COVID-19の影響で、生活様式の変化が巣ごもり需要を喚起したことにより、ゲーム業界は業績が好調に推移しています。コロナ禍の影響が落ち着く2022年以降は、国内海外の大型競技大会が再開されることもあり、市場規模は成長率がさらに拡大することが見込まれています。Allied Market Researchの分析によると、世界中のeスポーツ周辺機器の市場規模は2021年にはUSD 6.1 billion達し、2030年にはUSD 14.4 billionに及ぶと予想され、年平均成長率は9.9%に達する見込みです。eスポーツの周辺機器の中でキーボード、ヘッドセット、マウスが最もよく売られている製品となります。
eスポーツ周辺の日々の成長に伴い、製品の様々な問題も発生している。これまでのeスポーツマウスの購入時のポイントとしては利用者本人の実体験にあり、DPI、適切なIPS数値、無線マウスの低遅延対応能力及び航続力、組み合わせの良いソフトウェアとの高い互換性を切り替えることが重視された。その中でゲームを行うにあたって、遅延というのはゲーム利用者に明らかな不具合を発生させるため、消費者に対し各メーカーも続々と自社製品の遅延性に重きを置いて開発、またはアピールしてきた。
では、遅延はゲーマーにどのような影響を与えるのでしょうか?まず、システムに関する遅延からお話しましょう。パソコンの遅延には、マウスまたはキーポートの操作、パソコン内部の演算、ディスプレイの入力などの原因が含まれます。
下図をご参照ください:
一般のユーザーが日常使用する分にはこれらの遅延があまり感じられないかもしれませんが、1分1秒を争うeスポーツゲーマーにとっては、僅かに遅延が増えると、勝率または大会のランキングを左右する決め手となると言えます。以前からマウスの遅延はそれほど高くないと思われていて、どのメーカも低遅延マウスのセールスポイントにすることはありませんでした。では、なぜ近年では多くのメーカが自社の商品は「超低遅延」に対応しているとアピールするようになったのでしょうか?
2020年9月当時、NVIDIA社よりRTX30シリーズのグラフィックカードをリリースされ、同時にReflexと呼ばれる技術を発表しました。この技術は、改良が施されたゲームとドライバを通して、GPUとCPUのコミュニケーションプログラムを大幅に簡略することができました。これにより、モニターとシステムの遅延が半分に短縮され、更新率が高いモニターに使用すると、遅延時間を更に短縮できます。
現在NVIDIAより公開されているデータとアリオンアリオンの試験データベースから合わせてみました。NVIDIA RTX 30シリーズのグラフィックカードのシステムに更新率が360Hzのゲーミングモニターを組み合わせた場合:
- まず、モニターを60Hzで設定しReflexを無効にした状態では、システムとモニターを合わせた全体の遅延は50msとなります。
- 続いてReflexを有効にすると、システムとモニターを合わせた全体の遅延が29msに短縮され、遅延が約42%ほど改善されたことが分かります。
- モニターを360Hzで設定すると、システムとモニターを合わせた全体の遅延が12msまで短縮します。
システムとモニターを合わせた全体の遅延がこんなに低くなることに対し、予想外の結果に驚きました。更に、ソフトウェアの更新率を無限大に設定し、G-syncとV-SyncがOFFにする状態を測定したところ、システムとモニターを合わせた全体の遅延が更に5msまで短縮するという予想を超えた結果が得られました。G-syncとV-SyncをOFFにするとティアリングが起きますが、結果として得られたのは、プレイヤーにとって足を引っ張るのはシステムとモニターではなく、まさに手元にある旧式のマウスです。
より確実に確認するために、アリオンはアリオン市販のゲーミングマウスを10種類用意し(下表1の通り)、それらのマウスに対してクリック遅延の試験を行いました。
マウスのクリック遅延検証
以前の検証方法は、マウスを分解してマイクロスイッチの半田付け箇所にオシロスコープを取付け、パソコンとUSBアナライザを用いて、マウスのクリック遅延を取得していました。この検証方法のメリットは測定データが生の電気信号の遅延を得られますが、取外し後にマウスの構造を破壊してしまいます。、また電気信号の遅延は低すぎて、実際のユーザー体験とは一致しません。
よりリアルなクリック遅延のデータを取得するため、当社では新しい検証方法を採用しています。マウスをアリオンが開発した専用の自動測定装置に固定し、テストツールを通して自動でマウスを左クリックします。そして高速カメラを使用してパソコン上のリアクションタイムを記録と分析し、システムとモニターを合わせた遅延を引いてマウスのクリック遅延の数値を取得します。表1の各マウスに対してそれぞれ10回テストを実施し、平均値を出しています。
手動の検証試験に比べて、自動化による測定はテストツー位置、速度、力が毎回一致することができます。ユーザーの主観的な感覚を標準化された測定設備と高速カメラによる分析でデータを取得することで、よりリアルにプレイヤーの実体験に近づけると考えられます。
テスト結果
試験結果から分かったこと
有線のテスト結果では、比較対象として用意した知名度の高いメーカの旧式のマウスMouse #10のクリック遅延は23.8msでした。ゲーミングレベルだけど、まだ超低遅延に対応していないマウスMouse #08、#09のクリック遅延は約5ms前後、超低遅延に対応しているゲーミングレベルのマススのクリック遅延は約2ms前後でした。
有線/無線の両モードに対応しているマウスのそれぞれのモードの測定結果を以下のように比較しました。結果、無線の遅延は有線の場合より高くなりますが、Mouse #03以外は、有線と無線の測定結果にそれほどの差はありませんでした。
この差は一般ユーザーでは感じ取ることができないほどの差です。続いて、テストサイト(http://aimbooster.com/s/p9JWWqy)を利用してMouse #10(23.8ms) とMouse #07(1.91ms)を比較したところ、確かにゲームの勝敗に影響することが結果から判明しました。
1. より高い確率で移動中のターゲットに命中する
2. フリックショット(Flick Shot)時にはより高い命中率が得られる
超低遅延デバイスによるアドバンテージはゲームの勝敗を握る鍵となります。CPUとグラフィックカード、ディスプレイメーカが努力した結果、システムの遅延は10msのレベルに到達し、更にそれより低くなる可能性もあります。ゲーミングマウスの遅延も一桁を目標に進んでいるに違いないです。お手元のマウスの遅延がどのくらいか知りたいですか?感覚に頼るのではなく、アリオンにテストを任せてみませんか。
eスポーツ周辺製品向けの全面的な検証テストサービス
ゲーミングマウスは多くの機能が備わっており、上述で紹介した問題以外、他の問題も少なくありません。より良いユーザー体験を提供するため、ゲーミングマウスのパフォーマンステストは非常に重要になります。ゲーミングマウスの問題点に対して、アリオンは以下のテストを提案し、メーカの品質向上のサポートをします。
- Interface Logo Compliance Testing
- USB, Bluetooth
- RF Performance (Antenna, Module, OTA)
- System Compatibility
- Gaming Mouse Performance Validation
- DPI accuracy
- Polling Rate
- その他の検証テスト
アリオンには長年蓄積したゲーミング製品の検証テストに関する豊富な経験があります。検証テストの効果が最適になるよう、メーカの製品に対してテストプランのカスタマイズも行っています。2,000台以上のシステムを有しており、あらゆる大手メーカのグラフィックカード、アダプター、ドッキングなどの周辺機器も非常に豊富に備わっています。ゲーミングマウス、ゲーミングキーボード、ゲーミングヘッドセット、ゲーミングモニターなど、全てに完全なテストプランが用意されています。アリオンの検証テストサービスにご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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