Allion Labs/Ralph Liao
USB Type-CをHDMIに変換することについて
数十年にわたる時代の進歩とともに私たちの電子製品も USB Type-A コネクタからUSB TYpe-C コネクタに進化してきました。携帯電話、コンピューター、タブレットなどのポータブルデバイスは徐々に USB Type-Cのインターフェースを利用してきましたが、その名前の通り、ポータブルデバイスというものは持ち運びに特化しているため視聴用の大画面は装備されていません。YouTubeや自分で撮影した動画、Netflix、Disney+などを日頃ゆっくりソファに座って見たいユーザーからするとあまり適してはいません。そして市販のテレビは通常DisplayPortを持たないためUSB Type-CをHDMIに変換するアダプターはユーザーが最も必要としている機器の一つでもあり、携帯電話などの小型スクリーンを大型のテレビに映して鑑賞するのに非常に便利です。
HDMIは我々の家庭用テレビやパソコンディスプレイに最も普及しているインタフェースのひとつであり、テレビでは約2-4組のHDMIコネクタを搭載していることが多く、パソコンでは約1-2組のHDMIコネクタを搭載しています。USB Type-Cの導入によりHDMI協会もHDMI Alt Mode対応のUSB Type-Cインタフェースを搭載するようになり、このような製品を通じてUSB Type-Cデバイスの機器をHDMIのテレビやパソコンディスプレイに映像などを表示させることができるようになりました。しかし、HDMI Alt Modeは現在HDMI 1.4 bに対応のため、機能的にも以下の項目しか対応できていません。
- 最高4Kの解像度
- サラウンド音響サウンド(Surround sound)
- オーディオリターンチャンネル(Audio Return Channel)
- 3D(4K and HD)
- HDMIイーサネットチャンネル(HDMI Ethernet Channel)
- CEC(Consumer Electronic Control)
- Deep Color, x.v.Color, and content types
- デジタルコンテンツ保護HDCP 1.4 & 2.2(High-Band with Digital Content Protection)
HDMI製品がHDMI Alt Modeを搭載した規格を発表しても市場には対応する製品はあまりなく、HDMI Alt Modeは現在の市場の主流規格にはなっていません。現在でもDP Alt Modeを利用する製品が市場に出回っており、依然としてチップを通してDisplayPortをHDMIの信号に変換しHDMI搭載のテレビやパソコンディスプレイに映像を転送する方法が主流になっています。
そのため、USB Type-CからHDMIに変換する際の問題点としてはUSB Type-CからDisplayPortに変換する製品ほど実績が無いので、予測していなかった事態を招かないように注意する必要があります。
USB Type-CからHDMIに変換する機器がある中でどれを選択すれば良いのか?
HDMIのコネクタはシンプルです。現在Mini HDMIコネクタというものも発売されてはいるがMini HDMIに対応している製品は少なく、通常はカメラで使用されています。USB Type-Cのアダプター製品は99%以上の確率で一般的なHDMIコネクタを採用しています。ただ問題としては、例えば映像を表示しながら携帯電話の充電も必要がある時、携帯電話はUSB Type-Cのコネクタが1つしかないので、充電機能付きのY型アダプターや充電入力のあるアダプターを買う必要があるかもしれません。
今現在USBからHDMIに変換する製品はそれほど多くはないためユーザーはどのようにして品質の良いアダプターを選ぶのでしょうか。以下はアリオンのテスト経験とAmazonで購入したユーザーからのフィードバックをもとに、USB Type-CからHDMIへのアダプターについてユーザーが直面する可能性のある問題を整理し、ユーザーと販売側でトラブルが起きないかどうか調べた結果です。
この結果を踏まえて筆者はユーザーからのフィードバックの問題を元に整理し、問題を7つの要点に分類した。表から見て分かるように最も一般的な問題は、製品を買ってからシステム/携帯電話/タブレットに接続したとき、画面をテレビやパソコンのディスプレイに表示することができず、信号を検出さえできないということでした。このような状態になった原因には、はじめから壊れていた製品を購入した可能性もあるが、実際に私たちが最もよく目の当たりにするのは、両者の接続性に問題があり、ほかのシステム/携帯電話/タブレットに接続するとこれらの問題は一瞬で解決する可能性があるということです。
製品の接続性問題
この42%のユーザーフィードバックのうち、一部の消費者は自分が使用したデバイスをAmazonに対してさらにこのように反応しています。筆者はその統計を以下のように集計しました:
グラフではSamsungとAppleが製品の接続性の問題によりデバイスを検出できなかった割合が56%に達していることが確認できます。Samsung と Apple はポータブルモバイルデバイスの大部分を占めているため、アダプターやケーブルのメーカーがこれら 2 つのブランドと接続性を持つようにすることは非常に重要なことです。そのほか一部のユーザーは、製品の販売ページのラベルが正しくないことを指摘しています。販売ページには、Samsung携帯電話またはAppleデバイスと接続性があると明確に記載されているのに、実際には接続できなかったなどの問題があるとありました。このようなことになってしまうとユーザーは接続性の点でだまされたと感じてしまうためメーカーに対しての信頼におおきな打撃を与え、ブランドとしての信頼を失わせることになります。こういった点については本来製造・販売前に避けなければなりません。
