Allion Labs/ Alvin Tsai & Chris Wu

業界初の家庭用Wi-Fi性能テスト基準「TR-398室内Wi-Fi性能テスト基準」(以下、「TR-398規格」といいます。)には、6つのカテゴリーが含まれます。前の文章では、必須ではないが重要な「受信機感度」及び必須項目に属する「伝送容量」、「カバー範囲」及び「マルチユーザーサポート」を紹介しました。今回のシリーズ文章では、最後の2つの必須カテゴリーである「安定性」及び「干渉回避」を紹介します。

カテゴリー5:安定性(Stability)

5-1. 長時間安定性テスト(Long Term Stability Test):必須項目

このテストでは、主にWi-Fiデバイスの耐久安定性能を測定し、24時間連続でスループット及び接続の可用性をモニタリングします。

家庭用ネットワーク機器が益々多様化され、また今のAPがほぼ24時間作動(例えば、携帯電話、タブレット、テレビ及びスマート家電は、ほぼ24時間連続作動)するのに従い、APの長時間作動及び接続の安定性は重要な課題の一つになりました。

テスト基準
  1. 24時間の測定期間の平均スループットを参考することにより、対等システムのダウンリンク(Downlink)スループットが各チャネル内において安定を保持し、最小サンプリングポイントの偏差は、20%未満であること。
  2. 1時間当たりの、PingテストのPERは、1%を下回ること。
テスト例

結果からわかるように、パケットロス及びエラーレートが高い傾向になり、基準に達していますが、Pingテスト項目において要件を満たしませんでした。

 

カテゴリー6:干渉回避(Interference)

5-2. 複数信号の耐性テスト(AP Coexistence Test):必須項目

複数信号の耐性テストは、主に外部APの信号を通じて、Wi-Fiデバイスのパフォーマンスが影響を受けているかどうかを検証することを目的とします。テスト中の外部APは、同一のWi-Fi規格(802.11n/802.11ac)に対応するものを使います。

無線ネットワークのパフォーマンスは、比較的新しい技術が用いられている以外に、更に重要なのが干渉を回避しなければならないことです。よく見られる干渉は、同一チャネル干渉及び隣接チャネル干渉です。このテストのポイントは、外部干渉を受けている場合において、AP干渉回避の安定性及びパフォーマンスが正常に維持できるかどうかをシミュレーションすることです。

同一チャネル干渉(Co-channel interference):周辺環境に同一チャネルを使用している複数のデバイスがある場合、互いに干渉が生じることによりパフォーマンスが低下します。

隣接チャネル干渉(Adjacent-channel Interference):隣接チャネルに一部重なる周波数範囲があることにより、信号のエネルギーが付近のいくつかのチャネルをカバー、干渉します。

テスト基準

測定された平均スループットは、下表の要件を満たさなければなりません。

Wi-Fi Configuration (DUT)Wi-Fi Configuration (Peer STA)Bandwidth (MHz)Throughput requirement referred to the No-alien-device-turn-on
No alien device turn onAlien AP turn onAlien network working (same channel)Alien network working (overlapping channel)Alien network working (adjoining channel)
802.11n (Nss=2)802.11n (Nss=2)20<5%<60%<60%<5%
802.11ac (Nss=2)802.11ac (Nss=2)80<5%<5%60%<5%

 

結論

Wi-Fiの開発が現在に至るまで、すでに20年以上の歴史があります。方法が変わりませんが、技術の絶え間ない革新により、パフォーマンスに関してはすでに同日の談ではありません。ただし、課題が周辺の干渉、システムのパフォーマンス、接続デバイス数だけでなく、将来遭遇する問題も益々多くなりますが、標準パフォーマンステストは、ベンダーが共同で遵守できる、且つユーザーが唯一信用できるルートです。

このシリーズ文章では、TR-398規格の11のテスト項目を深く解析し、また事例分析を通じて、テスト基準及びパス条件をわかりやすく説明しました。アリオンは、これのために無線テスト環境を構築し、6つのカテゴリー、11のテスト項目について、ルーター及び各種端末機を検査することで、お客様の品質を守ることができます。

アリオンはWi-Fiアライアンスに認定された認定試験ラボ(Authorized Test Lab)として、各種専門設備を取り揃えており、アジアで唯一、Wi-Fi全認証プログラムを提供できる第三者認証試験機関でもあります。また、アリオンは30年以上の検証経験があり、製品特性やユーザーシナリオ、IoTエコシステムなどに対し、デバッグサービスを提供します。

TR-398テストサービスの詳細情報に関しては、service@allion.co.jp まで問い合わせてください。