Allion Labs/Franck Chen
調査会社Parks Associatesのレポートによると、近年のストリーミングビデオサービスの台頭により、スマートテレビは、すでにストリーミングメディアサービス向けのメインデバイスとなっています。テレビはもはや単純に「見る」だけのものではなく、現在製造されている新型テレビのほとんどが新しい機能を備え、コミュニティ、ゲーム、インターネット、ビデオオンデマンド、テレビアプリ等、これらすべてをテレビ上で実現することができ、デジタルホームエンターテイメントライフが当たり前なものとなりました。そのため、テレビメーカーは従来と違ったさまざまな新機能や、ユーザーの視聴習慣、さまざまな使用シーンを製品開発レベルで検討する必要があります。しかしながら、エンドユーザーが長く製品に触れ、有線と無線が混在する環境、さらに複雑且つ頻繁に使用される習慣や方法が存在する中で、今までにない問題が次々と発生しています。
テレビメーカーが直面する現実とジレンマ
アリオンの長年に渡るテレビテストの経験よると、一般的なスマートテレビの深刻な問題の約 5~10%は、反復操作や長期間使用された後に確率的に発生します。このタイプの問題は一般的な方法では簡単に検出できないため、潜在的なリスクは実際の統計よりも高くなります。
確率的な問題であっても、市場で販売される数とユーザーの使用頻度を計算すると、実際のケースでは確率の数値よりもはるかに高くなることが予想されます。今日多くの消費者は、製品を購入する前に製品に関する情報と評価を検索し購入するかどうかを考えています。製品が発売される前に、これらの確率の問題を効果的に減らすことができなければ、顧客のクレームリスクと圧力が大きくなってしまいます。以上のことから、数%程度の確率で発生する深刻な問題も無視できないことを認識しておく必要があります。
しかし、一般的なマニュアルによる方法で、確率的問題を長時間または反復してテストすると、集中力の低下によるヒューマンエラーが発生しやすくなる一方で、工数が多くかかるのでテスト期間を長くしなければなりません。上記のジレンマに直面し、メーカーはしばしば板挟みになってしまいます。
アリオンは「時間コストの削減」と「一般的なマニュアルでは実現できない能力の克服」という2つの条件を同時に満たしながら、お客様が潜在的且つ深刻な問題を検出して製品競争力を強化できるよう効率的にサポートします。
「自動化キット」と「カスタマイズされたテストスクリプト」は必須であり、互いに補完し合うことで効果的に検出できます
今日のスマートホームアプリケーションエコシステムにおいて、消費者の直面しそうな問題をお客様が事前に発見できるように、アリオンのチームは、ハードウェアテスト、ソフトウェアテスト、互換性とVFT (仮想フィールドテスト) のテスト概念を統合しました。アリオンの設計開発した『スマートホームの主要シナリオテスト』(ACSTS、Allion Critical Scenario Test Solution)は、マニュアルによるテストでは達成できない欠陥を補うためのものです。
まず、アリオン自社開発したストレス関連のテスト項目を実行できるACSTS自動化テストキットを通じて、検出時間を伸ばし時間利用率の向上に加えて、ヒューマンエラーを削減することで検出精度の向上が可能になり、一般的なマニュアルによるテストの限界を克服します。
次に、アリオンのテストと市場調査における長年の経験から、ユーザーシーンと主要な操作と条件を分析してテストスクリプトをカスタマイズし、ログ結果を照合してレポートを自動的に生成し、問題の検出率を効果的に向上させます。
上記の利点を組み合わせると、アリオンのソリューションは、時間利用率、検出精度、問題検出率のいずれにおいても、一般的なマニュアルテストソリューションよりもはるかに優れています。
事例から学ぶ!スマートテレビに潜む深刻な問題を効果的且つ包括的に検出するには?
- 背景: あるお客様のテレビ製品は、時折深刻な問題を抱えていました。これまで、反復的あるいは長期的なテストと検証がマニュアルで行われていましたが、余計な人手と時間コストがかかるだけでなく、その効果も芳しくなく、製品の問題を包括的に検出することはできませんでした。そのため、このお客様は新製品を開発する際に、問題が発生する可能性を効果的に減らし、製品の品質を向上させるため、アリオンにこの部分の検査を依頼されました。
- お客様の問題点を理解し検証戦略を策定:
- 検出された問題:
テストの実行後、以下の通り質問を整理統一しました。
- さまざまなストリーミングビデオを再生した後、デジタルテレビの視聴(4K) に切り替えると、2%の確率でクラッシュする。
- Netflix(Dolby Atmos)を再生中、音源出力をAVRに切り替えると、3%の確率でエラーメッセージが出て動画が再生できない。
- HDMI(4K 120Hz)では、テレビの電源を切って再度つけると、2%の確率でHDMI信号が検出されないという問題が発生する。
- 別のアプリに切り替えて動画を再生した後、2%の確率でリモコンのボタンが反応しない。
- Bluetoothスピーカーを接続して、NetflixやYouTubeの動画を再生すると、3%の確率でワイヤレスネットワークが切断される。
- 次世代コンソールゲーム機に接続してゲームモードに切り替えた後、4%の確率で黒い画面のままである。
上記の通り、特定の状況でいくつかの問題が発生しており、一般的なテスト手順にだけでは対応できないことが分かります。
アリオン自社開発したテストソリューションにより、90%のテスト時間短縮が可能に
1. 人件費と時間はどれぐらい節約できるの?
アリオンのソリューションは一般的なマニュアルテストよりも約90%効率的であると言えます。全体的な検出時間を大幅に短縮し、潜在的なヒューマンエラーを削減します。
2. 潜在的なリスクはどれぐらい検出できるの?
上述した『さまざまなストリーミングビデオを再生した後、デジタルテレビの視聴(4K) に切り替えると、2%の確率でクラッシュする』問題を例にしましょう。検出された問題の値を見ると、アプリで動画を視聴した後に、デジタルテレビの視聴に切り替えるユーザーの操作行動は1日に3~5回行われ、市場で10,000台が販売されていると推算してみましょう。
確率2%×1日3回×10,000台= 600回/日で、この問題が毎日600回市場で発生していることになり、潜在的な顧客からのクレームリスクを過小評価してはなりません。
3. テスト結果だけでなく、検出した問題のログレポートも取得できるの?
問題のログの値を取得するという観点から、根本的な原因を見つけて問題を修復することに加え、メーカーはログ情報をファイリングして追跡し、後日新製品の設計及び開発上の参考とすることもできます。そして、同様の問題が発生する可能性や修理コストを削減でき、長期的に見れば、ほんの少しの苦労でその後多くのメリットを享受することができます。
深刻な問題が発生する可能性をいかに効果的に減らすことができるかは、製品の競争力を向上させるために不可欠であり、長期的見れば、ブランド価値の維持に重要な鍵でもあります。スマートホームキーシナリオテストソリューションにご興味がおありであれば、スマートホーム向けキーシナリオ検証で、より多くのアプリケーションやサービスを紹介しています。ご参照ください。
関連の検証テストサービスについてより詳しい情報をお求めの場合は、アリオンのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。