Tag Archives: ノートPC

スピーカー規格IEC 60268-5とTSパラメータ解析:アリオン音響コンサルティングが解説

Allion Labs  Thiele-Smallパラメータ:スピーカーユニット設計にどのように影響するか? 高性能なスピーカーシステムを設計するには、スピーカーユニットの主要なパラメータを理解することが鍵です。このパラメータはスピーカーシステムの音響性能に直接影響します。そこで、スピーカーユニット専用に設計されたIEC 60268-5規格は、スピーカーパラメータの測定方法を明確に規定しており、設計者がデータ駆動でスピーカーの周波数範囲ごとの性能を正確に評価し、必要に応じたスピーカー製品を設計できるようにしています。この設計の基礎データを提供するのが、「Thiele-Smallパラメータ(TSパラメータ)」です。 参考記事:スピーカーの性能を「見える化」するには必要な検証とは? | アリオン株式会社 お客様が直面している課題 今回の事例では、ノートPCメーカーのお客様がスピーカーをノートPCに統合する際、Thiele-Smallパラメータが極めて重要な要素となることが分かりました。正確なTSパラメータがない場合、以下の設計に影響を及ぼす可能性があります。 低音域の応答設計 スピーカー筐体のサイズと構造設計 スピーカーとアンプの適合性 音響調整と最適化 製品の一貫性と信頼性 [...]

ノートPC のHDMI 2.1の互換性問題を解決するには?

Allion Labs HDMI(High Definition Multimedia Interface)は、ノートPCをはじめ、さまざまな電子機器に採用されている高解像度マルチメディアインターフェースです。HDMIは、高品質のオーディオおよびビデオ伝送を提供し、デジタル機器間の接続を大幅に簡素化します。ノートPCにHDMIを使用するだけで、様々なディスプレイに簡単に接続することができます。 昨今、HDMIはノートPCの主なインターフェイスの一つであり、HDMI 2.1はその最新バージョンとなります。HDMI 2.1を搭載する製品はより多くの映像関連機能に対応できるようになりますが、市場に投入されてから次々と問題が発生しています。その中で互換性問題は最大の頭痛の種になり、メーカーが製品開発段階でより慎重にならなければ、消費者の購買行動に影響を与え、リコールや返品などのビジネスリスクにつながります。   なぜHDMI 2.1の互換性問題未だ絶えず? アリオンは長年にわたり、様々な業界のお客様と緊密に連携しています。そこであるお客様の製品がHDMI 2.1仕様を導入して、製品リリース後に顧客からクレームが殺到しました。初歩的に判断したところ、互換性の問題となりますが、問題点を特定したいと考え、豊富なテスト経験と仕様に対する深い理解を持つアリオンに依頼されました。 互換性問題の解決策を説明する前に、まずEDIDのメモリ容量について話しましょう。HDMI [...]

外付けGPUボックスのせいで、ノートパソコンのタッチパッドがまさかの機能停止に?!

Thunderboltは第4世代からIntel CPUに統合され、2020年から大量に普及し始めました。現在、多くのノートパソコンでThunderboltがサポートされており、Thunderboltは第3世代から40Gbの帯域幅を提供しています。さらにeスポーツの台頭も相まって、外付けGPUボックスも広く使われていますが、それに応じて生じる互換性の問題もユーザーの懸念事項となっており、ブランドにとって特に注意すべき問題となっています。 ノートパソコンと外付けGPUボックスの組み合わせ問題の実例と解決策 アリオンはThunderboltの認証試験ラボであり、大手システムメーカーの協業パートナーでもあります。実際に実施してきた多数のテストから、ノートパソコンにA社の外付けGPUボックスを接続すると、ノートパソコンのタッチパッドが機能を停止してしまう問題があることが判明しました。これではユーザーは解決方法が分からず困り果ててしまいます。  解決策  アリオンの専門コンサルタントチームが分析したところ、タッチパッドが機能停止した原因は、タッチパッドドライバーと外付けGPUとの競合から生じていることが判明しました。問題の解決方法は以下の通りです: 1. タッチパッドドライバーがこの問題を解決する新しいバージョンを提供できない場合は、デバイスマネージャーにアクセスし、”ヒューマンインターフェイスデバイス”内のタッチパッドドライバーをアンインストールする(以下の図を参照) 2. タッチパッドドライバーを更新する Faster、Easier、Better ― 最も信頼できる検証コンサルタント 最終的な解決策は難しくありませんが、本当の難題は問題点をいかに特定するかです。アリオンはシステム認証や互換性テストなどの分野で数十年以上の経験があり、専門的且つ経験豊富なベテランエンジニアが迅速かつ正確に問題を特定し、解決策を提供します。 キーコンポネント仕様の策定と検証サービス 高周波シミュレーションと信号評価サービス 安定性テスト 互換性テスト [...]