耐久性問題
これ以外にも製品の耐久性はユーザーが強く関心を持っている部分です。市販されている製品には1年から3年の間の製品保証があるが、ユーザーのフィードバックからは数ヶ月あるいは数日以内の間で故障して尚且つ原因がわからないことがよくあるとあり、メーカーの信頼に大きな影響を与えています。
解像度問題
そのほかシステムはテレビ/ディスプレイのEDIDを確認するため、もしアダプターを介さずに直接接続した状態では解像度などがうまく設定できなくなる可能性があります。アダプターを介さないとこの問題が発生する確率が高くなるので、メーカー側も十分に注意しなければなりません。
画面品質問題
画面の品質に関してユーザーは次のように反応しています。例えば、緑の線が出たり画面全体が紫色になったり、ノイズが断続的に続き画面自体がブレたり点滅してしまったりなどがあります。こういった使用感に影響を与えるような故障は非常に悩ましい状況でもあり、ユーザーが不快な思いをすることは間違いないでしょう。
製品の設計問題
以上の問題の他にも製品の設計上、大きすぎるコネクタの搭載を避ける必要もあります。ユーザーが接続する際にはさまざまなメーカーのコネクタを使用するので、各メーカーはコネクタの部分に独自の手を施せなかったり、行うにはスペースが小さすぎたりする問題もあり、結果としてUSB Type-CやHDMI端子にでさえ挿入できない可能性があります。消費者のフィードバックから約6.8%の製品がこの問題を抱えていることがわかり、買っても使えない状況を産んでいます。しかし、製品の機能に問題が出ているわけではないので、返品するのも困難をきたします。もちろん、その製品が悪いということではないですがこの状態が良いわけはありません。例えば、アダプターの材質はプラスチック(非アルミニウム)を使用しているため放熱不足を引き起こす可能性があり、製品の温度を下げてから使用する必要があります。このような問題は製品の設計初期に避けるべき問題で、大量に生産されてからユーザーのフィードバックからこれらの問題を知るようですと後続のコストにも影響する可能性があります。
その他
上記の比較的割合が高い問題の他にも筆者は以下のようにフィードバックを整理しました。その中でも特に目立ったのはユーザーがある製品を接続すると、携帯電話/タブレット上に浸水警報(Moisture Alert)が表示され、音声が出力できなかったり、Wi-Fi接続に影響を与えてしまったっりがあるとのことでした。
携帯電話/タブレットに浸水警報が表示されたユーザーのフィードバックにはAmazon Kindle Fireが最も多く、その次にSamsungの携帯電話が挙がっています。音を出力できないことに関してはSamsungとMicrosoft Surfaceは、USB Type-Cを介してHDMIに変換された信号が製品が転送された時に画像は正常だが映像の音声や音楽を再生する際、テレビやディスプレイの内蔵スピーカーで音声が出力されていないなどがありました。
また一部の消費者からはAppleのシステムを介してUSB Type-C経由でHDMIに変換すると、Wi-Fiが接続できなくなるケースが発生するとの指摘もありました。その他の割合は一般的な問題ほど高くはありませんが、小さな問題の積み重ねはユーザーの使用上の悩みをより引き起こしやすく、他のブランドの製品を選ぶ理由となってしまします。最初からこれらの問題を解決できていれば、ユーザーの信頼を大幅に得ることができるでしょう。
アリオンのテストソリューション
HDMI対応テレビはほとんどの家庭にあるため、USB Type-Cコネクタのノート型パソコン/携帯電話/タブレットなどの装置もそれに伴ってかなり普及しています。ユーザーは市場でこのタイプの製品を求めるようになり、異なるメーカー間の組み合わせにおいても多様な変換が可能であることの期待度がかなり高いです。そこで生まれたのは非常に多くの接続性や互換性、機能性の問題であり、USB Type-CからHDMIへの変換器に対して、アリオンは以下のテストを行っています。
- 接続性・互換性テスト(Compatibility Test):ノート型パソコン/携帯電話/タブレットやテレビ/モニター/プロジェクタ
- 機能性テスト (Functionality Test)
- リミットレス干渉テスト(Wireless De-sense Test)
- ユーザーエクスペリエンステスト(User Experience Test)
- 競合分析と品質向上コンサルティング (Competitive Analysis and Consulting)
- ケーブル・コネクタ検証テスト(Cable&Connector Test)
- ロゴ認証試験(HDMI, USB, DisplayPortなど)
アリオンはシステム/タブレット/携帯電話/モニター/ハブなどの業界最先端かつ全面的な設備・機器に対しても豊富に揃えており、最高品質の認証・検証サービスを提供しております。
関連の検証テストサービスについてより詳しい情報をお求めの場合は、アリオンのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。