Allion Labs/Joseph Lin
Chrome OSとChromebookとは?
Chrome OSは、Linuxコアに基づいてGoogleが設計したオペレーティングシステムで、メインユーザーインターフェイスとしてGoogle Chromeブラウザを使用しています。Chrome OSは当初主にウェブアプリケーションをサポートしておりましたが、2016年からはAndroidアプリケーション(Google Playストアからダウンロード)およびLinuxアプリケーションとの互換性を持ち始めました。
GoogleはChrome OSを搭載したノートPC 「Chromebook」を2011年6月に正式に発表しました。主に教育とエンタープライズアプリケーション市場をターゲットとしており、商品の価格帯は200〜600ドルです。リリース以降、Chromebookのマーケットシェアは毎年着実に増加しており、特にアメリカの幼稚園から高校までの教育市場では、WindowsやMac OSを押さえ、マーケットシェアを60%にまで伸ばしています。
Chromebook Approved Vendor List — 品質保証の鍵
Chromebookの正式リリース以来、Googleは市場でChromebookの品質を確保し、消費者に対し優れたユーザーエクスペリエンスを提供するために、次の2つの重要な対策を講じています。
- ChromebookにインストールされているChrome OSは必ずGoogleからリリースされ、消費者に同じChrome OSのユーザーエクスペリエンスを提供します。
- Chromebookで使用される全てのコンポーネントは、Googleから認定を受ける必要があり、認定されたコンポーネントは、AVL(Approved Vendor List)リストに含まれます。ブランドメーカーがChromebook商品を開発する際、ユーザーエクスペリエンスを保証するために、全てのコンポーネントを認定リストから選択しなければなりません。
また、GoogleはApproved Vendor List認定の中で、各コンポーネントに必要な最低限の仕様と提供される機能を詳細に定義し、検証テストに必要な項目と方向性も定義しています。アリオンは2016年からはGoogleと綿密に協力し、GoogleのサードパーティChromebook Approved Vendor Listテストラボとなりました。これにより、ブランドメーカーやコンポーネントメーカーがAVLのテストコンテンツを理解することをサポートしたり、コンポーネントの修正や改善に対する助言を行うことができるようになりました。
現在アリオンは、次のコンポーネント向けApproved Vendor List認証サービスを提供しています。
- タッチスクリーンとタッチパッド
- スタイラスペン
- 表示パネル
- 内蔵バッテリー
- 無線ネットワークモジュール (Wi-Fi & Bluetooth)
それでは、1.と2.の試験項目について一部を公開します。
1. タッチパネルとタッチパッドテスト
Chromebookでは、タッチスクリーンやタッチパッドはもっともよく使用される機能です。優れたタッチパフォーマンスは、ユーザーにChromebookに対するよい印象を残します。
Chromebookのタッチスクリーンとタッチパッドには、下記にあげる3つの主要なテストがあります。
1. パフォーマンステスト(Performance test)
A. タッチジェスチャーテスト
ユーザーがChromeブラウザを使いやすくするために、多くのタッチジェスチャーがChrome OSに組み込まれています。タッチスクリーンとタッチパッドがこれらのユーザーのジェスチャーに正しく反応するかをテストする内容です。
B. ライン直線性テスト
直線性エラー(Linearity Error)は、タッチデバイスの品質を評価するための重要な指標です。直線性エラーが大きすぎると、タッチデバイス上で直線を描く線にブレが発生してしまいます。
2. 移動レイテンシテスト(Moving Latency Test)
タッチデバイスを使用する場合、ユーザーはデバイスの応答時間が極力短いことを期待し、万が一遅延時間が長すぎるとユーザーはそれを不満に感じ、Chrome OSを使用する意欲に影響を与えてしまいます。そのようなことが起こらないよう、Googleは最大遅延時間仕様を設定しています。
テストではGoogleが提供するWalt Latencyを使用して機器を測定し、メーカーに正確なテストデータを提供します。
3. アンチノイズテスト
電磁波は生活周辺の環境にある程度存在し、ほとんどの電子機器は影響を受けます。タッチスクリーンとタッチパッドも、これら電磁波の影響により、タッチ検出の精度が劣化する可能性があります。したがって、ユーザーがタッチスクリーンとタッチパッドを使用できない状況にならないように、タッチスクリーンとタッチパッドはハードウェアとファームウェアの二つの観点から、十分なノイズ対策機能を提供する必要があります。
アンチノイズテストでは、ノイズ環境下でロボットの指を使用してタッチスクリーンまたはタッチパッドに直接触れるテストで、ユーザーの使用状況をシミュレートし、デバイスのノイズ耐性をテストします。
2. スタイラスペンテスト
スタイラスペンは近年その利用が広がっており、アップル、マイクロソフト、サムスンが独自製品を次々と発売しています。スタイラスペンの使用は、プロの絵画分野に限定されず、一般ユーザーの生活の中でも一般的に使われるようになってきています。スタイラスペンを用いることによって、直接指でタッチパッドを操作するよりもより容易に、より精密に操作ができることが期待されています。そのため、スタイラスペンのテストでは、テスト項目はタッチスクリーンやタッチパッドと同じですが、テスト設備の精度と安定性がより厳格になっています。
アリオンは、GoogleとOptoFidelityが共同開発したスタイラスペンテストロボットアームテストキットをスタイラスペンテストに使用します。これにより、最大0.01mmの精度が得られ、より正確なテストデータを算出できます。
Chromebookの品質向上のことなら、アリオンにお任せください
アリオンはGoogleの認定を受けており、特定したコンポーネント向けApproved Vendor List認証サービスを提供しています。ブランドファクトリーとコンポーネントファクトリーのAVL検証プロセスへの理解をサポートしながら、テストを通じて製品品質の向上をお手伝いします。
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