ノートPCを例に、画面の明るさを検証する重要性とは?

Allion Labs コンシューマーエレクトロニクス製品の普及により、人々はスマートフォンやパソコン、タブレットなどの画面に触れる機会が増え、目への負担も日々増大していますが、研究によると、画面が明るすぎても暗すぎても、いずれも目に有害であると言われています。液晶ディスプレイ(LCD)は、現在ノートPCの画面に最もよく使用されているディスプレイですが、バックライトの明るさが高くなるにつれて、バックライトを適切な明るさに調整し、画面の視覚効果を維持することが非常に重要になり、近年では目の保護をアピールしている製品が注目されています。例えば、適切な明るさの設定や調整比率、調整精度は、どれもユーザーエクスペリエンスの重要な要素であり、端末ブランドメーカーも重視すべきポイントでもあります。 ノートPCの画面の明るさに潜むリスクと検証ソリューションを実例で紹介 ノートPCを例に挙げると、マイクロソフトのオペレーティングシステム(OS)では、バックライト明るさを100段階で、キーボード上のファンクションキーも11段階でそれぞれ調整することができます。 OSが提供する100段階のバックライト明るさ調整機能は以下の通りです。 ノートパソコンのキーボード上にある画面の明るさ調整ファンクションキーは以下の通りです。 バックライトが暗すぎると画面が見づらくなり、逆に明るすぎると眩しすぎて不快感を感じてしまいます。消費者が明るさを調整する際に、一段階の差であまりにも明るすぎたり暗すぎたりしてクレームが発生するのを防ぐために、製品出荷前に明るさの調整比率を設定する必要があります。 アリオンが実際にお受けしたテストケースをご紹介すると、ノートPCのバックライト調整はBIOSで制御でき、各段階に応じた明るさが事前に設定されており、消費者は任意の段階まで自由に調整することができます。 当社はオシロスコープを利用してPWM出力信号を測定し、照度計で画面の四隅と中央の明るさを測定して平均値を取ることで、製品が設計値に合致しているかどうかを検証しました。もし設計値に合致しない製品があれば、明るさの変化がユーザーの期待と一致しない可能性があり、早期にエラーを修正すべきであると進言しました。 300ニッツのバックライトの明るさに対応する例は以下の通りです。   Faster、Easier、Better ― 画面検証コンサルティングサービス 今回ご紹介した例では、ハードウェア設計の検証という点から始め、ユーザーシナリオに潜む問題を確認しました。アリオンはさまざまな協会の貢献者として、関連する規格の策定を支援すると同時に、協会に認定されたラボとして、お客様のニーズに応じた規格を策定し、ブランド独自のエコシステムを構築するサポートを行います。 さらに、環境信頼性やベンチマーク、競合分析、ユーザーシナリオのシミュレーションなどのテストを提供しており、アリオンの経験豊富なコンサルティングチームを通じて、お客様により迅速且つシンプル、そして優れたサービス体験を提供することで、市場での販売を促進します。 [...]