Allion Labs / James Ou
アリオンは、サーバー業界およびアプリケーションシナリオ関連をテーマとした記事をシリーズで作成し、専門コンサルタントの観点から詳細に分析を加え、メーカーや業界の調達部門、クラウドサービス企業等を支援し、より多くの製品が結びつく市場情報とデータを入手してきました。
品質検証の3大要件:仕様、パフォーマンス、安定性
一般的な企業のコンピュータールームやクラウドサービス会社にとって、サーバー製品は最も重要なハードウェアインフラストラクチャであり、調達部門にとっても非常に複雑で難しい製品でもあります。高い単価に加え、様々なアプリケーションシナリオに基づき、それぞれに適合するハードウェアの仕様を策定する必要があります。更に困難なのは、その仕様やパフォーマンス及び安定性が、出荷受入時或いは量産時のサンプリング検査において、要件を満たしているかどうかを確認することです。
しかしながら、サーバー製品の仕様やパフォーマンス、安定性の検証は、企業の品質管理部門や一般的な外部テストラボでは実行できません。これらの検証は、ハードウェアと電気信号の品質の確認、サーバー運用における様々なシナリオパフォーマンス評価、異なる環境条件下での運用安定性をカバーしており、これらの関連するテスト設備とテスト機能分野はそれぞれ異なります。次に、これら3つの要件を検証するために必要な設備と機能について説明します。
サーバーの品質検証–高いスペックを持つ技術ラボがカギ
サーバーはIT業界における様々な高い技術仕様を統合した製品であるため、ハードウェアの電気信号品質を検証する際、テクノロジーの最前線にあるラボにしかそのニーズを満たすことができません。
例えば、サーバーの特徴である高速信号と高スループットのデータ伝送について、業界の最新の技術仕様はPCIe Gen5および800G高速イーサネットであり、スループットはそれぞれ63GB /秒(x16)および112GB/秒です。高速信号ボードの設計上の欠陥がある場合、データ通信の速度が低下したり、消費電力が増加したりすることがあります。更にはシステムがランダムに再起動する可能性もあり、サーバーの動きが遅いあるいはフリーズなどの障害が起こると、ユーザー満足度を低下させるだけでなく、最悪の場合、財産の損失、火事といった様々な過失を引き起こす恐れがあります。
このような高速電気信号を測定するには、50/70GHzオシロスコープと32GbpsのBERTを使用し、且つ様々なフォームファクタのテストフィクスチャを使用する必要があり、技術的なハードルは非常に高くなります。
性能評価に高価なテスト設備は必要ありませんが、アプリケーションのシナリオに応じて評価条件や結果を判読するには、かなり専門的な能力が必要です。例えば、エッジコンピューティングにおけるNB IoTと5Gアプリケーションのパフォーマンス条件の違い、クラウド仮想コンピューターとクラウド商用ソフトウェアのコンピューティングパフォーマンス条件の違い、クラウドストレージのホットデータとコールドデータのスループットパフォーマンス条件の違い等、ハードウェアの仕様、アプリケーションシナリオ及び使用量に従って、ワークロードパラメータを設計する必要があります。また、その結果の解読にも、アプリケーションシナリオテストの専門家による正しい情報とアドバイスが必要です。
様々な環境条件下でのサーバーの動作安定性も、検収のために非常に重要な品質要件の1つです。考慮すべき基本的なテスト条件は、温度(Temperature)、湿度(Humidity)、及び衝撃と振動(Shock & Vibration)で、これらは全て、サーバールームやデータセンターの中でサーバーに起こりうる環境変数です。サーバールームの環境とサーバーアプリケーションの動作条件をシミュレーションするテスト環境の実現は簡単なことではありません。例えば、アプリケーションサービスが120台のサーバーで構成されている場合、この環境をラボに完全再現するには、3つの42 / 48Uに対応可能なラックと、50〜60KWの熱負荷に対応可能なウォークインチャンバーのラックを準備する必要があります。この方法でのみ長期(500〜1000時間)の安定性テストを実施できますが、このような高スペックのウォークインチャンバーは、一般的なラボに備えられていません。
サーバー調達の品質検証要件に関する上記の3つの重要なポイントを組み合わせ、これら3つの分野でテスト設備とテスト機能を同時に備えるラボはほとんどありませんが、アリオンはその関連設備と機能を同時に備えた数少ないラボの1つです。
アリオンは500万米ドル以上を投資してワンストップ検証サービスを確立・提供し、出荷受入時或いは量産時のサンプリング検査で仕様やパフォーマンス、安定性を検証することで企業の調達部門のニーズを満たし、サーバーの展開後に最高のユーザーエクスペリエンスサービスを提供できるようにします。また、クラウドサービスプロバイダーや通信事業者、ブランドに向け、QRS品質管理プログラム(Quality Requirement Standard)およびRFP (Request for Proposal)コンサルティングを通じて各段階のニーズに応じた最適な品質検証プランをご提案いたします。
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公開日: 2022/7/5
最終更新日: 2022/7/21