協力してこそ、最高の直行率を求めることができるのです。

 

合格率は前後の流れを完全に独立させているためそのデータとプロセスの関連性は薄くなる

フロントエンドは毎日ずっと点検する必要はなく、決められた時間通りに点検して次のプロセスへと促すだけで最終合格率は悪くありません。ですがそのため、各プロセスでの個人差が生まれやすく、パイプラインの効率が低下する可能性もあります。

アリオンのSMT品質管理では、それぞれの生産段階においても、圧倒的多数の問題を解決することができます。IQC(入荷品質管理)からIPQC(プロセス管理)、製品出荷前のOQCまでデータを統計と分析し、品質基準の制定あるいは品質の向上など対応することが可能です。

 

アリオンのSMT品質管理の特徴

  • 問題を発見するのが得意であり、品質管理や品質検査、検査技術を高めるのにも貢献いたします。
  • お客様の利益を第一に考え、検品と返品だけではなく品質の向上、コストの削減を全力でサポートいたします。
  • 工場生産の立場からも考え、生産時の各条件に異常がないかどうかを確認し、プロセスにおけるテストと製品が合格かどうかを判断するだけではなく、それ自体が円滑であるかどうかも確認します。
  • 製品を設計から完成まで、テストを実行するだけではなく、的確で重要な問題を洗い出します。
  • 製品全体の品質状況をコントロールし、測定、管理、分析、計画、運営を行い、品質の保証、品質改善など、「品質」を確実なものにします。

 

当社の品質管理プログラムにご興味をお持ちの方、またはご質問のある方は、お気軽にアリオンのお問い合わせフォームまでお問い合わせください。